1万人が見守る中、ティップ・オフ
14:10にティップ・オフした試合だったがベンチ入りメンバーの中には、渡邊選手の名前がなかった。前日に肩の不調を訴えたことでこの試合は残念ながら欠場。そんな渡邊選手の役割を任されたのは金近 廉選手。「日本人選手は高さでアドバンテージがある中で、頑張らないとと思って試合に臨みました」と話した期待の若手が今日の試合で活躍する展開に。
第1クウォーターからは両者得点を重ねていき、21-16で千葉ジェッツが順調に試合を作っていく。コートを横いっぱいに使った素早いパス回しでファンを魅了し、パスを受けた田代 直希選手がホイッスルと同時にシュートを放った。ボールは放物線を描きリングの中へと吸い込まれていった。ブザービートを決めた瞬間、アリーナ中からの大歓声で会場が揺れた感覚。さすがといえるプロのプレーに見ていた子供たちからは「すごい!かっこいい!」と声が上がっていた。
しかし第2クウォーターから群馬クレインサンダースが、徐々に点差を縮めてきた。得点力が強みの千葉ジェッツの勢いを止め、得点をわずか5点に抑え込こんだ。開始3分で逆転、その後も得点を伸ばし26-34というスコアで群馬クレインサンダースが流れを掴んだまま試合を折り返した。
第3クウォーターを迎え、その後は両チーム得点を重ねていくが千葉ジェッツは群馬クレインサンダースになかなか追いつくことはできない。そんな時、タイムアウトを挟んだあと千葉ジェッツの勢いが変わった。「ビハインドでもう少しテンポを上げていきたいのと、点数が取れない時こそディフェンスで守って取るというきっかけになればと思いフルコートプレスをかけ戦術を変えた」と話すのは千葉ジェッツのTrevor Gleeson(トレヴァー・グリーソン)ヘッドコーチ。
そこから千葉ジェッツがボールキープする回数が増えていき、第3クウォーターを40‐46と点差を6まで追い上げた。しかし第4クウォーターでも、富樫選手が接触プレーの際に怪我で交代したこともあり、流れは完全に群馬クレインサンダースに。最後まで攻撃の手を止めることはできずに、試合は18点差をつけて群馬クレインサンダースが快勝。今シーズン14勝目を挙げた。
掴んだ勢いを離さない熱い戦い
群馬クレインサンダースのTrey Jones(トレイ・ジョーンズ)選手がこの試合で一番多い20得点という活躍。負けはしたものの、千葉ジェッツの金近選手も14得点と渡邊選手に引けを取らない活躍で会場を盛り上げた。
試合後に「相手のラインナップも変わっていく中、ディフェンスの時に選手同士がコミュニケーションを取り合ってどう守るのかを明確にできたところが千葉ジェッツの得点を抑えられた理由だ」と話したのは群馬クレインサンダースのKyle Milling(カイル・ミリング)ヘッドコーチ。
前日は82‐75で敗戦となったが「今日は前半から自分たちの流れでプレーすることを意識して戦うことができたので、それが結果に繋がったと思います。連勝はできなかったことが課題なので、あと1試合しっかり勝利できるように頑張りたいです」と話したのは細川 一輝選手。細川選手もスリーポイントシュートを3本決める活躍でチームを勝利に導いた。
惜しくも敗戦となり「今日の出だしは良かったが第2クウォーターからは苦戦してしまった。最後はいい点差に持っていくことはできたが、群馬クレインサンダースは本当にいいチームだった」と試合を振り返るのは千葉ジェッツのTrevor Gleeson(トレヴァー・グリーソン)ヘッドコーチ。