初日の633人を大きく上回る1,107人のファンが集まり
会場に入ると、たくさんのスタッフの皆さんが笑顔でお出迎えをしています。その通路には、「帰るぜ!田鶴浜に」というボードと共に、避難所として使用されていた金沢武士団の練習拠点・七尾市田鶴浜体育館の写真がたくさん飾られています。
避難生活をしながらも笑顔でフレームに収まる皆さん。炊き出しで訪れた芸能人やスポーツ選手の皆さんの姿一人ひとりの前向きな笑顔と、4月6日、7日にホームゲームを開催する喜びが伝わるパネルをファンも熱心に眺めています。
その横には、「ガンバレ!!金沢武士団」「がんばろう石川、がんばろう能登」の応援フラッグに無数の激励メッセージが書かれています。来場者の皆さんが備え付けのペンを使って、石川県・能登の皆さんに温かいメッセージを記していました。
スタンドに足を運ぶと、中央の金沢武士団の大きなフラッグを囲むようにさまざまなチームのユニフォームが飾られています。「このチャリティーマッチに、地元の石川から応援に来られる人は殆どいません。今日は、金沢以外の全てのチームのブースターたちがXなどで声を掛け合って集まってくれているんですよ」と、バスケットボールが紡ぐ強い絆を紹介してくれました。
“諦めない”武士団魂と会場が一つになる
コンディション不良で出場できない選手が多く出た金沢武士団は、第1クオーターから9 – 39と品川に大きくリードを許す苦しい展開。しかし、”諦めない”バスケで戦い続ける金沢武士団は、第2クオーター。石川県出身の#21久保 拓斗選手のスリーポイントなどでリズムを作ると、品川のシュートミスを確実に拾うなど試合の流れを引き戻しにかかります。徐々に点差を詰めた金沢武士団が35 – 62と挽回すると、観客席から大きな歓声が沸き起こりました。
続く第3クオーター、金沢武士団は40 – 62と追い上げを見せますが、品川も#16 伊藤 良太選手の正確なショットなどで反撃。42 – 69と少しずつ点差を離しにかかります。
両チームに疲れが見え始めた終了間際には、品川がディフェンスファールからのフリースローを着実に得点に結びつけると、点差は再び51 – 79と広がっていきました。
第4クオーターも58 – 87と点を取り合い、残り5分となったところでオフィシャルタイムアウトに入ります。最後の力を振り絞っての攻防が続いたラスト5分間。最後まで諦めずにゴールを狙う金沢武士団でしたが、それを制して地力を見せたのは品川でした。オフェンスでは確実にゴール下までボールを運んで得点を重ね、ディフェンスでは金沢武士団の選手をゴール下まで入れさせません。結局、第1クオーター以来の30点以上の差を付けて品川が金沢武士団に勝利しました。
試合後、品川の佐野 智郎ヘッドコーチはマイクを通し、現地で頑張っている被災地の皆さん、金沢武士団の選手・スタッフの皆さんに激励のメッセージを送ります。そのマイクを受けた金沢武士団の三木 力雄ヘッドコーチは、佐野HCのメッセージと1,000人を超えるファンを目の前にして感極まるシーンもありました。会場からは「がんばれ石川!」「がんばれ武士団!」と温かい歓声が沸き起るフィナーレとなりました。