世界最高峰のJDリーグ
女子ソフトボールと言えば、日本が誇る”お家芸スポーツ”の一つ。2026年、およそ30年ぶりの日本開催となるアジア競技大会(2026/愛知名古屋)で、前人未踏の大会7連覇を狙う女子ソフトボール日本代表。北京五輪(2008年)、東京五輪(2021年)でも金メダルを獲得していることも合わせ、日本の女子ソフトボールが、どれだけ長く最高峰のレベルを維持しているのかが分かるだろう。

W杯2024で優勝した日本代表-Journal-ONE撮影
その代表選手をはじめとする各国の代表選手たちが集う、世界最高峰の女子ソフトボールリーグが日本にあることはご存じだろうか。全16チームに分かれて年間チャンピオンを目指す”JD.LEAGUE(以下、JDリーグ)”が4月、2025シーズンの開幕を迎えた。
今年で4シーズン目を迎えた若いJDリーグだが、シーズンスローガンは「再輝動」。日々進化を続ける選手たちと競技を通じて、ソフトボールの新たな魅力を再発見しファンの笑顔が輝くリーグを目指すという思いを込めたスローガンだ。この「再輝動」スローガンに偽りなく、開幕から更なる進化を遂げた16チームが、昨シーズンを上回る熱い戦いを見せている。

スローガン「再輝動」が発表された開幕前のPressConference-Journal-ONE撮影
伝統ある名門チームにも新風
北は群馬県から南は福岡県まで、所属する16チームには歴史ある”名門”チームが幾つか。1952年創部、愛知県刈谷市を本拠地とする”豊田織機シャイニングベガ”も、JDリーグの前身である日本女子ソフトボールリーグから数々の栄光を手にしている名門チームの一つだ。

2年ぶりのプレーオフ進出を目指す豊田織機シャイニングベガ-Journal-ONE撮影
鍛え抜かれた守備力と、スピードとセンスにあふれた走力、そして追い込まれてから何球もカットで粘り、四球や単打で繋いで1点をもぎ取る攻撃力が”名門・SHOKKI”のチームカラー。この戦術で何度も相手投手、チームのモメンタムを奪い、JDリーグ創設年にはダイヤモンドシリーズ決勝、2年目もダイヤモンドシリーズへと進出してきた。しかし昨シーズン、初めてポストシーズ進出を果たせず、捲土重来を期して今シーズンを迎えた。
シーズンイン間際の3月末、JDリーグ各チームが最終調整と目するオープン戦”リーグ交流戦2025”で目を見張ったのは、これまでのチームカラーから進化を遂げた豊田織機の選手たちだった。豊田織機の代名詞・スピード感はそのままに、細身で小柄な選手たちの身体に厚みが付いてパワフルなスイングを見せている。

織機ソフトの象徴である”魔術師”竹中真海-Journal-ONE撮影
開幕から打線が結果を出す
このパワフルに生まれ変わった打撃陣は、開幕から好調を維持しているが、とりわけ走者を置いた場面での長打の多さが光っている。開幕試合の初回に放った池上桃花選手、第2節で逆方向へ放った須藤志歩選手の満塁本塁打は、これまでの豊田織機のイメージとは違うソフトボールを見せてくれた。

逆方向への本塁打を放った須藤志歩(豊田織機)-Journal-ONE撮影
「昨年、ポストシーズンを逃したことで、選手たちの目の色が変わった」と、好調打線の要因を教えてくれたのは、豊田織機シャイニングベガを率いる永吉慎一監督。「年末からウェイトのメニューを消化した成果が出ているのかな。身体が大きくなり、結果も出るとさらにモチベーションもあがるでしょう」と、選手たちのさらなる成長を予感している。

永吉慎一監督は選手のやる気に目を細める-Journal-ONE撮影
「フルスイングでなくても、外野の頭を抜く打球が打てる感覚はある。追い込まれてからも自信を持って強く振ることができた」と、満塁弾を左中間に叩き込んだ須藤もウェイトトレーニングの成果を感じている。「ファンの皆さんから、力強くなったと言われると嬉しいですし、自信になりますね」と嬉しそうに話す。
