挑戦を続けながらリーグ唯一の無敗を誇る – 西地区1位(18勝0敗)
昨シーズン、念願のJDリーグ制覇を果たしたトヨタレッドテリアーズ。攻守にタレントを揃えたスター軍団は、今シーズンさらに隙のない戦いを展開した。西地区のチームはもちろん、交流戦で対戦した東地区のチームを相手にしても安定した戦いを見せ、リーグ唯一の18勝無敗を達成してサマーブレイクに突入した。
リーグ戦の中断期間も “日米対抗ソフトボール2024”、”XVII Women’s Softball World Cup 2024 Finals(第17回 女子ワールドカップ ファイナル)”と休みなく国際大会が開催された女子ソフトボール界。JDリーガーを中心に編成される女子ソフトボール日本代表は、このW杯で見事に金メダルを獲得した。代表チームにリーグ最多タイの4選手が選出されたトヨタレッドテリアーズは、来る2028年のオリンピック・ロサンゼルス大会でも金メダル獲得を目指す選手たちが主力を担っている。
盤石な体制で連覇へ突き進むトヨタレッドテリアーズだが、馬場 幸子監督は現状に満足することなく様々なことに挑戦している。18連勝を達成しながらも、ベテラン、若手に限らず選手たちの成長を促す戦術を駆使し、連覇というクライマックスへ抜かりなくタクトを振り続ける。
18連勝を支えるのは日米エースを擁する投手陣
オリンピック東京大会でブレイクし、日本代表のエースとして君臨する後藤 希友投手に加え、昨秋に加入したアメリカ代表を担うMegan Faraimo(メーガン・ファライモ)投手がローテーションで投げる同級生二枚看板はまさに盤石。
53イニングスを投げ、防御率0.26、8勝0敗と、偶然にも全く同じ成績を残した日米のエースだが、投球スタイルは全く異なる。しなやかなフォームから多彩な変化球を操り、打たせてアウトを積み重ねる後藤投手に対し、剛速球を軸に三振を多く奪うメーガン投手。
オリンピック・ロサンゼルス大会の決勝戦で金メダルをかけて対戦することが濃厚な両投手は、互いに相手をリスペクトしながら、常に高いレベルを意識して日々ソフトボールに向き合っている。
三本柱でリーグ制覇を果たした昨シーズンから、その一角である三輪 さくら投手がシオノギレインボーストークス兵庫へ移籍。後藤投手、メーガン投手に続く投手の成長が期待される中、石堂 紗雪投手が初勝利を含む2勝を挙げた。次世代の日本代表エースとして期待されている “推しのソ” 丸本 真菜投手も昨シーズンを上回る投球回数を投げるなど、世界最高峰の投手陣の中で着実に成長を遂げている。
主砲が抜けた打撃陣を牽引する日本代表選手たち
18連勝と向かうとこと負けなしのトヨタレッドテリアーズだが、「主砲が抜けた打線のピースをどう組み替えていくかが最大のポイント」と開幕前に馬場監督が話していた。オリンピック東京大会の銀メダリスト・Bubba Nickles(バッバ・ニクルス)選手が抜けたピースの組み替えに腐心しながら連勝街道をひた走っているのだ。
右の強打者、バッバ選手の側で打者との駆け引きを学んだという下山 絵理選手が昨シーズン、本塁打王と打点王の二冠に輝く大活躍を見せてくれた。今シーズン、日本代表から身を引いた内藤 実穂選手(ビックカメラ高崎ビークイーン)に代わりJAPANの4番打者の重責を担う下山選手へのマークはリーグ戦においても想像以上に厳しく、より高い壁に挑戦しながら国内外の試合で経験を積んでいる。
同じく今シーズンから、日本代表正捕手の座に就いた “推しのソ” 切石 結女選手は、持ち前の強肩とインサイドワークで世界一奪還に大きく貢献すると共に、打撃力も大幅に向上。攻守に秀でた捕手として18連勝を支えるJAPANの扇の要をお手本に、次世代の日本代表マスクを期待されている “推しのソ” 市川 愛渚選手の成長にも大きな影響を与えるだろう。