実際にデモンストレーションとして目の前でミントティーを淹れてもらうことができた。綺麗な柄と色のコップに注がれ、熱々でよりミントの香りが広がるとてもすっきりとした飲み応え。テーブルには新鮮なミントの葉と共に角砂糖がたくさん置かれていて、甘さもあるとても飲みやすい味だった。
もう一つ馴染みのない食べ物といえば、ハリラスープ。トマトをベースにして豆、香辛料、ハーブなどが入っていて、モロッコで日常的に飲まれている日本でいうお味噌汁のような存在だという。各家庭で味付けは少し変わるそうだが、イベントでは大使公邸のシェフが前日から仕込んだ本格スープを味わうことができた。香辛料が入っているため体の芯から温まるハリラスープに訪れた人は夢中。モロッコの食を体験できて満足そうにイベントを楽しんでいた。
「ただ今から、抽選でモロッコの特産品をプレゼントします!」と声が掛かったイベント中盤、訪れた人には事前にくじの番号が配布され、当選するとモロッコのお土産をもらえるというお楽しみもありJournal-ONE編集部もこの機会に参加させてもらうことに。賞品として準備されていたのは小さな手工芸品や料理、美容のグッズなど。当たりますように!と期待を込めて願っていると最後の最後で当選することができた。
貰ったのはモロッコでしか産出されていないという ”アルガンオイル” 。アルガンオイルは最近日本でもよく目にするようになったが、料理で使用するのはもちろん、化粧品やヘアケア商品などの美容品としても使用されている。丸1年、雨が降らなくても枯れないといわれる驚異的な生命力を持つアルガンの樹から採れた天然オイルを記念に貰えて他の参加者も喜んでいた。
モロッコの伝統芸術を日本に
2007年にウジュダ・アンガッド府と友好協力に関する覚書を結んだ直後の2008年10月、ぎふワールド・ローズガーデンに造られたモロッコガーデン。その後2022年5月からの再開発工事を経て、2022年10月に新たに本格的なモロッコガーデンが完成した。
アラブ・アンダルシア庭園の建築様式を用いているモロッコガーデンは、特徴として壁に囲まれた長方形の対称的な空間。その中でも水色を基調にしたさわやかな印象のタイルアートが目に留まった。
「ガーデンで一番見て欲しいのは緻密で細かく作られたゼリージュです。現地の職人がモロッコで約8ヶ月かけて作り、船で運んできたものを使ったのですが、モロッコの資材を使って建てたのは日本でここだけなんです」とズバイダ参事官が教えてくれた。ゼリージュとは、色がついたタイルを小さく切り、対称的で複雑な柄になるように組み合わせたモザイクタイル。