この一連の立て替えをするという神事は、神道で重要視されている “常若” という考え方に基づいているのです。常若は、神道においてとても重要な考え方です。絶え間なく生まれ変わることで、神宮を常にみずみずしい状態に保つ。これは、神と日本がいつまでも存続し続けるということを表わしているのです。
前回の遷宮時に社殿があった場所を “古殿地” と呼びます。現在、建っている社殿のすぐ隣に位置する場所です。御柱を納める小屋を除いては、更地で何もないように見える古殿地ですが、遷宮の際にはこの御柱を中心に新しい社殿が建てられるのです。
また、遷宮を行う際には大量の木材が必要となりますが、伐採後には新しい苗木を植えて次のやがて来る遷宮のために育てていきます。遷宮で神が遷られた後の社殿の木材は、日本各地の神社や建築物に再利用されているのです。再生と更新、それが伊勢神宮の不変のテーマなのですね。
伊勢神宮を参拝して学んだこと
伊勢神宮への旅は、感動的なものでした。静寂の中に佇み、自然の美しさを身体で感じることが好きなスピリチュアルな人間である私は、神道の信仰の本質を体感できたのでは無いかと感じました。神道の起源を語るうえで欠かすことのできない、日本人の心のふるさとである伊勢神宮にようやく行くことができたことをとても嬉しく思いました。
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