ヤマハスタジアムに5,302人が集う
開幕ダッシュに成功し、第11節を前に7勝3敗の勝点31とプレーオフ進出圏内の4位に付けている“静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)”。ホームの”ヤマハスタジアム”で行われた一戦は、9勝(1分)無敗の首位“埼玉ワイルドナイツ(以下、埼玉WK)”が相手となる注目のカードだ。
その首位・埼玉WKが唯一引き分けに終わった、昨シーズン日本一の“東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)”を下した縁起の良いヤマハスタジアムで、プレーオフでの対戦が濃厚な埼玉WKに対してどういった戦いを見せてくれるのか。
期待に胸を膨らませた地元・静岡BRファンたちが、試合開始前からスタジアムに多く駆けつけて後半戦の大一番に期待を寄せていた。

試合前から多くのファンで賑わうヤマハスタジアム-Journal-ONE撮影
プレーオフへ再びの大金星を-静岡BR
NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25 ディビジョン1は、後半戦に入りプレーオフ争いへの注目が高まってきた。
昨シーズンの王者・BL東京、二年連続リーグ戦首位の埼玉WKといった「常連」チームが上位に君臨しているのに対し、同じくプレーオフ常連の“東京サンゴリアス(以下、東京SG)”や、今季積極補強を見せた“トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)”はここまで苦戦を強いられている。
BL東京、埼玉WKに加え、昨シーズン6位に沈んだ一昨年の王者・“クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)”、3シーズン連続のプレーオフ進出を狙う“横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)”もプレーオフ圏内の4位以上を狙いしのぎを削る。その中で強豪と互角に渡り合い、リーグ戦を面白くしているのが昨シーズン8位の静岡BRなのだ。

BL東京に続き埼玉WKからも金星を狙う静岡ブルーレヴズ‐Journal-ONE撮影
地元・静岡で迎えた開幕戦で、昨シーズン5位の格上“コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)”を下して勢い付いた静岡BRは、横浜E、S東京ベイ、東京SGといったプレーオフ常連チームに一歩及ばずも、BL東京から大金星を挙げて見せた。
来る2027年にオーストラリアで開催される“ラグビーワールドカップ2027(以下、ラグビーW杯)”に向けて始動した、エディージャパンのポイントゲッター Malo Tuitama(マロ・ツイタマ)選手、ラグビーW杯南アフリカ代表も務めたキャプテンのKwagga Smith(クワッガ・スミス)選手など、多彩な攻撃バリエーションを持つ静岡BRが再びの大金星を挙げることができるかに注目だ。

ツイタマ選手の攻守にわたる活躍がカギとなる‐Journal-ONE撮影
主力欠く王者・埼玉WKの戦い如何に
ホワイトのセカンドジャージーに身を包んだ埼玉WK。この試合、稲垣啓太選手、坂手淳史選手、Dylan Riley(ディラン・ライリー)選手といった日本代表組がベンチ外となった。

珍しいホワイトのセカンドジャージーで登場した埼玉WK∸Journal-ONE撮影
代わって先発メンバーには、第9節に続く二度目の先発となった、早稲田大学からアーリーエントリーで入団したHO(フッカー)の佐藤健次選手、怪我から復帰した日本代表のFL(フランカー)福井翔太選手が入った。

怪我から復帰した福井翔太選手(埼玉WK)がスタメンに‐Journal-ONE撮影
経験豊富なフロントローが、古畑翔選手、佐藤選手、藤井大喜選手といった若い選手たちに入れ替わった埼玉WK。“ボムスコッド”として後半から入る、Craig Millar(クレイグ・ミラー)選手、ヴァルアサエリ愛選手といったベテラン日本代表メンバーが、どのように試合を締めていくのかにも注目したい一戦だ。
埼玉WK怒涛のアタックと静岡BRのディフェンスが光った前半
試合は、キックオフ直後から激しい主導権争いとなった。蹴り込んだボールに激しくチャージした埼玉WKが、早々に静岡BR陣内深くに攻め込む。ロック(LO)のEsei Haangana(エセイ・ハアンガナ)選手、ウイング(WTB)のMarika Koroibete(マリカ・コロインベテ)選手、佐藤選手などフィジカリティある選手たちが、再三にわたって静岡BRゴールラインに迫っていく。