一瞬の輝き ~その瞬間のために~
ついに4月12日(土)から開幕し、4年目のシーズンを迎えた”ニトリJDリーグ”。岐阜県大垣市の大垣北公園野球場で行われたのは、地元大垣市を拠点としている”大垣ミナモ”と群馬県高崎市を拠点にしている”ビックカメラ高崎ビークイーン”(以下、ビックカメラ)の一戦。
ビックカメラの今シーズンのスローガンは【一瞬の輝き ~その瞬間のために~】。昨シーズン、ダイヤモンドシリーズ・ファイナル進出を初めて逃したビックカメラのリベンジがここから始まろうとしている。そんなビックカメラは今シーズン、東京オリンピック金メダリストたちが現役復帰を発表。昨シーズン、コーチとしてチームを指導していた我妻悠香選手と市口侑果選手が2年ぶりにプレーすることになった。

選手層が更に厚くなったビックカメラーJournal-ONE撮影
ブランクはあるものの、世界を知るベテラン二人が加わったことで大幅な戦力アップとなる。若い選手を率先垂範でけん引し、今シーズンこそはダイヤモンドシリーズ ファイナルの舞台で日本一を奪還したいところだ。この開幕初戦では早速、7番キャッチャーで我妻選手が先発出場し、開幕投手を任された勝股美咲投手とバッテリーを組んだ。
開幕戦を前に上野由岐子投手は、市口選手と我妻選手の復帰について「うちにとってはかなり大きい戦力だと考えてます。去年勝てなかった、1番弱かった部分を彼女たちが支えてくれると思いますし、今年は新人も含めてかなり強い布陣ができていると思うので、今シーズンは勝ちにこだわって戦いたいです」と話していた。
復帰戦でさすがの打撃を披露
更に強くなるために帰ってきたベテランがファンの期待通り、開幕初戦から結果を残す。ビックカメラは初回、2死から3番・工藤環奈選手がヒットで出塁すると、続くは4番の藤田倭選手。カウント2ボール2ストライクから振り抜いた打球はレフトのフェンスを越える先制2ランホームランに。今季チーム初得点は4番の豪快な一打で開幕を告げた。
そして2回表に訪れた我妻選手の復帰後初打席。2年ぶりに打席に立った心境は「2年ぶりということもあって少し緊張しました」と話した我妻選手。しかしそんな様子を全く感じさせない、堂々とした構えからの鋭いスイングにジャストミートされた打球は一直線にレフトの頭上を越えていった。

我妻選手の復帰後初のホームランーJournal-ONE撮影
「思い切って振ったので、打った瞬間に(スタンドに)入るなと感じました」と自身でも感触が良かったという、復帰初打席で飛び出したソロホームラン。ビックカメラの選手たちは ”おかえりなさい” というかのようにホームベースで我妻選手の生還を待ち、その復帰弾を盛大に祝う。スタンドのビックカメラ応援団からも拍手で迎えられた我妻選手は、少しホッとした表情でベンチに帰っていった。

笑顔で迎えるビックカメラナインーJournal-ONE撮影
我妻選手のソロアーチもあり、試合の流れは一気にビックカメラに傾く。大垣ミナモの先発・三堀茉莉亜投手からサム・ショー投手に交代した後も、ビックカメラの攻撃陣の勢いは止まらない。工藤選手と代打・秦瑳桜選手のタイムリーヒット、内藤実穂選手の犠牲フライ、そして炭谷遥香選手の2ランホームラン。バリエーション豊かなビックカメラの攻撃陣が持ち前の打力を見せつける。
開幕初戦に9得点と打線が爆発して快勝したビックカメラ高崎ビークイーン。「練習してきたことをしっかり一人一人が出せているので、今日はすごくいい試合ができたと思います」と振り返った我妻選手。コーチとして指導してきた後輩たちの成長を、選手としても強く感じた様子だった。
「一戦一戦、ビックらしい素晴らしい戦いをお見せできるように選手も頑張りますので、応援よろしくお願いします」とコメントしてインタビューを終えた。
地元・岐阜での大記録達成

圧巻の投球で無安打に抑える‐Journal-ONE撮影
そしてこの試合の主役は、開幕戦で素晴らしい記録を達成したこの選手に注目が集まった。ビックカメラの先発・勝股美咲投手が、開幕戦でノーヒットノーランを達成したのだ。勝股選手は会場である岐阜県(多治見西高卒)が地元のご当地選手。地元開催の開幕投手を任せれ緊張感に包まれる中、ノーヒットノーランという快挙を達成するとは、勝股投手の精神力の強さに感心させられる。
