東京2020の夢舞台・国立競技場
東京・”国立競技場”といえば、2021年には東京オリンピックが行われ、来年には34年ぶりの東京開催が実現する世界陸上競技選手権(世界選手権)の会場にもなる、いわば「世界最高峰の舞台」。
なかなか足を踏み入れるチャンスがなさそうな、そんなトラックに下りて、もし、自分が実際に走ることができるとしたら…?今回は、その「憧れコクリツ」で、誰もが楽しくリレーに挑戦することができるイベント「リレフェス」を、ご紹介しよう。
“リレフェス”って何?
リレフェスは、日本陸上競技連盟(日本陸連)が開催しているイベント”みんなでつなごうリレーフェスティバル2024″の略称だ。
日本陸連では2017年以降、これまで取り組んできた「トップアスリートの国際競技力向上」に加えて、「ウェルネス陸上の実現」をミッションに掲げ、誰もが自身のライフステージにおいて陸上競技を楽しめる環境をつくっていくことを期して、様々なアプローチを始めている。
リレフェスは、その取り組みの象徴ともいえるもの。年に1度、陸上競技を「する人、見る人、支える人」が集い、皆で一緒に陸上を楽しみ、ともにイベントを創り上げていこうと、2022年に立ち上げられた。
イベントの中核をなすのが、子ども時代に体育の授業や運動会などで、誰もが一度は経験したことのある”リレー”だ。オリンピックなどでの日本チーム、”リレー侍”への注目度でもわかるように、「日本人が大好きな種目」でもある。
リレフェスでは、陸上競技の公認種目として行うレースのほかに、非公認の部を設けて、様々な種類のリレー種目を用意。誰もが気軽に参加でき、毎年の開催を楽しみにするようなフェスティバルに育てていこうとしている。
3回目となる今年は、10月5日(土)6日(日)に開催された。1日目は終日雨がぱらつき、2日目も曇天と、残念ながら晴れ間を見ることはできなかったものの、両日でのべ1万1500人が来場。「する」「みる」「ささえる」とさまざまな形で、「リレーでつながる時間」を楽しんだ。
家族と、友達と、職場仲間と、旧友と… みんなが笑顔でバトンをつなぐ時間
この大会では、今年度のリレー日本一を決める「第108回日本選手権リレー」との併催で行われるほか、U16年代の都道府県別代表による4×100mリレーが公認種目として実施されていて、「トップ・オブ・トップ」を目指す、ハイレベルな戦いを堪能することもできるが、「リレフェス」を「リレフェス」たらしめているのは、やはり非公認の部として実施される、いろいろなリレー種目だろう。
新種目を加えたり、定員を増やしたりと、さらにバージョンアップが図られた今大会では、両日ともに各10種目、全20種目のリレーを用意。そのうちの15種目について、7月中旬から先着順で行われた募集に申し込んだ人々が参加し、大会要項に記載の「種目別に別途設定す”やさしい”運営ルール」のもとでレースに挑んだ。
出場者4人の年齢が合計200歳以上であることが条件の「200歳以上リレー」には、学生時代の陸上部仲間が数十年ぶりにチームを組んだり、現役時代に旧国立競技場を湧かせたトップスプリンターたちが顔を揃えたり、高校の同窓会でいくつもチームをつくって参加したりと、シニア世代が若かりし頃に戻ったような様子でレースを楽しんでいた。
メンバーが家族であることが条件の「家族リレー」は、昨年人気が高かったため、今年は1・2日目とも実施することになった種目。各メンバーの走る距離は自由で、伴走もOKということもあり、兄弟姉妹や親子での参加のほか、「お母さん→おじいちゃん→孫(おばあちゃんが伴走)」とバトンをつなぐケースも。義理の兄弟姉妹や甥っ子姪っ子で組んだチームを、3世代ファミリーみんなが集まって応援する光景も随所で見られた。