好投する上原投手に応えたい太陽誘電は4回表。1死から四球と6番・中村 瑠衣選手の中前安打で1死一、三塁。さらに一塁走者の中村選手が盗塁を決めて得点圏に二人のランナーを置く。まずは1点を返し、流れを呼び寄せたい太陽誘電の山路監督は、ヒットエンドランを仕掛けるもファールに。万策尽きたと思われたが、山路監督の采配は再びのヒットエンドラン!
このサインに見事に応えてサード前に転がった打球は、ホンダ内野陣の焦りを誘う。三塁走者の本塁生還はもちろん、打者走者も出塁に成功した太陽誘電流が、山路監督の思惑通りに試合の流れを大きく変えていった。太陽誘電が一気果敢に攻め込む中、今度はシーズン後半から調子を上げてきているジェイリン投手のギアが一気に上がる。続く打者二人を連続三振に仕留める快投を見せたジェイリン投手が、傾きかけた流れを引き戻し。笑顔でベンチに戻っていった。
とんでもないビッグプレーにスタンドは騒然
複数得点とはいかなかったが、1点を返したことで太陽誘電に勢いは付いていた。4回裏、ホンダは1死二塁から9番・棚町 佳奈選手が右前安打を放つと、二塁走者が初回のような積極的な走塁で本塁へ突入していく。またもや間一髪のタイミングに見えた打球を太陽誘電のライト・高橋選手がリズム良く捕球すると、そのままホームへレーザービーム!高橋選手のストライク送球で本塁を狙った走者はタッチアウトになり、スタンドからはどよめきと共に大きな拍手が送られた。
好プレーの余韻覚めやらぬ中、2死一塁と攻撃が続くホンダは1番・塚本選手に期待をかける。一発も魅力の塚本選手だが、この打席は繋ぎに徹するバッティングで一、二塁間を痛烈に破る安打を放った。一塁走者がセカンドベースを蹴って三塁へ向かう中、先ほど好返球でチームを救った高橋選手のレーザービームが再び炸裂!今度は、サード・小松選手へノーバウンドのストライク返球を披露し一塁走者をタッチアウトに。同一選手が連続の守備機会でレーザービームを披露するという本当に珍しいビッグプレーを見た太陽誘電応援団、ファン、そしてベンチは大きく盛り上がる。ベンチに駆け戻る髙橋選手にいつまでも鳴り止まない拍手が注いでいた。
6回には太陽誘電のピッチャーが上原選手から辻 奈奈選手に交代し、安定したコントロールで三者凡退に抑えて最後の攻撃に備えたが、反撃することはできず。レギュラーシーズン最終戦を勝利で飾ったホンダ11月9日から始まるプレーオフで日本一を目指す。試合後に会場外で応援団から「プレーオフ進出おめでとう!」と祝福された。まだ試合は残っているが、ファンにむけて「ありがとうございます!」とお辞儀をして1年間の感謝を伝えた。