混戦の西地区プレーオフ争い
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” の第10節。JDリーグの全16チームが皇后杯 全日本総合女子選手権大会に出場するため、リーグ戦を2週間飛ばして再開された今節は交流戦最終節。
後半戦の開幕となった前節・第9節。約2ヶ月半ぶりの再開となったリーグ戦は荒れに荒れる展開となった。西地区では、前半戦18戦無敗の前年王者・トヨタレッドテリアーズに初めて黒星が付く番狂わせが起こり、3位のシオノギレインボーストークス兵庫にも土が付く。
一方、初のダイヤモンドシリーズ出場に意気上がる2位のSGホールディングスギャラクシースターズ、滑り込みでのプレーオフ進出を狙う同地区4位の豊田自動織機シャイニングベガが共に連勝。プレーオフ、ダイヤモンドシリーズをかけた争いが混沌としてきた。
外国人エースで必勝を期す
栃木県足利市のジェットフラワーズスタジアムで行われた第1戦は、東地区の大垣ミナモと西地区の豊田自動織機シャイニングベガが交流戦最後の節に挑む。
後半戦から指揮を執る、須藤 麻里子監督の継投策がハマり、新監督指揮下での初勝利を挙げた大垣ミナモは、先発に二刀流のSamantha Show(サマンサ・ショー)投手を立て、初の連勝を狙う。
対する豊田自動織機シャイニングベガも、“推しのソ” のDallas Escobedo(ダラス・エスコベド)投手を先発に起用し、必勝態勢で臨んだ。
相手のパワーピッチャーをどう攻略するか?互いの打線が先制点を挙げようと、持ち味を発揮した攻撃を序盤から展開する。
先制点を巡る攻防
豊田自動織機シャイニングベガは、キャプテンの “推しのソ” 田井 亜加音選手、日本代表の須藤 志歩選手といった主力選手たちが抜群の選球眼で四球を選ぶと、バントや盗塁といった豊田自動織機得意の機動力を絡め、サマンサ投手に揺さぶりをかける。
一方の大垣ミナモも、打線の組み替えが功を奏し、 “推しのソ” 伊藤 梨里花選手、ポイントゲッターの内田 小百合選手が出塁し、ダラス投手にプレッシャーをかけていく。
試合が大きく動くかに見えたのは3回裏。大垣ミナモの先頭・山口 涼香選手が鋭いライナーをライト線に放つと、これが芝生の上でイレギュラーに跳ね上がった!ボールがライトフェンスにまで達する中、山口選手が懸命に2塁ベース、3塁ベースを駆け抜けていく。ランニングホームランで先制か?と思われたが、豊田自動織機の素晴らしいカットプレーを見せてホームタッチアウト。守備でダラス投手の力投を援護した。
膠着状態が続いた6回表、今度は大垣ミナモが守備でサマンサ投手を援護。1死一塁から豊田自動織機の4番・田井選手が鋭いライナーをレフト前へ放つ。抜ければ先制点となるこの打球を、左翼・伊藤選手が地面すれすれにグラブを出して好捕!さらに、続く佐藤 友香選手が放ったセンターへ抜けるかという鋭い打球を、近本 和歌子選手がジャンプ一番のナイスキャッチを披露。両者無得点のまま試合は延長タイブレークへと進んだ。
タイブレークの攻防で決着
延長タイブレークに突入した8回表の無死二塁から始まる攻撃、先攻の豊田自動織機は、無死二塁から大平 あい選手が大垣ミナモの厳しいバントシフトを受ける中、投前に進塁打を放ち三塁に走者をしっかりと進める。
続く3番のMakena Smith(マケナ・スミス)選手が、初球を思い切り良く振り抜く。鋭い打球が右前適時打となり、先ずは豊田自動織機が待望の一点を先制した。
その後、2死二塁となった場面で打席に入ったのは5番・佐藤選手。カウント2-0から果敢にスイングした打球は、セカンドの右を抜ける右前適時打となり豊田自動織機は2点をリードして最後の守りをエースに託した。