前の打席と同様、内角に厳しく攻める三輪-田島のバッテリー。この厳しい球に腕を上手く畳んでジャストミートした痛烈なゴロが三塁線を襲う！三塁手の反応一歩及ばず、痛烈に三塁線を抜けた打球が適時打となった。ついにホンダが貴重な先制点を挙げ、動いた試合の流れを掴み取った。

最後までシオノギが全員ソフトで粘る

シオノギ主将の小林は怪我を押しての代走出場-JournalｰONE撮影

1点を追うシオノギは、6回裏に1死から3番・氏丸選手が三度の内角攻めにもめげずに死球を勝ち取ると、リーグ戦終盤の怪我でこの日のスタメンから外れていた “推しのソ” 小林 美沙紀選手が代走に。怪我を押しての代走・小林選手が意地の盗塁を成功させて1死二塁と追撃を開始した。

走者を背負った場面でさらにギアを入れるジェイリン投手（ホンダ）-JournalｰONE撮影

続くシオノギのポイントゲッター、加藤選手が空振三振で倒れるも、松田監督は代打にベテランの戸村 美紅選手を送り、勝負を託す。ベンチから大きな声援で後押しされた戸村選手も期待に応えるべくジェイリン投手に食らい付くが、ジェイリン投手も2-2から渾身の速球で連続三振に抑え込んで得点を許さない。

最後の最後まで笑顔で試合を楽しむシオノギの内野陣-JournalｰONE撮影

同点を信じ、7回表も三輪投手はマウンドに登る。疲れを見せず、笑顔と気合いで最終回まで力投を続ける絶対的エースに、サードの白石選手が好プレーで応えるなど、その裏の同点、そして逆転を信じて疑わない全力プレーを見せて盛り上げる。

最終回チーム一体の応援で打席の選手を鼓舞するシオノギベンチ-JournalｰONE撮影

そして、今シーズンの全てをかけたシオノギの攻撃は、ベンチのメンバーが肩を組み、両手を握り、渾身の声援で打者選手を送り出す。

すると、1死無走者から7番・右田選手がチーム二本目となるクリーンヒットをセンター前へ運び、ここから、松田監督の全員ソフト采配で反撃に転じた。

代打・次田 せな選手は空振三振となるも、続く代打・村林 乙葉選手がフルカウントまで粘り四球を選んで2死ながら一、二塁と最後の最後に同点のチャンスを作り出した。

7回2死満塁のチャンスに松田監督の下へ集まるシオノギの選手たち-JournalｰONE撮影

さらに1番・谷本選手の打席でバッテリーエラー、そして谷本選手も四球を選んでついに2死満塁。ワンヒットで逆転サヨナラの場面に急展開を見せた。

ホンダのマウンドには加藤監督が向かい、シオノギベンチ前では松田監督を中心に打者走者の選手たちが集まる。逆転サヨナラか？完封勝利か？スタンド中が熱気溢れる歓声に包まれる中、2-2となった2番・中村選手へジェイリン投手が投じた決め球は、内角に鋭く落ちるチェンジアップ。空振三振に仕留めた瞬間、ジェイリン投手はマウンド上で高々と左腕を掲げるガッツポーズ。超接戦を凌ぎきったホンダリヴェルタが二年前と同様、ワイルドカードからのプレーオフ2ndステージへの進出を果たした。

完封の瞬間に拳を天に突き上げたジェイリン（ホンダ）-Journal-ONE撮影

勝ち抜けた接戦を振り返る – 加藤 一秀監督

「まずは1勝できてホッとしています」と、笑顔で会見に臨んだのは加藤監督。

ホッとした表情からインタビューに応え始めたホンダ・加藤監督-JournalｰONE撮影

「今シーズンは攻めることを変えずにやってきたんですが、今日はチャンスで1本が出なくて苦しかった。球種も多彩で素晴らしい投手なので、相手に合わせずに対戦を楽しんで、打席の中で狙いを絞って思い切って打っていこうと話していました」と、シオノギ・三輪投手の攻略が難しかったと振り返り始める。