Journal-ONE | バスケ・Bリーグ 横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝は日本代表としてワールドカップでも活躍-吉川哲彦撮影
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試合後の記者会見で、勝久ヘッドコーチは勝利を喜ぶ前に「新しいBUNTAIで、まずは会場に来て『すごいな』と思いましたし、横浜BCの青木(勇人ヘッドコーチ)さんや謙治(山田アシスタントコーチ)も含めて、あの時のメンバーで試合ができたことは本当に特別なものでした」と語り、感慨もひとしおの様子だった。

それは横浜BCで現役生活を終え、コーチとしてのキャリアをスタートさせた横浜BC・青木ヘッドコーチも同様だ。同じく試合後の会見で「こうしてBUNTAIに戻ってきて試合をできたことがすごく光栄なことで、会場の雰囲気は最高でした」と第一声を発し、それだけに「勝利をお届けできなかったことはやっぱり悔しいです」と無念さをにじませた。

Journal-ONE | 改修前の横浜文化体育館

2020年に閉館した横浜文化体育館-小野寺俊明撮影

神奈川県に生まれ育った青木ヘッドコーチは、bjリーグ時代の開幕戦とBリーグでの最初の試合の双方を経験したということもあり、BUNTAIへの思い入れは特に強い。

「小さい頃から横浜文化体育館でバスケットを見て育ってきたので、この地にまたこういう素晴らしい環境ができたこと、ビー・コルセアーズがここに戻ってきたことは本当に感慨深いものがあります。ここでまた、ブースターさんとも一体となってクラブの歴史を作っていく、そんなやりがいのある場所になっていくと思います」。

横浜の新たなバスケットボールの発信地として

2026年に予定されているBリーグの刷新が着々と進んでいる中で、横浜BCが将来的に横浜BUNTAIをホームアリーナとするかどうかは、現時点では結論が出ていない。河村人気やリーグ全体に波及しているワールドカップ効果などで、今シーズンのクラブの1試合平均入場者数は5000人に達しようとしているが、この日はチケット完売で4830人。

ブースターに馴染みのある横浜国際プールのほうがキャパシティーも多く、その他の要素も含めると、どちらにもメリットとデメリットがあるというのが実情だ。

それでも、横浜国際プールをホームアリーナとしているうちは、これまで通りシーズン終盤にはこの横浜BUNTAIが使われることになるだろう。青木ヘッドコーチが語ったように、クラブの歴史に刻まれるアリーナとして存在感を放ち、横浜BCの発展とともに日本バスケットボール界全体においても一定の役割を果たしていくことを期待したい。

■記者プロフィール
吉川 哲彦
2000年に日本初のプロバスケットボールチームとして誕生した新潟アルビレックスBBの密着取材で、フリーライターとしての活動を開始。以後、バスケットを専門に現在はBリーグ(B1~B3)、Wリーグ、3x3など多くのカテゴリーを欲張っているため、特に秋から春にかけては毎週末が取材で埋まる一方、2016年のBリーグのスタート以降は原稿執筆のため自宅に引きこもる時間も増え、体重が20キロ増えたことに悩んでいる。
≫「X」アカウント
https://twitter.com/Akhk_Yskw
アクセス
横浜BUNTAI
  • 東海道新幹線 JR新横浜駅-地下鉄(17分)-関内駅-徒歩6分
Journal-ONE記者 | 吉川哲彦 バスケットを専門に現在はBリーグ(B1~B3)、Wリーグ、3x3などを取材
取材・文:
吉川 哲彦( 日本 )
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