ビックカメラ戦で先制ソロを放った日本代表・切石結女（トヨタ）- JournalｰONE撮影

続く2回表、今度は4番打者として打席に入った藤田投手が、後藤投手から中前安打を放ち同点への足がかりを掴むと、東京2020の4番打者・内藤 実穂選手が送りバントで確実に得点圏に走者を進める。ここで打席に入るは、内藤選手を継ぐ日本代表の大砲・”推しのソ” 炭谷 遥香選手。炭谷選手は三塁線に強烈な打球を放つが、サード・舟阪 育枝選手の好守備で同点のチャンスを摘むトヨタ。

日本代表・下山絵里（トヨタ）がソロ本塁打で突き放す- JournalｰONE撮影

するとその裏、トヨタは1死無走者から日本代表の新4番として期待されている下山 絵理選手が、藤田投手渾身の内角高めの厳しいボールにバットを上手く身体に巻き付けて反応。弾丸ライナーで打球を左翼フェンス越えさせるパワーを見せて、早々に追加点を挙げた。

レジェンド登板にスタジアムが震える

その後は、後藤投手、藤田投手の完璧な投球に両チームともに好機を作れず膠着状態となった4回裏、トヨタは東京2020金メダリストの原田 のどか選手が、好走塁の二塁打で出塁。先ほど強烈な本塁打を放った下山選手が打席に入るところで、岩淵 有美監督がタイムをかけた。

ビックカメラの上野由岐子は宇津木麗華部長とブルペンで準備- JournalｰONE撮影

試合開始直後から、日本代表監督でもある宇津木 麗華部長と話しながら、入念にブルペンで投球練習を行っていたレジェンドがゆっくりとベンチに戻ると、スタンドのファンは “これから起きる事態” を予感しざわつき始める。

藤田投手がマウンドからベンチへ下がると、それを確信したスタンドがざわめきから大きな歓声に変わる。大歓声に促されるようにマウンドに向かったのはレジェンド 上野 由岐子投手だ。

ピンチで登板の上野由岐子（ビックカメラ）は1球でピンチを切り抜けた- JournalｰONE撮影

1死二塁から再開された日本代表の4番・下山選手との勝負は初球だった。下山選手が強振した打球はサード・炭谷選手の正面。これを一塁に送球する間に三塁ベースを陥れる原田選手を、ファーストの内藤選手が矢のような正確な送球で刺す！新旧日本代表が勢揃いしたレベルの高いプレーは、あっという間のできごとだったにも限らず、スタジアムはいつまでも大きく揺れていた。

注目の一戦にルーキーも活躍

新旧の日本代表選手たちが息をつかせぬプレーを見せ続ける中、次世代を担う期待のルーキーも存在感を示した。

ビックカメラ高崎の井出 久美選手（健康福祉大高崎高）は、高卒ルーキーながら開幕戦スタメンを勝ち取り、この日も上野投手の登板ではマスクを被るなど、英才教育を受けながら成長している。

対するトヨタも、”推しのソ” 市川 愛渚選手（中京大）が初スタメンマスクを被る。JDリーグ屈指のビックカメラ高崎打線を、日本代表のエース・後藤投手と共に実戦で戦う貴重な経験を経て、次世代の日本代表を背負う選手として成長していくことが楽しみだ。

初スタメンマスクとなったルーキー・市川愛渚（トヨタ）- JournalｰONE撮影

終盤にも日本代表が躍動

上野投手の登板から、後藤投手のギアも一つ上がり、両投手完璧な投球で試合は終盤へ。しかし、このままで終わらないのが両チームの日本代表打者陣だった。

先ずは6回裏、ここまで上野投手の重い球に詰まらされていたトヨタは、先頭の石川選手が詰まりながらもしぶとく中前安打を放つと、打球が逸れる間に果敢に二塁を陥れ、無死二塁と久しぶりのチャンスを作る。

好走塁で追加点を呼び込む日本代表・石川恭子（トヨタ）- JournalｰONE撮影

続く鎌田 優希キャプテンがすかさず送って1死三塁と上野投手にプレシャーをかけ、打席には初回に先制本塁打を放った切石選手に託す。