「一番思い出に残っているのは、朝練で200mトラックを何周も何周も走ったことですかね。授業が始まる頃には、既に一日のスタミナを使い果たしていました(笑)」と、当時の厳しかった練習を思い出して苦笑いする場面も。
とは言え、現在のアスリートとしての基礎を学んだ時期だったと話す村竹ラシッド選手は、「中学校時代はそれほど良い選手ではなかった。結果が出ない中でも厳しい練習を続けられたのは一緒に走る仲間がいたから」と、仲間との絆を振り返った。
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自己紹介のシーンでは中学校当時の思い出を振り返る-JournalーONE撮影
鋭い表情も見せた実技指導
続いては、後輩である陸上部のハードル選手が体育館内で実際にハードル走を見せる。それを見た村竹ラシッド選手がワンポイントレッスンするというコーナーが始まった。日本人初の快挙を果たしたオリンピアンに直接アドバイスをもらえるとは、生徒たちにとってはまたとない機会だ。
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先輩・村竹ラシッドの前でハードルを行う松戸市立第一中陸上部の生徒-JournalーONE撮影
真剣な表情でハードル走を見せた後輩に向かい、「先ずは、こんなにたくさんの人、全校生徒の前で走る度胸が凄い。しかも、室内で体育館履きというコンディションでも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれましたね」と、実演した選手を拍手で称えた村竹ラシッド選手。
「直近の試合で肉離れをしてしまって、実際に飛んでみせることが出来ないのですが・・・」と少し足を引きずりながらハードルを前に片足立ちした村竹ラシッド選手の姿に、生徒たちから「うぉー!」と歓声があがる。
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肉離れにも関わらず後輩の指導に熱が入る-JournalーONE撮影
素晴らしいフォームに “敢えて” と前置きした村竹ラシッド選手。「ハードルを跳ぶときも、できるだけ体幹を真っ直ぐに。ハードルをしっかりと見過ぎず、ボーっと視界に入る程度で遠くに目線を向けて、空中で力抜いて跳ぶと上手くいくと思います」と、分かりやすく丁寧に説明する村竹ラシッド選手。
後輩の頷く真剣な表情に応えるかのように、村竹ラシッド選手の目もパリオリンピック決勝のスタートを待つときのような鋭さで熱心に語りかけていたシーンがとても印象的だった。
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ハードルの技術を中学生に分かりやすく解説する-JournalーONE撮影
後輩からの質問にタジタジ
続いては生徒達からの質問に答えるコーナー。村竹ラシッド選手と生徒たちとの距離がどんどん近づいていくのが分かる。
“オリンピックに出場して、給料はどれくらい上がりましたか?” “イケメンの村竹選手ですが、パートナーはいますか?” などの鋭い質問には、流石の村竹ラシッド選手もタジタジ。
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後輩達の鋭い質問に苦笑いする場面も-JournalーONE撮影
「テレビが来ているから(笑)」と、苦笑いしながらも「普段でも生活するに充分なお給料はいただいています。その他の情報は、あとでこっそり教えます」「(パートナーについては)ご想像にお任せしますが、我こそはと考えている方は、20歳になったら立候補をお願いします!」など、ユーモア溢れる回答で生徒たちを喜ばせると、生徒たちは一気に村竹ラシッド選手との会話にのめり込んでいった。
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JournalーONE | 松戸一中の生徒達は村竹ラシッド選手に耳を傾ける-JournalーONE撮影
“大きなレースなどで緊張することはありますか?” という質問には一転、「この中で、試験だったり試合だったりと色々な場面で緊張するという人は手を挙げてみて」と逆質問で返す村竹ラシッド選手。
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生徒達全員を巻き込むトーク力でラシッドワールドに引きこむ-JournalーONE撮影