ワールドカップに向けて新たな力の台頭に期待
課題は山積みだが、ポジティブな面もあった。ジョーンズHCが「今年、新たに20人もの選手が日本代表のキャップを手に入れた。そして、そのうちの何人かは、日本代表の主力選手に成長すると確信している」と話したように、多くの選手が日本代表デビューを飾った1年にもなった。
最終戦はケガで出場しなかったが、昨季、東芝ブレイブルーパス東京の優勝に貢献したHO(フッカー)原田衛は10試合に出場し、副キャプテンも務めた。横浜キヤノンイーグルスのPR(プロップ)岡部崇人は8試合、クボタスピアーズ船橋・東京ベイのPR為房慶次朗は10試合、SH(スクラムハーフ)藤原忍も10試合、「日本で一番のフルバック」と指揮官が評する早稲田大学2年のFB(フルバック)矢崎由高はニュージーランド・オールブラックス戦も出場し、5キャップを重ねた。
ジョーンズHCは「為房はクボタで5キャップだが、日本代表で10キャップ。彼は2027年ワールドカップまでに、40キャップを積み重ねているだろう。私たちは将来のために多大な投資を行っている。もちろん、皆さんは結果にがっかりしているだろうし、私もがっかりしている」。
「ただ、私たちは未来に投資しなければならない。なぜなら、2023年のワールドカップでは、日本代表が全チームの中で最年長だった。だからチームを入れ替えなければならず、若い選手を起用することにも痛みが伴う。しかし、私たちはその痛みに耐えてプレーしている。それは未来のために大規模な投資を行っている」と話して、若手を積極的に器用していることの理解を求めた。
日本代表選手の次の舞台はリーグワン
来年の日本代表スコッドは、今年の選手をベースとなるのかと聞いてみると、ジョーンズHCは、「日本代表の選手たちにとって次のステップは、リーグワン(12月21日開幕)。まず、各チームで試合のメンバーに選ばれ、世界中の優れた選手たちのように、一貫したプレーを見せなければならない」。
「来年は、今年のチームをベースにしたいと考えているが、選手たちに期待しているのは、毎週テストマッチのような激しさで、リーグワンに臨むこと。より良い習慣を身につけることができれば、チームはより早く成長できる」と答えた。
「今が最も重要な時期だ」というジョーンズHCは、今年1年を振り返って「試合の結果については非常に残念。確かに、世界のトップ4カ国との間には大きなギャップがある。それを埋めるためには、私たちはただひたすら努力を続けるしかない」。
「そして、私たちをそこに導いてくれるのはハードワーク、忍耐、そして一貫性とセレクション。ヨーロッパのラグビーのレベルを見れば、激しいブレイクダウンや、ボールの空中戦における強烈な競り合いなど、改善すべきスキルがすべてわかるだろう。私は今後3年間でそれを実現できると確信している」と語気を強めた。
「超速ラグビー」をコンセプトに掲げているエディー・ジャパン。来年に向けてどんなラグビーをしたいか聞くと、ジョーンズHCは「スタートは素早く、フィニッシュは力強く。中盤ではテンポをコントロールし、9番や10番のキック、ディフェンスではボールへのプレッシャーを強め、ジャッカルを駆使したい。現時点では日本代表に本当に天性のジャッカラーは姫野和樹しかいない。そのスキルも選手たちと一緒に伸ばしていかなければならない」と説明した。
ジョーンズHCは「私たちは他の誰かになりたいとは思っていない。困難な状況に立ち向かい、Be JAPAN(日本代表らしく)いきましょう!」とも話した。2027年ワールドカップを見据えて、名将の「我々、日本代表は世界一のアタッキングチームになりたい」という信念は揺らぐことはない。来年こそはアタックを改善しつつ、ディフェンスも整備して、世界の強豪から白星を奪いたい。
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