


伊賀上野城
伊賀上野城の特徴・魅力
三重県伊賀市の伊賀上野城は、別名「白鳳城」として親しまれ、1585年築城・1611年拡張の歴史を持つ名城。
白亜の木造三層天守や日本有数の高石垣が見どころで、城内には甲冑や名士の色紙など貴重な資料を展示。
史跡・文化財としての価値も高く、歴史と美の両面から訪れる者を魅了する。
伊賀上野城の特徴
別名「白鳳城」と呼ばれ、1585年に筒井定次により築城、1611年に藤堂高虎により拡張された。
天守閣は1935年に再建された木造三層構造で、高さ23メートル、白亜塗り込めの純日本建築様式。
内部には武具、甲冑、藤堂家の品、横山大観ら名士の色紙46点を展示。
石垣は高さ29.7メートル、長さ368メートルで日本2番目の高さを誇り、打ち込みはぎ技法による堅固な構造。
1967年に国の史跡、1977年に名勝・天然記念物、1985年に伊賀市有形文化財に指定されている。
伊賀上野城の魅力
美しい別名「白鳳城」が期待感を誘い、1585年築城からの変遷が歴史への好奇心をかき立てる。
そして、伝統的建築美を誇る天守閣と、武具や名士の色紙など豊富な展示は文化愛好者なら魅了されるはず。
高さ29.7mの石垣は、壮大なスケールでもって人々に防衛の知恵と技術の粋を語りかけ、公式文化財としての価値が訪問の充実感を高めてくれる。
すべてを体験し終わったあと、心に残る体験として誰かに語りたくなるのが、伊賀上野城なのだ。
伊賀上野城へのアクセス
名古屋駅からは近鉄特急で上野市駅まで約1時間20分。大阪駅からはJR関西本線快速で伊賀上野駅まで約1時間30分。そして、奈良駅からはJR関西本線快速で伊賀上野駅まで約1時間でアクセス可能だ。
東京駅からであれば、東海道新幹線「のぞみ」で名古屋駅まで約1時間40分、そこから近鉄特急と伊賀鉄道を乗り継いで上野市駅まで約1時間30分で到着する。
なお、上野市駅または伊賀上野駅からは徒歩約7~10分で伊賀上野城に到着する。
伊賀上野城の施設概要
歴史資料館は城内の1階から3階迄。1階に藤堂高虎の甲冑や伊賀焼、2階に川崎克氏の書画や藤堂家の調度品、3階に横山大観の色紙46枚など城郭の資料を展示する。
天守閣は3階にあり、三層三階の大天守と二層の小天守からなる複合式で、渡り廊下で繋がれている。
化粧室・トイレは上野公園内に3か所。ベビーシートや一部にバリアフリー対応が整備されている。
また、駐車場は上野公園第1駐車場に普通車約100台、大型バス約10台分が用意されている。
開門時間
伊賀上野城の開門時間は、午前9時から午後5時迄。ただし、入館は午後4時45分までとなっており注意されたい。 年末の12月29日から31日までは休館日。個人での見学は予約不要だが、30名以上の団体の場合は事前にFAXでの予約必要だ。
天守・石垣
天守閣は、三層三階の大天守と二層二階の小天守からなる複合式層塔型で、白漆喰塗籠の純日本建築様式である。
初代天守は1585年、筒井定次が大和郡山城から移築して築いた三層のもの。後に藤堂高虎が伊賀に入封し、1611年から五層五階の天守を建設したが、翌年の暴風で倒壊。
そして、1615年の大坂の陣で豊臣氏が滅亡し、幕府の武家諸法度により再建が禁じられ、天守は再建されないまま明治時代を迎えた。
1935年になり、地元代議士・川崎克氏が私財を投じ木造の模擬天守を再建。かつての五層天守の天守台に三層天守を建てたものであり、最上階から伊賀盆地の雄大な眺望を楽しめるようになった。
