四国を元気に!プロジェクト しまなみ絶景サイクリング

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Journal-ONE | バスケットボール男子日本代表の河村勇輝は五輪で活躍しNBAのきっぷを手に入れるか-吉川哲彦撮影
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日本時間の7月27日に幕を開けた第33回オリンピック競技大会の5人制バスケットボールは、男女ともに大本命のアメリカが金メダル。男子は5連覇、女子に至っては8連覇と、その牙城は今回も崩れなかった。

翻って、躍進が期待された日本はというと、男女ともに3連敗で予選ラウンド敗退という結果に終わっているが、これまでの経緯も踏まえた上で試合内容を考察すると、男女で明暗が分かれた印象を受ける。まずは女子から振り返ってみたい。

女子代表の誤算は”走り勝つシューター軍団”の象徴の離脱

自国開催でもあった前回の東京大会で銀メダルに輝き、日本の競技レベルの高さを世界に知らしめた女子代表は、メンバー12人のうち9人を銀メダリストが占め、残る3人もオリンピック経験者とあって、大いに期待された。

予選ラウンド初戦は、いきなり金メダル最有力候補のアメリカと激突。決勝トーナメントで対戦する可能性があることも考えると、金メダルを狙う日本としては、恐らくここで手の内を見せることはできなかっただろう。

結果は76-102と26点差をつけられて黒星スタートとなったが、これはある意味想定内でもあった。持ち味の1つである3ポイントの成功率は約38%と悪くなく、この時点では悲観する材料は決して多くなかった。

Journal-ONE | パリオリンピック バスケットボール女子日本代表-吉川哲彦撮影

東京2020銀メダリストを中心に編成された女子日本代表-吉川哲彦撮影

その後、女子代表に暗い影を落としてしまったのは、恩塚亨ヘッドコーチ(HC)が掲げた”走り勝つシューター軍団”の象徴とも言える山本麻衣の離脱だ。東京大会では3×3の日本代表として出場し、金メダルのアメリカに唯一土をつける原動力にもなっている選手。

今大会も3ポイントシューターとしての役割を託され、第1戦のアメリカ戦ではチーム最長の33分31秒出場で、17得点5アシストという数字を残したが、そのアメリカ戦で脳震盪を発症し、残る予選ラウンド2試合は欠場せざるを得なくなってしまった。24歳という若さながら強いリーダーシップの持ち主であり、思い切りの良さも大きな武器だった山本が離脱した影響は少なからずあった。

恩塚HCは選手の自主性を尊重し、個々の状況判断で優位な展開を作るバスケットを志向してきたが、予選ラウンド第2戦のドイツ戦、第3戦のベルギー戦は選手たちの動きに迷いが感じられた。

思い切りの良さが影を潜めれば、コンマ1秒の動きの遅れに隙が生まれる。世界の強豪がそれを見逃すはずがなく、ドイツには64-75、ベルギーには58-85で敗戦。アメリカから76得点を奪ったオフェンスは完全に沈黙してしまった。山本が単なるスコアラーにとどまらない存在であるがゆえに、その不在が大きく響いた。

Journal-ONE | パリオリンピック バスケットボール女子日本代表 ホーバスHCの後を受けて金メダルを狙う恩塚HC-吉川哲彦撮影

山本不在の中、ゲームマネジメントに腐心した恩塚亨HC-吉川哲彦撮影

4年後に向けて、女子アジアカップ2025で再スタート

東京大会の結果を受けて期待値が高かっただけに、より残念な結果になってしまった感があるが、他国からの警戒が強まったという事実も、東京大会での躍進によるものだ。

東京大会決勝では、2m超えの選手も抱えるアメリカが高さの差を徹底して突くなど、万全の対策を施してきた。今大会、日本は予選ラウンドの3試合全てでリバウンドが相手を下回り、ゴールに近いペイントエリアの得点もアメリカとベルギーには大差をつけられた。

Journal-ONE | パリオリンピック バスケットボール女子日本代表 どんなときも明るく強い精神直を持つ馬瓜エブリン-吉川哲彦撮影

世界からマークされる中、馬瓜エブリンらの奮起に期待-吉川哲彦撮影

平均身長の低い日本は、高さの不利をカバーするためにも”走り勝つシューター軍団”の本領を発揮しなければならなかったが、ドイツ戦とベルギー戦は3ポイントが不発で、速攻による得点も多いわけではなかった。

一躍、強豪国の仲間入りをしたことで、返って洗礼を浴びた格好だが、これも金メダルを目指す上では避けて通れない過程。今大会の反省が今後にどう生かされるのかが重要であり、2年後にドイツで開催される予定のワールドカップはその成果が問われる。その予選を兼ねるFIBA女子アジアカップ2025に向けて、日本はすぐに準備を始める必要がある。

大金星まであと一歩だった男子代表

男子代表に目を向けると、その戦いぶりは勝負が紙一重の差にすぎないということを教えてくれるものだった。第1戦の相手は、昨年のワールドカップを制したドイツ。そのワールドカップに加え、オリンピック前の強化試合でも日本は前半に大差をつけられていたが、この日は8点差。最終的には20点差まで開いたとはいえ、幾度か突き放されそうになってもその度に点差を縮め、粘り強く戦うことができた。

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