
第2戦MVPに輝いた洪(東京羽)∸吉川哲彦撮影
洪はスターターで出場した試合はなく、この2試合もベンチスタートだったが、そこに今シーズンの東京羽田の強さの一端を垣間見ることができる。次シーズンの入団が決まっている大学生・高校生が一足早く試合に出場できるアーリーエントリー制度を利用し、年明けに加わった現役大学生2人を含めた、16人の選手全員が戦力。

胴上げされる萩原HC-吉川哲彦撮影
萩原美樹子HC(ヘッドコーチ)も「どの試合も誰かが当たる。昨日は髙原で、今日は洪と千葉とエスターでした」と、日替わりでヒロインが出現するシーズンだったことを強調した。
特にこの三菱電機との第2戦は、第3クォーター開始早々に大黒柱の本橋菜子が負傷でベンチに下がるアクシデントがありながら、エスターや吉田、岡田真那美、森美麗といったベンチメンバーがコートに立っている時間帯に勢いづいた。選手個々がそれぞれに自身の役割を理解し、全員バスケでチーム力を高めてきたことがこの結果を生んだ。
Wリーグ随一の熱量を持つファンに後押しされて
重要なポイントとしてもう1つ挙げておかなければならないのは、この2試合が大田区総合体育館でのホームゲームだったことだ。三菱電機戦前のリーグ戦中断期間中に、千葉が主導して「満員チャレンジ」と銘打ち、自身やチーム公式のSNSを駆使して大一番への来場を呼びかけた。

満員チャレンジを主導した千葉(東京羽田)∸吉川哲彦撮影
その結果、通常の席割りでは2900人が満員だったのだが、第2戦は東京羽田のホームゲームとして過去最多の3193人という来場者数を記録。東京羽田に好プレーが出る度に沸き上がる大歓声は力強い後押しとなり、対戦相手の三菱電機には大きなプレッシャーとなった。
この2試合をホームで戦うことができたのは、スケジュールが東京羽田に味方したとも言えるが、地域に根差した活動を展開し、Wリーグ随一の熱量を持つファンを作ってきた東京羽田だからこそ、大田区総合体育館に熱気が生まれたことも間違いない。

第2戦満員の大田区総合体育館-吉川哲彦撮影
「気持ち良すぎました(笑)。歓声がすごくて、本当に疲れなかったし、自分のプレーであれだけの沸き方というのは初めての経験でした。本当に応援が力になったなと思います。ここまで埋まると思ってなくて、その中で楽しくプレーできて幸せでした」(洪)。
「私は7シーズン目なんですけど、初めて見る光景でした。感じたことのない声の圧で、相手は嫌だったと思いますし、私たちには本当に心強かったです。ヴィッキーズを応援してくださるいろんな方の力が集まって、この素敵な会場になったと思います。大好きなホームコートで、あんなにたくさんのお客さんの前で、試合できたことがうれしいし、そこで優勝を決めることができたのは、幸せ以外の何物でもないです」(キャプテン・星澤真)。

Wリーグ原田裕花会長から昇格プレートを授与される星澤-吉川哲彦撮影
「選手たちもこういう大事な試合を、ここでできたことがうれしかっただろうし、私としても、ファンの方が熱いチームだということは知っていても、こんなにお客さんが入ってくれるんだ、ここまで応援してくれるんだと思って、すごくうれしかったですね。本当に幸せな空間でしたし、女子バスケットのポテンシャルみたいなものも感じましたね」(萩原HC)。
この第2戦が今シーズンのホーム最終戦だったことから、試合後にセレモニーが実施されることは当初から決まっていたが、全選手・スタッフがチャンピオンTシャツを着てセレモニーに参加。
コート1周と記念撮影の後には萩原HCの胴上げが行われ、チーム最長の在籍9シーズン目となる本橋と、キャプテンの星澤も続いて胴上げされた。見守ったファンも含め、東京羽田に携わる人々が歓喜に酔いしれたひとときだった。

選手を迎えるキャプテン星澤-吉川哲彦撮影

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