しかし、ここから怒濤のトライへの執念を見せる東京SGは、SHの福田健太選手からFL(フランカー)の下川甲嗣選手へと“日本代表のボール繋ぎ”を見せると、一気にハーフウェイラインまでボールを戻す。その後、ラインアウトからフェーズを重ねて攻め込む東京SGは、敵陣22mライン、敵ゴールライン5m前まで着実に攻め込んでスタンドを沸かせる。
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自陣トライラインからラストアタックをかける東京SG-JournalーONE撮影
意地のトライを挙げるべく最後までトライラインを目指した東京SGだったが最後はノットリリースザボールでここまで。BL東京が引き分けを挟んで“府中ダービー“を制して4連勝を飾った。
東京SGらしさも出た試合
「僕たちの大事な”府中ダービー”に向け、しっかりと準備はしてきた。前半、簡単に点を取られてしまった」と、東京SGの小野晃征ヘッドコーチが試合を振り返れば、流キャプテンも、「勝つチャンスを作れたが勝ちきれなかった。チームとして成長はしており、若い選手も活躍したが、これがBL東京との差」と、冷静に試合を振り返った。
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府中ダービーを振り返る東京SG・小野晃征HCと流主将-JournalーONE撮影
「ソフトなトライ、ペナルティが多かった。やられてからやり返すことが多い試合展開が気になる」と反省点を口にしつつも、「最後のトライラインからゴール前まで攻めたのが本来の東京SG。選手とコーチ陣のコミュニケーションは良かったし、クリアなゲームプランを自信持って遂行できた」と流キャプテンは前を向く。
激闘の首位攻防を活かした快勝に手応え
「”府中ダービー”を素晴らしい舞台でプレーできて嬉しい。イエローカードを2枚出しましたが、ボーナスポイントが獲れた。埼玉WK戦の反省を活かせた」と満足そうに試合を振り返ったのは、BL東京のTodd Blackadder(トッド・ブラックアダー)ヘッドコーチ。
「たくさんのファンの前でプレーできて嬉しい。試合開始直後からスピードあるサンゴリアスに苦戦したが、埼玉WK戦の反省を活かして東京SGに勝てて良かった。ダメージは、埼玉WK戦と同じくらい大きいですが・・・」と、やり切った表情でリーチ主将も試合を振り返る。
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期待通りの結果に満足するBL東京のトッド・ブラックアダーHCとリーチマイケル主将-JournalーONE撮影
「外へパスを振らずに、前へ前へとアタックしたことで2トライを挙げることができた。埼玉WK戦後に、森田コーチと細かいスキルを積み上げることができた成果。レベルの高いバックアップメンバーと共に、短いパスなどスキルアップができた」と、勝因となった準備について話したリーチ主将は、この2トライがなかったら危なかったとサンゴリアスへの警戒を緩めない。
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プレーオフでの府中ダービーに向けどこまでチームを成長させるかに期待-JournalーONE撮影
両軍11トライを挙げた壮絶な一戦だったが、まだまだリーグ戦は前半。プレーオフで対戦する可能性が高いチーム同士の一戦は、この結果を受けてそれぞれのチームがどういった成長を見せてくれるのか?ここに注目しながら今後のリーグ戦を観ていくのも大きな楽しみだ。