初回から両チームの激しい攻防が繰り広げられる中、2回表にもホンダは怪我から復帰した5番・ “推しのソ“ 大工谷 真波選手が落ち着いて四球で出塁する。

チームの精神的支柱が復帰し、与えれた役割を果たすと、チームの士気は一気に上がる。このチャンスを初回同様、2死ながら三塁まで走者を進めて “不沈艦” 三輪投手にプレッシャーを与えるも、三輪投手は再び後続を落ち着いて三邪飛に打ち取り颯爽とマウンドを降りていく。

左腕・ジェイリン投手攻略に起用された白石（シオノギ）-JournalｰONE撮影

その裏、シオノギも2死から左腕攻略を任された “推しのソ“ 白石 穂花選手が粘って四球で出塁。「後半、打撃の調子が良いので」と、松田 光監督が期待する坂本 京花選手に打順が回った。

何としても得点圏に走者を進めたいシオノギだったが、その意図を読んだか、ホンダは棚町捕手の絶妙な牽制で一塁走者を刺す好プレー。ピンチの芽をディフェンスの頭脳プレーで凌いで見せた。

さらに続く先制点をめぐる攻防

3回は共にクリンアップにチャンスを回す展開に。

木村（ホンダ）が技ありの中前安打を放ちチャンス拡大-JournalｰONE撮影

ホンダが2死から2番・大川選手がピッチャー強襲のヒットで出塁すると、続く3番・木村選手もヒットエンドランで空いた二塁手の横を抜ける中前安打で一、三塁とチャンスを作る。

ここで二度目の先制の場面で打席に入った4番の山口選手を、「松田監督と共に、右打者対策を万全にしてきた」と試合後に振り返った三輪投手が、戦略通りに三飛に抑えてこの回も無失点に抑える。

シオノギも2死二塁と得点圏に走者を進め、3番の氏丸選手に先制点を託す。第一打席から厳しい内角攻めを敢行するジェイリン投手は、ここでも厳しい内角攻めを選択。

これを避けきれずに死球かと思われたボールが、棚町捕手の目の前に落ちて一塁へ送球。このプレーが、バットのグリップに当たってのインフェアという判定になり、スリーアウトで得点には至らなかった。

チーム初安打！直後に試合が動く

ホンダ・加藤一秀監督の笑顔で選手に語りかけるシーンはお馴染みの光景-JournalｰONE撮影

4回表にも渡邉 瑞貴選手が安打を放ち塁上に走者を送るが、三輪投手の要所を締める投球に本塁が遠いホンダ。三塁コーチャーボックスで指揮を執る加藤監督は、忙しいサイン交換の合間に笑顔で選手にアドバイスを送って何とか試合を動かそうとする。

シオノギ・松田光監督も試合中bに常に選手との対話を欠かさない-JournalｰONE撮影

一方のシオノギも走者を出しているものの、ジェイリン投手の高低左右に揺さぶる投球にここまで無安打。こちらも何とか試合を動かそうと、同じく三塁コーチャーボックスから松田監督が指示を出す。

この膠着状態を動かしたのは、4回裏のシオノギだった。2死から6番・田島 茉依選手が放ったライトを襲った飛球が、ボールを見失う間に二塁打となりチーム初安打となる。惜しくも後続が断たれたが、試合が動き始める予感がスタジアム内に漂った。

すると直後の5回表、ホンダは1死から1番・”推しのソ” 塚本 蛍選手が四球で出塁するとすかさず盗塁。流れ始めた試合の行方を何とか引きこもうと、大川選手も進塁打で三塁まで走者を送る。

ここで前の打席で安打を放っている3番・木村選手を迎えると、シオノギベンチは申告敬遠で木村選手を歩かせる。2死一、三塁で、過去二打席をしっかりと抑えている4番の山口選手との勝負を選択したのだ。

内角の厳しい球を弾き返した山口（ホンダ）の適時打-JournalｰONE撮影

初対決となった三輪投手を、「（打席に入ってみると）想像以上にボールが来ていた。過去二打席チャンスで打てていなかったので、気持ちの準備は大川選手の打席の時からできていた」と振り返った山口選手。

貴重な先制点を叩き出し一塁上でホッとした表情の山口（ホンダ）-JournalｰONE撮影