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1点を追うトヨタも2回、2死から下山 絵里選手が中前安打を放つと、続く舟阪 育枝選手も内野安打で続く。2死一、二塁と同点のチャンスを迎えたが、キャスリン投手の力投で同点を許さないSGホールディングスが試合の流れを掴んでいった。

王者のプレッシャーが光る中盤

その後、両投手が予想通りの好投を見せ、膠着状態のまま迎えた中盤。王者のプレッシャーが試合を動かし始める。

4回表、先頭の “推しのソ切石 結女選手が内野安打で出塁すると、馬場 幸子監督は4番・山田 柚葵選手にバントを命じる。

続く、東京2020金メダリストのベテラン・原田 のどか選手が左前安打でチャンスを広げ、前の打席で安打を放っている下山、舟阪両選手に期待を寄せる。しかし、キャスリン投手の冷静な投球術が光り、同点のピンチを抑えきった。

5回表も、2死から日本代表のキャプテン・石川 恭子選手が中前安打で出塁し、トヨタのキャプテン・鎌田 優希選手の巧打に期待が掛かる。得点圏に走者を置いてから更にギアを上げるキャスリン投手は、こ王者・トヨタのプレッシャーを跳ね除けた。

Softball-Toyota

再び流れを引き寄せた三度目の正直

得点差は僅か1点。リードをしているものの、中盤のトヨタ攻撃陣のプレッシャーで流れが傾きかけた終盤。試合を決めたのは、日本代表の核弾頭だった。

5回裏、この試合3回目の打席に入ったのは中川 彩音選手。これまでトヨタバッテリーの左右、高低の揺さぶりに屈して連続三振を喫していた。

しかし、この打席で鋭いファールを打ち、力投するメーガン投手のボールを捉え始めた中川選手に何かを感じたのか、加藤監督も「高さ注意だよ!」と三塁コーチャーズボックスからアドバイスを送る。

すると、中川選手が強く振り脱いだスイング一閃、右中間への打球は打った瞬間に本塁打と分かる大きな一発で、欲しかった追加点をチームにもたらした。

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本塁打を放ち塁上を回る中川彩音(SGH)-Journal-ONE撮影

必死のディフェンスで遂に王者を

これで終わらないトヨタは6回表、再び先頭の “推しのソ” 切石選手が内野安打で出塁すると、原田選手も中前安打で4回と同様のチャンスを作る。

ここで、下山選手が「二度目は無いぞ」とばかりに痛烈な打球をレフトへ弾き返して1点を還す。畳み掛けるトヨタの攻撃をここでも見事に断ち切ったキャスリン投手は、笑顔でベンチに戻り仲間に勝利を託した。

最終回、抑えにオーストラリア代表の Kaia Parnaby(カーヤ・パーナビー)投手が登板。キャプテン・二見亜希選手がセーフティバントの小フライをダイビングキャッチする超ファインプレーにも助けられて零封。見事にSGホールディングスが首位・トヨタに勝利した。

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カーヤが7回を無失点で抑えSGHがトヨタから勝利を挙げた-Journal-ONE撮影

ダイヤモンドシリーズも見えてきた

試合後、「とにかく振っていこう」とメーガン投手攻略を端的に指示していた加藤監督。このアドバイスが功を奏し、先制した初回の攻撃はお見事。SGホールディングス打線は終始、メーガン投手に対して振れている印象を与えた。

「後半戦、東地区上位チームとの連戦となったが、良い試合内容で戦えた。特に投手陣の調子が上がってきているので、打線で色々なチャレンジができたことが大きい」と、厚みを増した選手たちの活躍に秋の戦いの手応えを話した加藤監督。

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DS進出へ手応えを感じる加藤愛監督(SGH)-Journal-ONE撮影

皇后杯下賜となった、第76回全日本総合女子選手権でも準優勝とチーム状態が上がってきたSGホールディングス。三度目の正直となるプレーオフ2ndステージ進出のその先、ダイヤモンドシリーズでの勝利も見えてきた。

 

アクセス
北九州市民球場
  • JR博多駅 -山陽新幹線(15分)-JR小倉駅 -北九州モノレール(4分)-香春口三萩野駅-徒歩11分
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取材・文:
Journal ONE( 編集部 )
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