地元・足利に響くファンの歓声
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” の第10節。JDリーグの全16チームが皇后杯 全日本総合女子選手権大会に出場するため、リーグ戦を2週間飛ばして再開された今節は交流戦最終節。
3シーズン連続のプレーオフ進出に、「もう一敗もできない」背水の陣で臨んだのはホンダリヴェルタ。その戦況を知ってか、試合開始前から多くのリヴェルタファンがスタジアムに詰めかけ、今にも降りそうな雨雲を一掃するかのごとく熱い声援を送る。
この試合、守備につくホンダリヴェルタの選手は、地元の小学生プレーヤーと手を繋いで入場する “マスコットキッズセレモニー” も行われ、応援の熱をさらに高めていた。
今年期待の若手投手が投げ合う
完全アウェイの足利ラウンドに臨むのは、東海理化チェリーブロッサムズ。西地区最下位ではあるが、チーム状態は尻上がりに良くなっている。ここまで4勝は既に昨シーズンを上回る勝ち星だ。
なかでも、ここまで2勝を挙げている藤本 捺希投手は、今シーズンブレイクの予感漂う22歳になったばかりの若き左腕。中西 あかね監督は期待を込めて藤本投手を先発のマウンドに送り、シーズン5勝目を託した。
地元の大歓声を背にホンダのマウンドに上がるのは、ルーキーの新宮 怜美投手だ。ホンダが誇るアメリカの二枚看板、Ally Carda(アリー・カーダ)投手、Jailin Ford(ジェイリン・フォード)投手に次ぐ和製エースの台頭に、加藤 一秀監督も信頼を寄せている。
日本代表の速攻で主導権を握る
試合は初回から大きく動き、地元 蛍栃木のファンを大きく沸かせた。1回裏、ホンダは先頭打者の ”推しのソ” 塚本 蛍選手がいきなり左前安打を放ちチャンスを作ると、2死三塁から4番に入る大川 茉由選手が三遊間に技ありのタイムリー内野安打。日本代表である、塚本・大川の活躍で早くも先制点を挙げた。
さらに打撃好調の5番・山口 未葵選手が、2死二塁からセカンド横を抜ける痛烈な打球を放って1点を追加し2-0と試合を優位に進めるホンダ。
2回裏にも1死から、8番・棚町 佳奈選手が左前安打で出塁すると、続く9番・堀内 香瑚選手も中前安打。下位打線で作った1死一、二塁のチャンスに打席が回ってきたのは1番・塚本選手。逆方向への長打が魅力の塚本選手が、レフトオーバーの適時二塁打を放って3点目を奪うと、続く “推しのソ” 2番の吉田 彩夏選手がきっちりと犠牲フライで4点目。ホンダ一気果敢の攻撃で序盤から試合を優位に進めた。
反撃の流れを強力打線が断つ
反撃したい東海理化は3回表、先頭の9番・井上 瑞樹選手が内野安打で出塁すると、打撃好調の2番・松葉 寧々選手が左越の2点本塁打で追撃ムードを高める。
4-2とホンダがリードしたまま、試合が膠着状態となる中、流れを呼び込んだのはホンダの強力打線だった。
6回裏、9番・堀内選手が四球を選んで出塁すると、この日本塁打を放っている1番・塚本選手が今度は絶妙な小技を披露。セフティバントが猛打賞の内野安打となりさらにチャンスを広げる。
最終回に逆転を期す東海理化は、二、三塁と走者を残すも何とか2死までアウトカウントを稼ぐ懸命のディフェンス。この場面で打席に入った3番・木村 愛選手が持ち前の勝負強さを発揮し、右前2点適時打を放って欲しかった追加点を挙げた。