すり鉢のバスケを楽しめる空間
コートを中心にすり鉢になっている有明コロシアム。客席から試合が非常に見やすく、照明をふんだんに使ったオープニングの演出からプロバスケットボール選手による手に汗握る攻防、賑やかなハーフタイムショーまで、バスケットボールを存分に楽しめる空間だ。
Bリーグ1部(B1)に所属するサンロッカーズ渋谷は昨シーズン、この10,000人を収容する会場でBリーグクラブとして初の興行を行い、3度の主催試合を実施。クラブ史上最多入場者数となる9,668名を集める一戦を含めて、のべ28,000名以上をひきつけた。今シーズンも「ARIAKE SERIES」と題して3試合が組まれ、12月11日(水)のナイターゲームとして三遠ネオフェニックス戦を開催し、8,664人の観客を集めている。
試合を振り返ると、地区上位チームに対して競り合う展開が続いたが、4クォーターに1点リードで迎えた残り35.7秒、東京オリンピック2020日本代表だった#13 田中大貴(193㎝)が勝利を引き寄せる3ポイントシュートを成功。その瞬間、アリーナは大きな歓声に包まれ、最終スコア78-74で難敵から貴重な白星をもぎ取ってみせた。
記者会見では、パリオリンピック2024日本代表を務め、この一戦で両チーム最多29得点を挙げた#8 ジョシュ・ホーキンソン(208cm)が「本当に有明コロシアムは素晴らしいアリーナだと思います」と話し、クラブ全員の奮闘を称えた。
「平日の試合にも関わらずこれだけ多くのファンに来ていただけるのは、運営のスタッフやチケットを売っていただいたスタッフ皆さんの力、そして興味をそそる試合をすることができたプレーヤー、全員の力だと思っています」
何かが起こる有明コロシアム
昨シーズンから数えて、サンロッカーズ渋谷はこの地で4連勝中である。ホーキンソンは、その結果から何が起こる有明コロシアムの魅力についても語った。思い返すと、劇的な試合が蘇るのだ。
「本当にこの4試合はとても面白い試合が多かったと思います。ひとつ言えば、昨シーズンは(今年1月の試合で)アキ・チェンバース選手(現B2・信州ブレイブウォリアーズ所属)が(終了間際に)同点の3ポイントを決めました。今日で言えば田中選手があの場面で値千金の3ポイントを決めてくれて、ファンの皆さまを引きつける試合ができています。これも有明で起こるひとつの面白さだと思いますね」
またルカ・パヴィチェヴィッチ ヘッドコーチ(HC)にとっても「ARIAKE SERIES」で改めてファンの力や、クラブとして奮闘を感じていた。過去にB1のアルバルク東京を2度のリーグ制覇に導いた手腕を持つ指揮官は、こんな思いを明かした。
「東京の真ん中に私たちのクラブは名前を置いて存在していますが、東京にはアルバルク東京さんもいます。Bリーグではいろいろな面でトップを走っていると言っても過言ではありませんが、サンロッカーズ渋谷にもファンの皆さまがスペシャルなものをもたらし、クラブのコンセプトを愛してくれているように感じています」
そう感じる背景についてルカHCは、アウェーへ応援に駆けつけるたくさんのファンの姿や、平日ナイターゲームにも関わらず有明へ8,000人以上のファンが集まった様子に言及。指揮官として今後も勝利を挙げてファンと喜びを分かち合い「Bリーグを突き進んでいきたい」と力強く言葉を紡いだ。