田中キャプテンは「実家に帰ってきたように感じた」
金沢武士団の田中 翔大キャプテンも、「まさか、こんなに早く帰って来れると思いませんでしたが、こうしてリーグ最終節を迎えられて良かったと思います。田鶴浜のみなさんの第一声が『おかえり』だったので、ホッとしました」と笑顔を見せた。
そして、「実家に帰ってきたような感じで、それぐらい家族のように接していました。ここは毎日、毎日、練習していた体育館なので、『やっと帰って来られた』と思いました」と感慨深げに語った。
また、「どんな時でもそばにいて応援してくれる。僕たちは元気をもらっていたので、今度は逆に元気を与えられるようなプレーをしたい。バスケットボールで少しでも何か心に残るように、元気づけられるようにチーム全員で全力で戦おうと意気込みました」続けた田中キャプテン。
今後についても、「まだまだ被災されている方や、避難されている方もいらっしゃるので、そういった方々にバスケットボールで恩返しがしたいと思います」と決意を語ってくれた。
田鶴浜での公式戦開催は「恩返しの1ページ」
2022年の夏に、金沢市から田鶴浜に練習拠点を移した金沢武士団の中野 秀光社長は、今回の公式戦開催について、「2年前にこれをやりたくて、みなさんに夢を語った時に『そんなの無理だろう』と言われました。『この体育館で公式戦なんてありえない』と言われたのが、今日実現しました」と顔をほころばせた。
そして、「私たちはこちらの地域の人たちに、愛情を一杯いただいたので、これは恩返しのまだ1ページ。ここからだと思っています」と語った。ほんの1ヶ月前まで避難所として使われていた体育館は、笑顔があふれる試合会場に変わっていた。
さらに中野社長は、「今日のコンセプトはお祭り。復興なので、能登の美味しいものを皆さんに食べていただいて、能登はいいとこだよということをお伝えすることでした。暖かい会場ができたと思っています」と話した。試合後は、田鶴浜の避難所で行われていた”語ろう亭“も復活。観客にお酒が振る舞われ、あちこちで会話が弾んでいた。
私も頂いたが、中野社長から注いでもらった能登の地酒は、スッキリとした味わいとやわらかな口あたりで、今日1日の記憶とともに心にしみる味だった。
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