伊賀上野城の高石垣は、藤堂高虎が1611年に改修。日本有数の規模を誇る。高さは根石から天端石まで約29.7メートル、水面上では約23.5~28メートルに達する。総延長は約368メートルであり、「打込接ぎ」や算木積みといった高度な技法が用いられた。
石垣は本丸西面に集中して築かれており、東側には筒井氏時代の空堀が残る未完成部分も存在する。
この高石垣は黒澤明監督の映画「影武者」のかつてのロケ地でもある。石垣は本丸西面に集中して築かれており、東側には筒井氏時代の空堀が残る未完成部分も存在する。
眺望は上野高校第2グラウンド側からが最も美しく、高さと構造美が際立っているとも言われている。
入城料
伊賀上野城の入城料は大人600円、子ども300円と手頃な価格で、天守閣と歴史資料館を見学できる。 伊賀上野城と忍者博物館とのセット券は大人1,000円、子ども500円。両施設を満喫できるお得な選択肢だ。団体割引や障がい者割引も用意され、幅広い層が歴史と文化に触れやすい。
利用案内
伊賀上野城では、歴史ガイドによる模擬天守や高石垣の案内に加え、忍者体験ツアーや衣装着用も可能である。城内は階段が多く、歩きやすい靴が望ましい。体力や天候に不安がないことを確認した上で見学を満喫したい。
ガイドツアー
伊賀上野城では、歴史や文化を深く学べるガイドツアーが複数提供されている。
代表的なものとして、伊賀流忍者博物館や城下町を含む忍者体験ツアーがあり、伊賀上野城もコースに入っている。ツアーでは、藤堂高虎が築いた高石垣や模擬天守の構造、伊賀の歴史背景についてガイドが詳しく解説。忍者衣装を着用しての参加も可能で、写真撮影にも人気がある。
所要時間は約2〜8時間。料金は内容に異なり、1人あたり約2,000円〜43,000円程度である。
注意事項
城内には急な階段や石段が多く、特に天守内では足元には十分注意されたい。滑りやすい箇所もあるため、歩きやすい靴の着用がオススメだ。
雨天などの天候や、天守の最上階まで登る体力に自信が無い場合は、無理をしないことがオススメだ。
伊賀上野城の近隣スポット情報
伊賀上野城周辺には、三重の小京都と呼ばれる城下町が広がり、碁盤目状の街並みや和菓子街道が魅力だ。
「伊賀流忍者博物館」(徒歩約5分)では、忍者屋敷のからくりや実演ショーが楽しめる。また、伊賀焼の工房や伊賀くみひも体験施設も近く、伝統工芸に触れられる。
「だんじり会館」(徒歩約10分)では、伊賀上野天神祭の山車展示が見どころだ。 グルメでは、伊賀牛を使用した「伊賀肉の店 まる良」(徒歩約10分)や、忍者テーマのスイーツが楽しめる「和菓子処 桔梗屋」(徒歩約5分)もオススメである。
スポット基本情報
スポット情報
- 住所三重県伊賀市上野丸之内106
- TEL0595-21-3148
- アクセス
① 名古屋駅(愛知県) - 近鉄特急 約1時間20分(近鉄名古屋駅から近鉄上野市駅) - 伊賀鉄道 約10分(上野市駅から伊賀上野駅) - 徒歩約10分/または、タクシー約5分
② 大阪駅(大阪府) - JR快速 約1時間30分(大阪駅からJR関西本線伊賀上野駅) - 徒歩約10分/または、タクシー約5分
③ 奈良駅(奈良県) - JR快速 約1時間(奈良駅からJR関西本線伊賀上野駅) - 徒歩約10分/または、タクシー約5分
④ 東京駅(東京都) - 新幹線 約3時間30分(東海道新幹線「のぞみ」名古屋駅乗換、近鉄特急で上野市駅) - 伊賀鉄道 約10分(上野市駅から伊賀上野駅) - 徒歩約10分/または、タクシー約5分
- その他【営業時間】9:00〜17:00(入館16:45迄) 【定休日】12月29日〜31日

- 取材・文:
- Journal ONE( 編集部 )