地元8連勝の偉業に挑む
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ“ 2024シーズン、レギュラーシーズンもいよいよラストゲームを迎える。4会場で同時開催された最終戦うち、埼玉県本庄市で開催された試合を振り返る。埼玉県を拠点として活動しているのは ”戸田中央メディックス埼玉” 。地元県で開催される試合は年間で1チーム8試合あるが、戸田中央はここまで7戦7勝と地元ゲームにめっぽう強いチームだ。この最終戦に勝利すれば、戸田中央はホームゲーム全勝でシーズンを終える快挙を達成する。地元ファンの笑顔を見続けたい戸田中央にとっては、どうしても勝ちたい一戦だ。
しかし、対戦相手はリーグ戦21の勝ち星を積み重ね、前日に東地区優勝を決めた ”日立サンディーバ” 。プレーオフからダイヤモンドシリーズを目指す戸田中央と、ダイヤモンドシリーズ準決勝で待ち受ける日立、今シーズンの対戦成績は1勝1敗と互いに譲らない。JDリーグ2024シーズンの日本一決定戦 “ダイヤモンドシリーズ決勝” へのケット争奪前哨戦となる超注目カードは、地元・戸田中央ファンはもちろん全てのソフトボールファンにとっても注目の試合なのだ。
レギュラーシーズンは今日で終了するが、東西地区の2位と3位、加えて残りチームで勝率の最も高いワールドカードを獲得したチームが集まり、日立に挑戦権を得るためのノックアウトラウンド “プレーオフ” が、11月9日と10日に神奈川県川崎市・等々力球場で開催される。戸田中央は11月10日のセカンドステージで ”ビックカメラ高崎ビークイーン” と対決。勝利したチームが、日立の待つ ”ダイヤモンドシリーズ” に進出できる。
両先発の力投で投手戦の様相
どちらのチームも投手力・打撃力に実力伯仲の両チーム。この試合の先発ピッチャーとしてコールされたのは、日立の左腕・田内 愛絵里投手と戸田中央の柴 燚楠(チャイ・イーナン)投手だった。田内選手は規定投球回数に僅かに足りず、投手タイトルに名前を連ねていない “影のタイトルホルダー”。安定したコントロールとマウンド捌きでチームの東地区初優勝を支えた。そして、ピッチャーだけではなく、二刀流として代打でも勝利に貢献した打撃力も誇る万能選手だ。
試合開始直後から、両先発投手がアウトを重ね合う投手戦となった。
2回裏無死から戸田中央の4番・坂本 結愛選手がショートへの打球が内野安打となり出塁するが、続く5番・”推しのソ” の糟谷 舞乃選手がショートフライ、 6番・武富 沙耶選手はショートゴロで6−4−3のダブルプレー。田内投手は簡単に得点圏へ走者を進ませない。
対する日立も3回表2死から、9番・杉浦 穂華選手が三塁線を抜ける2ベースヒットでチーム初安打を放つと、1番・藤森 捺未選手が四球を選び、2死一、二塁とチャンスを広げる。続く2番・平田 唯花選手の強烈なピッチャー返しがイーナン投手のグローブを弾き、2死ながらも満塁とこの試合初めてのチャンスを作った。しかし、イーナン投手が3番・”推しのソ” 杉本 梨緒選手をショートフライに打ち取り、無得点で切り抜けて戸田中央も先制点を簡単には与えない。
チームを支え続けたベテランの勝負強さ
終盤まで投手戦となるかと思われた4回裏、ついに戸田中央の打線が爆発した。1死から3番・山口 みどり選手が四球で出塁すると、続く4番・坂本選手が右中間を破る2ベースヒットを放ち、更に1死二、三塁とチャンスを広げた。
先制のチャンスに回ってきたのは、戸田中央の頼れるキャプテン、5番・”推しのソ” 糟谷選手。日立の田内投手も厳しいコースに投げ込んでいるが、3ボール1ストライクのバッティングカウントとなった5球目を糟谷選手が狙い撃ち。レフトへ大きい打球が飛んだ。