続く第2ゲームは最初3‐0で平野選手がリードするも、佐藤選手も取り返し5-5の同点に。コートを目一杯使ったラリーと素早いフットワークで徐々に平野選手が点差を広げていき10-5になるが、食らいつく佐藤選手が2点を返した。しかし、最後は確実に平野が決めこのゲームを取り切った。
第3ゲームは最初は佐藤選手が先制したものの平野選手が追いつき5-5、その流れで逆転に成功し10-6と佐藤選手を引き離した。するとここで試合時間が10分を超えたため ”促進ルール” が適用された。促進ルールとはサーブを1本ずつ交互に打ち、レシーバーが13回返球した時点で得点になるという時間短縮のルール。マッチポイントを取りながらも突然のルール変更に少し戸惑ていた平野選手だったが、大きく深呼吸をして気持ちを切り替えた。最後は渾身の一発を相手コートに収めて得点。平野選手がこのゲームも勝ち取り、優勝まで残り1マッチとした。
小学生からのライバルと戦うプレーオフ
第4マッチは ”日本ペイントマレッツ” の大藤選手と ”木下アビエル神奈川” の木原選手の対決。第1マッチのダブルスにも出場していた両選手は小学生からの仲というライバル。プレーオフ ファイナルという最高の舞台で戦う二人を会場中が見守った。第1ゲームは大藤選手の積極的な攻撃が光り、木原選手を抑え込んでいく。一歩も引かない高速ラリーで10-6と大藤選手が早々にマッチポイントに到達すると、木原選手もすかさず反撃。しかし11-8で第1ゲームを大藤選手が取り、すぐに第2ゲームに向かった。
この試合一番の速いテンポ感で進んでいく試合は、コートから一瞬も目が離せない。第2ゲームも7-7で互角に進んでいると思われたが、第1ゲームと同様にリズムはだんだん大藤選手が掴んでいった。8-8の同点から3連続で得点し11点目を入れた大藤選手が第2ゲームも勝利した。
第3マッチも木原選手を巻き込むペースで、力強いスマッシュを次々に決めていく大藤選手。それでも諦めない木原選手は意地を見せ、7-6でリードしていた。その後も相手の隙をついた攻撃で徐々に点差を開いていき、11-7で初めてゲームを木原選手が掴み取った。
第4マッチはお互いに点を取り合って7-7と均衡した展開が続いた。途中、大藤選手と木原選手それぞれに強烈なスマッシュがあるなか、最初に10点でマッチポイントに到達したのは木原選手。木原選手らしい力強いプレーが多く見られたこのゲームは、最後まで木原選手が崩れずに111点目を勝ち取った。これでスコアを2‐2とし ”木下アビエル神奈川” は優勝まで残すは第5ゲームとなった。
運命の第5ゲームは6-6から開始。第4マッチから勢いが止まらない木原選手だった。10-7と点差をつけ、会場のアビエルファンは一気に盛り上がる。深呼吸をして打ち込んだ一球は大藤選手のレシーブがコートから外れ11点目を入れた。その瞬間に ”木下アビエル神奈川” の優勝が決まり、木原選手をはじめとする選手たちは抱き合って喜びあった。
今シーズンで監督を退任する ”木下アビエル神奈川” の中澤 鋭監督はこの最高の結果に涙を見せる場面も。そんな姿を見た選手は笑顔で監督と握手をして、ファンからは大きな拍手が送られた。

Tリーグ2024-2025シーズンの女王・木下アビエル神奈川-Journal-ONE撮影
最後を優勝で終われて嬉しい‐木下アビエル神奈川 中澤 鋭監督
「今シーズンでTリーグは最後になるので今は感謝と感動の気持ちでいっぱいです。円満の結果で終われて本当に嬉しいです」と話したのは中澤 鋭監督。
試合後には涙を流されてる場面もあったが「レギュラーシーズンは結構苦しかったです。特に木原選手は今シーズンあまりいい試合がなかったので、この子も悩んでいましたがファイナルで起用をしました。2ゲーム目までほとんどいいプレーができず苦しい状況でしたが、ちょっとずつ自分のペースを作っていって、最後勝ち切れたことがさらに感動ですよね」と涙の理由を明かした。
その木原選手が3ゲーム目以降、持ち直して勝ち切れた要因を聞かれると「僕は本当に全力で、彼女に自信を持って ”いける!” そういうことを言い続けていました。彼女も戦術の中でも、自信をもって徐々自分のいい形を作ったので、そこが良かったと思います」と木原選手の戦いぶりを振り返った。
ファイナルで念願のシングル勝利‐張本 美和選手
「今日は私自身このファイナルで2回目のシングルで勝利したことがなかったので、この勝利自分自身も嬉しかったです。そして昨日も今日も2連勝で勝っていく流れは少し作れたかなという風に思っています」と振り返ったのは張本選手。