今シーズンの最終戦は女王決定戦!
日本の最高峰卓球リーグ “ノジマTリーグ2024-2025”の日本一を決める戦いが3月23日(日)に行われた。東京都の国立代々木競技場 第二体育館で今シーズンの頂点を決める戦いを見届けるために会場に集まったファンは2,308人。
多くのファンが見守る中、会場に現れたのはレギュラーシーズン21勝4敗、勝点72と首位でプレーオフ ファイナルに進出した “日本ペイントマレッツ” 。Tリーグ7年目で初のレギュラーシーズン1位を獲得し、最終決戦に臨む勢いのあるチームだ。
対するは、昨日22日(土)に行われたセミファイナルで ”日本生命レッドエルフ” に3‐1で勝利し、女王奪還を狙う ”木下アビエル神奈川”。昨日の勝利の流れを今日の戦いにどれだけ呼び込むことができるのか期待だ。
レギュラーシーズンの両チームの対戦成績は4勝1敗で ”日本ペイントマレッツが勝て越している。
21日(金)に行われたプレーオフ前日記者会見で “日本ペイントマレッツ” の橋本 帆乃香選手は1位という結果に「レギュラーシーズンに海外遠征に行く選手が多くて、チーム全員で戦うことがあまりなかったからこそ、1つ1つの試合を頑張ろうという意識で戦いました。その頑張りが1位という結果だと思っています」と話した。
日本一が決まるファイナルについては「どちらのチームが来るかわからないですが、レギュラーシーズン1位だからと言って必ず勝てるという状況でもないし、本当に最後まで力を合わせて、気を引き締めて頑張りたいです」と勝つまで油断は一切しないと、初優勝に向けての強気のコメントで会見を終えた。
世界ランク1位の力を見せつけた
第1マッチの対戦は ”日本ペイントマレッツ” の横井 咲桜選手、大藤 沙月選手のペア対 ”木下アビエル神奈川” の木原 美悠選手、長﨑 美柚選手のペア。横井・大藤ペアは現在世界ランキング1位というプレーオフでも注目の組み合わせ。まずダブルスを取り勢いに乗りたい ”日本ペイントマレッツ” がオーダーからも圧を掛ける。第1ゲームは横井・大藤ペアの得点から試合が始まった。最初に3点を取りリズムを作ると、常にリードを保つ展開で点を重ねていく。速いテンポであっという間に10点に到達、マッチポイントを奪っても緩むことがない横井・大藤ペアは11-7で第1ゲームを奪った。
第2ゲームは木原・長﨑の ”ダブルみゆう” で親しまれるペアが5-3と優位に試合を進める。その後も8-4とリードを保ていたが、ここから世界ランク1位の実力が一気に迫る。横井・大藤ペアの4連続得点で8-8の同点になると、そこから更に3点を連取。さすがと言える力を見せつけた横井・大藤ペアが逆転勝利でこのゲームを取り、第1マッチのダブルスを制した。
長いラリーで我慢勝ち
第2マッチは ”日本ペイントマレッツ” の橋本 帆乃香選手と ”木下アビエル神奈川” の張本 美和選手の戦い。橋本選手は今シーズン、女子の中で最も多いシングルス18勝という成績を残している。そんな二人の対戦成績は2勝2敗であり、今日の試合の注目カード。どんな戦いが繰り広げられるのか楽しみにしているファンが多く、試合前から大声援が会場に響き渡る。
カットボールを主体に戦う橋本選手は、逆回転がかかる打球なのでどんなボールも緩く安定して返球してくる。そのため、相手の一瞬の隙を狙うラリーの我慢勝負が第1ゲームから始まった。1球で平均10ラリーするプレーに張本選手は勝負を急がず確実に打ち返していく。交互に点が入り、第1ゲームは最後粘りぬいた張本選手が11-9で勝ち取った。
続く第2ゲームは橋本選手が6連続得点を奪い6-0とリードする。そのまま流れを掴んだ橋本選手が強烈なスマッシュを交えながら張本選手のミスを誘っていき、11-7で力を発揮し勝利。ポイントを1-1の振り出しに戻した。
第3マッチは張本選手が先制からの4得点もあり6-2でリード。橋本選手も張本選手の奇襲攻撃にも動じず2点を返すも、張本選手は試合を一気に自分のペースに引き込んでいった。11-6でこのゲームを取り切り勝利まであと1ゲームとした。
ポイント2‐1の張本選手のリードで迎えた第4ゲームは、お互いに点を重ねていき、橋本選手の得点で7-7になったタイミングで ”木下アビエル神奈川” はタイムアウトを取った。お互いに気を引き締め直したあとも9-9と勝負は互角。しかし、ここから試合を動かしたのは張本選手だった。一気に勝負をかけた張本選手が残る2点を取り切り、長いラリー戦を繰り広げた第2マッチに勝利した。
リベンジをプレーオフで果たした平野選手
第3マッチに登場したのは ”日本ペイントマレッツ” の佐藤 瞳選手と ”木下アビエル神奈川” の平野 美宇選手。今シーズン、シングルス17勝1敗と大活躍の平野選手だが、全勝とはならなかった唯一の1敗は、ここで対戦する佐藤選手が勝利をしてつけたもの。プレーオフに相応しいこの対決も、見応えのある展開に期待したい。第1ゲームは平野選手が6連続、3連続得点と相手にリズムを掴ませない戦いで11-6とスムーズにゲームを決めた。