地域に根ざすスポーツチームの課題
NPB(プロ野球)に代表される日本のスポーツチームは、その活動を通じて地域社会に多大な貢献をしている。試合やイベントの開催により、観客や観光客が地域を訪れ、宿泊、飲食、交通などのサービスを利用することでフランチャイズ地域の経済活性化に貢献するだけでなく、チーム関連のグッズ販売やスポンサーシップも地域企業にとって重要な収入源となる。
また、経済的貢献だけでなく教育・青少年育成を目的に、地域の子どもたちにスポーツの楽しさや重要性を教え、子供たちに夢や目標を持つことの大切さを伝える活動。健康促進を目的に、スポーツイベントを通じて地域住民に運動の重要性を啓発し、健康的なライフスタイルの普及に寄与する活動。チャリティイベントや募金、災害時の支援などの社会貢献活動を通じて、地域社会全体に多岐にわたるポジティブな影響も与えている。
オリンピックやワールドカップなどの国際大会を通じ、世界トップレベルのパフォーマンスを見せる日本人アスリートたちの活躍を契機に、Jリーグ(サッカー)が全国各地の自治体に根ざした活動で一定の成果を見せると、Bリーグ(バスケットボール)やリーグワン(ラグビー)、Tリーグ(卓球)、Vリーグ(バレーボール)などのスポーツリーグが相次いで地域と連携したプロスポーツリーグの創設へと舵を切った。
現在では47都道府県の全てで「おらが町のスポーツチーム」が活動しているが、地域に根ざすスポーツチームが経済的に維持・発展し地域活性化に寄与するためには、様々な課題を克服しなければならない局面にも直面しているのだ。
世界屈指の女子ソフトボール界も課題に向き合う
世界屈指の女子ソフトボールリーグ “JDリーグ” の2024シーズン。11月中旬、愛知県名古屋市で開催された日本一を決めるノックアウトラウンド “ダイヤモンドシリーズ” において、“トヨタレッドテリアーズ“ が “日立サンディーバ“ との激闘を制し、二年連続の日本一に輝いた。
北は栃木県芳賀町から南は福岡県北九州市まで、16チームが加盟し日本一を目指してしのぎを削るJDリーグには、オリンピック2大会連続での金メダル獲得に貢献した上野 由岐子投手(ビックカメラ高崎ビークイーン)をはじめとする金メダリストや、昨夏のワールドカップで見事金メダルに輝いた日本代表選手たちが所属し、見応えのあるプレーを日本各地で見せてくれている。
2026年に愛知・名古屋で開催されるアジア大会では7連覇、2028年のロサンゼルス・オリンピックでも3大会連続の金メダル獲得が期待されている “女子ソフトボール日本代表” だが、認知拡大やファン獲得には苦労しているのが現状だ。そんな女子ソフトボールのJDリーグを、現場の発案で盛り上げようとしているチームが初めての試みを行うと聞き、滋賀県守山市にやってきた。
現場の発案で関西から盛り上げろ!
日本一の湖、琵琶湖の畔にある大型スポーツコンプレックスの名は、”SGホールディングスグループ守山パーク”。 佐川急便などのSGホールディングスグループのスポーツレクリェーション活動の全国的な中心拠点として建設され、その広大な敷地内にはソフトボール場や陸上競技場、野球場、サッカー場、総合体育館など充実したスポーツ施設が並んでいる。
ここを練習拠点にJDリーグ西地区で活躍している “SGホールディングスギャラクシースターズ” が、今回のイベント “関西スポーツフェスティバル~KANSUPO~in守山” を企画した。「JDリーグを盛り上げるために、チームでも何かアイデアを出して取り組んでいかなければ」と話すのが、今回の発案者である加藤 愛監督だ。