祝・新大阪駅開業60周年
1964年10月1日、東海道新幹線の開業と共に産声をあげたJRの新大阪駅。それに先立ち9月24日に開業した大阪メトロの駅も合わせ、2024年で新大阪駅は60周年を迎えた。
60年の歳月を経て、今では東海道・山陽新幹線、JR在来線、大阪メトロ御堂筋線合わせて1日30万人弱が利用する関西屈指のターミナル駅となっている。
通勤、通学はもちろん、出張や国内外の観光など、様々な目的の利用者が行き交う新大阪駅の待ち合わせスポット “千成びょうたん”。利用者が増える師走の土曜日、千成びょうたんの前に突如出現したのは “プロレスのリング” だった。
恐らく殆どの利用者が初めて見かけたであろう本物のプロレスリングと、イベント開始1時間前から並ぶ人々の列に、先を急ぐ駅利用者が不思議そうにリングを見つめながら歩いて行く。
新団体の立ち上げ!?『シン・大阪プロレス』
この日、正午から開催される新大阪駅でのプロレスイベントは、その名も『シン・大阪プロレス』。新大阪駅開業60周年記念イベントとして、この日限りの興行であることが駅に張ってあるポスターに書いてある。
「新団体の立ち上げのようで、一瞬ドキッとしますよね!」と話してくれたのは、このイベントを担う大阪プロレスの代表取締役・大林 賢将(ゼウス)さんだ。オーナーとして、社長として経営を切り盛りするだけでなく、レスラーとして「大阪プロレス王者」に君臨する団体随一の実力と人気を誇っている。
「全日本プロレス時代、東京へ通うために新大阪駅は週に3、4回利用していました。馴染みのある新大阪駅で、しかも開業60周年という記念イベントで、大阪プロレスに声を掛けていただき感無量です」と満員の会場に眼を細めながら、かつて大阪に在住しながら全日本プロレスに所属し活躍していた “遠距離通勤” のエピソードを教えてくれた。
「私たち大阪プロレスのファンは大人から子どもまで幅広く、今日もリングサイドにはお子さんや女性などさまざまな方が応援に来てくれています。駅のご利用者も老若男女さまざまな方が利用されているので、私たちのプロレスを楽しんでいただけると思います。皆さんの印象に残るイベントになれば嬉しいですね」と、一日限りの “シン・大阪プロレス” イベントに意欲を見せていた。
大阪での一大イベント・万博を盛り上げろ!
オープニングに登場したゆるキャラ軍団は、大阪プロレス所属の選手たちではなく、新大阪駅に列車が乗り入れる西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)、東海旅客鉄道(以下、JR東海)、大阪市高速電気軌道(以下、大阪メトロ)のキャラクターたち。その中に、「ミャクミャクぅ~!」「こっち向いて~!」とひときわ大きな歓声を受けるキャラクターがいた。
このキャラクターは、来る2025年4月13日から開催される “EXPO2025大阪・関西万博(以下、大阪万博)” の公式キャラクター『ミャクミャク』だ。細胞と水がひとつになったことで生まれたふしぎな生き物、ミャクミャクが公式キャラクターとして発表された際には、その反響の大きさが更なる話題を呼んだ。首都圏におけるミャクミャクへの認知や親和性はまだまだこれから高まっていくと思われるが、シン・大阪プロレス会場における知名度と人気は抜群。