期待通りの激しい攻防に沸いた前半
東京SGのキックオフで始まった前半、BL東京ボールを早々に奪った東京SGは流大選手のパスワークから連続アタック。3分近くアタックを続ける東京SGに対し、BL東京ディフェンス陣は堪らずPR(プロップ)小林賢太選手のタックルが頭にいったと判定されてイエローカード。
いきなり一人を欠いたBL東京は、自陣トライライン5m前から東京SGの攻撃を迎え撃つ。東京SG応援席前でのモール攻撃。黄色に染まった応援席からの大歓声を受け、モールで押し込み東京SGがトライかと思われたが、直前にボールを前に落とし(ノックフォワード)ノートライ。大歓声がため息に変わる。
しかし5分、ノットロールアウェイでペナルティを得た東京SGは、SO(スタンドオフ)高本幹也選手がPG(ペナルティーゴール)を決めて3-0と先制した。

高本幹也選手のPGで先制した東京SG-JournalーONE撮影
ダービーの名に恥じない試合をと、BL東京もキックオフ直後から反撃。8分にこの試合初めて敵陣でのプレーとすると、ゴールポスト前からのパスを繋いで徳永祥尭選手が左隅へトライ。3-5とすぐさま逆転に成功する。
再びキックオフ直後、今度は東京SGがフィールド中央の敵陣10mラインから右タッチラインギリギリにキックパス。これを受けたWTB(ウイング)の尾崎晟也選手が受けて突破を図る。この抜け出しを阻止したBL東京だったが、フォローに入ったNo8の箸本龍雅選手にパスしてトライ。8-5と1分足らずで再逆転した東京SGにスタンドは大きく沸いた。

箸本龍雅選手のトライで逆転した東京SG-JournalーONE撮影
このキックオフ直後から試合が激しく動く展開はまだ続く。11分、ペナルティから敵陣22mのラインアウトでボールを得たBL東京だったが、東京SGがパスカットするとキックによる陣地の取り合いが始まる。この攻防に決着を付けたのは14分のBL東京だった。
WTB日本代表のJone Naikabula (ジョネ・ナイカブラ)選手が右サイドラインからボールを受けると、ゴール中央へ斜めに切り込む華麗なステップでトライ。Gも決まって8-12とまたもBL東京が試合をひっくり返す。

BL東京もジョネ・ナイカブラ選手のトライで直ぐさま逆転に成功-JournalーONE撮影
試合開始から壮絶な点の取り合いが続いたが、ここから決定的なチャンスに至らず23分まで時計が進む。この膠着状態を打破したのは、王者・BL東京だった。自陣22mラインでのスクラムから、SH(スクラムハーフ)の杉山優平選手が自ら持ち込んでディフェンスの裏を取ると、FB(フルバック)松永拓朗選手、ナイカブラ選手と見事にボールを繋いでトライ。Gも決まって8-19とBL東京が東京SGを突き放した。
BL東京に流れが傾きかけた26分、ハーフウェイライン付近からオブストラクションでボールを得た東京SGが粘りを見せる。敵陣22mラインのラインアウトから、ハイパントでトライラインに迫る東京SG。ゴールポスト手前での密集から、交代したばかりの仁熊秀斗選手がボールを受けてトライ。Gも決まって15-19と点差を詰めてモメンタムを渡さない。

トライ後にハイタッチで喜ぶ仁熊秀斗選手(東京SG)-JournalーONE撮影
太陽光が目に入るBL東京のディフェンス陣を切り崩すべく、高いキックで陣地を進める東京SGは31分。敵ゴール前10mのスクラムでペナルティを得るとショットを選択。このPGを高本選手がしっかりと決めて18-19、東京SGが遂に「1点差」まで迫ってきた。
さらにハーフウェイラインからキックで陣地を獲得しようとする東京SGだが、王者・BL東京もキックで応酬。すると34分、リーチ選手のアタックを起点に敵トライライン5mまで一気に攻め込むBL東京。リーチ選手のアタックで中央に東京SGディフェンス陣を引き付けると、すぐさま手薄な左にボールを展開したBL東京は、松永選手がトライを決めて18-24と再び突き放す。

高い精度のキックでも魅せた松永拓朗選手(BL東京)-JournalーONE撮影