パリ五輪に観た卓球人気
2024年夏、パリオリンピックで卓球競技の人気の高まりを改めて知ることになった読者も多かっただろう。女子団体で2大会連続の銀メダル、女子シングルスでは早田ひな選手(日本生命レッドウルフ)が銅メダルを獲得して日本中を熱狂させた。
パリオリンピックの興奮覚めやらぬ8月24-25日、満員の観客が詰めかけた東京・代々木第二体育館で行われた“ノジマTリーグ 2024-2025シーズン”の開幕戦から半年が経過。リーグ戦はいよいよ佳境に入っている。
男女計12チームが全150試合を戦うリーグ戦も残すところあと数試合。リーグ戦を勝ち抜いた男女上位3チームが集まり日本一を決めるプレーオフが、いよいよ3月22日(土)に迫っているのだ。
苦戦する前年王者・木下マイスター東京
プレーオフに向け熾烈な順位争いが展開される中、昨シーズンの王者・”木下マイスター東京”が窮地に追い込まれている。
2月24日の時点で21試合を消化した木下マイスター東京の成績は、9勝12敗の勝点32で4位と苦戦。プレーオフ進出圏内にある3位・岡山リベッツとは勝点12の差がある。奇跡のプレーオフ進出に向けて残り4試合、一つも落とせないだけでなくできれば4P勝利を挙げて少しでも差を詰めたいところだ。
昨年在籍したパリオリンピック日本代表の戸上隼輔選手が、ドイツ・ブンデスリーガ(オクセンハウゼン)に移籍。同じく日本代表だった篠塚大登選手もライバル”琉球アスティーダ”に移籍し、主力メンバーが大きく代わっての“連覇挑戦”となっている。
男子プロバスケットボールリーグ、B.LEAGUE(以下、Bリーグ)の”千葉ジェッツふなばし”の本拠地として、2024年4月迄使用されていた船橋アリーナで行われた”静岡ジェード”との一戦。卓球の試合に触れるのは初めてという方が大勢を占めた船橋市民の前で、会場を熱くするプレーを見せ、プレーオフへの望みを繋ぐことができるか?

バスケ・Bリーグで沸いた船橋アリーナを卓球・Tリーグでも熱くする-JournalーONE撮影
木下マイスター東京 vs 静岡ジェード
木下マイスター東京に対する静岡ジェードは、ここまで22試合を終えて6勝16敗の6位(勝点22)と昨年4位からの躍進を果たすに至っていない。プレーオフ進出の望みは既に断たれているが、アウェイ戦に詰めかけた熱心な静岡ジェードファンのためにも、一つでも勝ち星を積み重ねていきたいところだ。
試合は第1マッチから白熱した展開となる。木下マイスター東京の松島輝空選手、吉村和弘選手ペアに対する静岡ジェードのペアは龍崎東寅選手、森薗政崇選手。

昨シーズン王者・KM東京の若きエース・松島輝空選手-JournalーONE撮影
前日まで中国・深圳で開催されていた”第34回 ITTF-ATTU アジアカップ 2025 (以下、アジアカップ)”に参戦していた松島選手を擁する木下マイスター東京が先手を取るも、粘る静岡ジェードが第1ゲームを11-10と逆転で先取した。

先勝した静岡ジェードの龍崎東寅選手、森薗政崇選手ペア-JournalーONE撮影
続く第2ゲームは木下マイスター東京がラブゲームで圧勝と、対照的な試合展開で第3ゲームへ入る。
木下マイスター東京の勢いそのままかと思われたが、第1ゲーム同様に1点を取り合う接戦に持ち込んだ静岡ジェードが、10-10のデュースから静岡ジェードが立て続けに得点して勝利。木下マイスター東京はこの時点で勝点4のボーナスポイントを逃した。
続く第2マッチはダブルスから連続してコートに立つ木下マイスター東京・吉村選手に対し、静岡ジェードは英田理志選手をコートに送り連勝を狙う。しかし、攻守に安定した吉村選手が英田選手を圧倒。11-4、11-6、11-6と危なげなくストレートで下して1勝1敗のタイに戻す。

シングルスで圧倒した吉村和弘選手(KM東京)-JournalーONE撮影
第3マッチの木下マイスター東京・大島祐哉選手と静岡ジェード・濵田一輝選手の一戦は、ゲームごとに流れが大きく変わる激しい展開となった。長いラリーが続くたびに両選手がモメンタムを得て2-2からファイナルゲームに進む。