放った打球はレフトのフェンスを越えたｰJournal-ONE撮影

打った瞬間、スタジアム全体が無言で飛球を追うと、左翼フェンスを大きく越えていく特大の3ランホームラン！塁審の手が回ると、静寂を破りベンチやスタンドは大盛り上がりに。三塁ベースを回る糟谷選手は、サードコーチャーに入っていた福田 五志監督と笑顔でハイタッチをしてホームベースを踏んだ。

福田監督と糟谷選手のハイタッチｰJournal-ONE撮影

繋ぎに徹する打線が爆発

ランナーが一掃された直後、6番・武富選手がセンター前ヒットで出塁。2死一塁となった場面で、代走・山北 利乃選手が盗塁に成功する。2死二塁とさらに追加点のチャンスを作り、打席には代打の任 敏（レイ・ミン）選手が送られた。後半戦からイーナン投手と共に中国からやって来た期待の助っ人選手だ。

代打で出場した任 敏（レイ・ミン）選手ｰJournal-ONE撮影

一本欲しい打席だったが、ミン選手は冷静に四球を選びチャンスを繋ぐと、福田マジック得意の代打攻勢。この場面で起用された今田 まな選手は、前日の ”太陽誘電ソルフィーユ” 戦の6回裏2死満塁で決勝タイムリーヒットを放ち勝利に導く活躍をしたばかり。「今日も打ってくれ！」と戸田中央応援団が声援を送る中、今田選手が初球を叩いてライト前にタイムリーヒット。さらに1点を追加して地元ファンの期待に応えた。

勢い付く戸田中央は5回裏、この回先頭の2番・”推しのソ” 鈴木 鮎美選手がレフトに今シーズン8本目となるソロホームランを放ち、日立をさらに引き離す。

鈴木選手の今シーズン8本目の本塁打ｰJournal-ONE撮影

「一度火が付くと止まらない」のが、今シーズンの戸田中央打線。糟谷、鈴木の両ベテランの一発に奮起した、続く3番・山口選手もショートへの強襲安打を放つと、4番・坂本選手もこの試合3本目の安打をセンター前に放つ。

流れを変える好救援で意地を見せる王者

日立にとってはこの悪い流れを止めたいところ。ここでベンチを出た日立の村山 修次監督がその役割を託し、マウンドに”推しのソ” 長谷川 鈴夏投手を送り出した。

マウンドに上がった長谷川選手ｰJournal-ONE撮影

長谷川投手はこのピンチを感じさせないようなポーカーフェイスでマウンドに上がり、前の打席で特大ホームランを放った糟谷選手を打席に迎えた。好調のベテラン打者をライトフライに抑え先ずは一息ついた日立だが、戸田中央もソツの無い走塁で二塁走者がタッチアップ。その後、一塁走者も盗塁に成功して1死二、三塁とまたも追加点のチャンスを作る。続く、武富選手の打席で誰もが驚くプレーが起こった。

牽制球でタッチアウトになったｰJournal-ONE撮影

2ボール2ストライクから三塁ランナーが投球と同時に大きく離塁した。しかし、バッターはスイングするわけでもなく、ランナーだけが飛び出す状況に。すぐキャッチャーからサードに牽制球が投げられて、三塁走者はタッチアウト。このプレーで流れを止めた長谷川投手が後続を抑え、無失点でリリーフの役割を果たした。

対する強打の日立打線は、最後までイーナン投手を攻略することができない。結果的に散発2安打に封じ込まれた日立は、最終回2死からリリーフした湯川 いずみ投手も捕らえることができず試合を終えた。

湯川選手が最後の1人を抑えてゲームセットｰJournal-ONE撮影

地元ファンに笑顔で感謝

投打が噛み合い快勝した戸田中央は、主催試合で驚異の8戦全勝。詰めかけた地元ファンからエールを受け、満面の笑みで手を振り、1年間の声援に感謝を表した。

この試合のMWP賞にはもちろん、先制3ランホームランのキャプテン・糟谷選手。「8連勝できたのも本当に地元の皆さんの応援のお陰だと思っています。今日の日立戦はチームの課題だったので勝てて良かったですし、11月10日のビックカメラ戦ではスタンドを戸田色に染めて応援お願いします！」とプレーオフでの戦いを意気込み、レギュラーシーズン最終戦を笑顔で終えた。