しかし、ラストワンプレーのホーンが鳴ったなったプレーで一瞬の隙を突かれます。フィジー代表ボールのスクラムから、たった3回のパスを回したフィジー代表が、またもや日本代表のディフェンスを難なくかわしてトライ!12-33と最後の最後で5トライ目を献上し、国内最後の国際試合を終えました。
フィジー代表のコメント
「合宿から5週間、この23名は完全に信頼して選んだ選手です。選出された全選手に、スコッドを勝ち取るチャンスを与えることができました。インターナショナルでプレーできる選手が増え、先ずは今日出場したプレーヤーのパフォーマンスを最大限に賞賛したい。」と、今日の試合を振り返るサイモン・ライワルイ(Simon RAIWALUI)ヘッドコーチです。
2022年から、“フィジアン・ドゥルア” としてスーパーラグビー・パシフィックに参戦。2季目となった今季はプレーオフに進出するなど強化してきた成果が出てきていることにも自信を覗かせていました。
クルヴォリキャプテンも、「試合の立ち上がりは良い形だった。日本代表はダイナミックで力強いと聞いていたので。」と、開始早々にモメンタムを取れたことを振り返ります。日本のディフェンスを警戒していた割に、あっさりとトライしたシーンを聞かれると、「(少し笑って)みんなのタイミングが良くてたまたま私がトライをした。」と謙遜した回答をしていました。
W杯に向けた準備段階は「まだPhase-ONEです。」と答えるライワルイHC。「合宿地を田舎に設定し、自分たちの国のルーツを感じながらチームを一つにするよう取り組んできた。」と、世界中から集まってくるスタッフや選手たちに、「我々の繋がり、サポートしてくれる人との繋がり、我々が代表ジャージーを着る意義を問うことが代表チームにとってはとても重要。」と話してくれました。
日本代表のコメント
前半7分で勝負が決まってしまった試合展開では、その要因となったレッドカードについての質問に答えざるを得ないジェイミー・ジョセフ(Jamie JOSEPH)ヘッドコーチは厳しい表情で、「序盤にキープレーヤーを失い、かなり厳しい状況になってしまった。14人ではストラクチャが機能せず、質の高いチームに勝つことは難しい。」と、試合を振り返りながら「正直、ルールに則ってやらないと… 彼(ラピース選手)にはテクニックで適応してもらわなれば。レッドカードやイエローカードと言った結果に目を向けるのでは無く、技術そのものに適応する必要がある。」と絞り出すように答えていました。
フィジー代表の強さについて、「日本代表が成功した2019年W杯は、スーパーラグビーでやってきたことが要因のひとつ。同じ過程を経ている今のフィジー代表は、スピード、タフなラグビーに慣れている。あとは短期間で私たちがそれにアジャストするかが大事。今回の日本は、そういった経験が無かったので、今回フィジー代表のようなチームと強い試合をできたことがとても重要だった。」と話すジョセフHC。
14人になっても長田選手、下川選手が見せたアタッキングラグビー。そして2トライ。こういった成果にも姫野 和樹キャプテンは、「この結果では言い訳できない。これから精度を上げていく。」と、一点を見つめながら話すに留まりました。
ギアを上げる日本代表の今後
さぁ、この後はいよいよ8月16日に運命のW杯代表最終メンバーが発表です!
8月26日(土)にはイタリア・トレヴィーゾで、イタリア代表との強化試合が追加された日本代表!W杯モードが一気に加速していきます。
本番となる、W杯フランス大会は9月10日(日)から予選に臨む日本代表。既に、ここ秩父宮ラグビー場を含む日本の各地域でパブリックビューイングの開催も発表されています。
<ラグビー日本代表の予定>
・9/10(日)20:00 日本 vs. チリ
・9/18(月)4:00 イングランド vs. 日本
・9/29(金)4:00 日本 vs. サモア
・10/8(日)20:00 日本 vs. アルゼンチン
1勝4敗。W杯直前の強化試合としては、少しもの足りない結果となった日本代表ですが、まだまだ調子を上げていく最中です!選手たちと同じ “桜のジャージー” を着て、みんなでラグビー日本代表を応援していきましょう!