アスリートが地元掛川を紹介! 「掛川城をバックに戦国武将の気分を味わう」遠州掛川鎧屋

アスリートが地元掛川を紹介!

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2024年に入って、まず世間を驚かせたのは、女子マラソンの日本新記録といえるだろう。1月28日行われた大阪国際女子マラソンを、前田穂南が2時間18分59秒で優勝。野口みずきが2005年に樹立した2時間19分12秒の日本記録(=アジア記録)を更新したのだ。長く停滞傾向にあった女子マラソンの記録が、19年ぶりに動きを見せた瞬間だった。

09: 女子マラソンで19年ぶりとなる日本新記録をマークした前田穂南-児玉育美撮影

男女やり投を除くと、世界と戦うには少し距離があるとされてきた投てき種目でも、飛躍の弾みとなる日本新記録が誕生している。まず、3月に女子ハンマー投で、マッカーサージョイアイリスが、日本人初の70m台となる70m51をマークして自身の日本記録を更新。8月には女子円盤投で日本記録保持者の郡菜々佳が、60mオーバーを達成する60m72を投げ、自身の記録を塗り替えた。

郡菜々佳は、女子円盤投で日本人女子初の60mスロワーとなった-児玉育美撮影

さらに、8月末には男子砲丸投で奥村仁志が19m09の日本記録を樹立。シニア規格の砲丸投で日本人初の19mプッターとなった。どの種目においても、「壁」を突き破る者が現れたことで、それに続く選手が増えることが期待できそうだ。

故郷で開催されるアスリートナイトゲームスin福井で、19m09の日本新記録を樹立した奥村仁志-児玉育美撮影

もう2人、これまで誰もがなかなか越えられなかった「壁」を軽々とクリアした選手を紹介しよう。それは、男子800mの落合晃と女子800mの久保凜の2人。落合は滋賀学園高校の3年生、久保は東大阪大敬愛高校の2年生。そう、どちらも高校生アスリートだ。

2人は、春先から”日本グランプリシリーズ”において、U20日本記録(落合)やU18日本記録(久保)を連発し、シニア選手を押さえる快走で注目を集めていたが、6月末に五輪選考競技会として、新潟で開催された日本選手権では、ともに高校生ながら日本一の座を獲得。

その勢いは収まらず、久保は7月に日本人女子として初めて2分を切る1分59秒93の日本新記録(U20日本記録、U18日本記録)を、落合はインターハイ決勝において日本人で初めて1分44秒台に突入とする1分44秒80の日本新記録(U20日本記録)を樹立したのだ。

高校2年生にして、800mで日本人女子初の1分台突入を果たした久保凜。並みいる強豪を抑え、日本チャンピオンの座も手に入れた-児玉育美撮影

記録に対して良い意味で恐れを知らずに挑めた軽やかさが、この大きな飛躍を実現させたといえそうな快進撃であった。そして8月末には、2人はリマ(ペルー)で開催されたU20世界選手権に出場し、落合は銅メダル、久保は6位という成績を残した。

日本陸連アスレティックス・アワードでは、揃って新人賞を受賞。制服姿でステージに立った2人は、少し緊張した様子を見せながらも、「来年は東京で世界陸上が行われるので、そこでメダルや入賞を目指して頑張っていきたいと思っています」(落合)。「来年には東京で世界陸上が開催されるので、日の丸を背負って戦うことができるように、日々精進してまいります」(久保)と、頼もしい言葉とともに受賞の喜びを語ってくれた。

男子800mで1分44秒80の日本記録を樹立した落合晃-児玉育美撮影

2025年の日本陸上界は、9月13~21日に、東京・国立競技場をメイン会場として、世界選手権が予定されている。日本での世界選手権は、2007年の大阪大会以来18年ぶり、東京での開催は1991年以来、実に34年ぶりの開催だ。トップアスリートたちは、世界選手権での活躍を期して、まずは出場権獲得を目指した戦いに挑んでいくことになる。

過去最高といえる躍進を残した2024年を終えて、新たな年、さらに誰が、どんな飛躍を見せてくれるかを楽しみにしたい。

■記者プロフィール
児玉 育美
フリーランスライター、エディター、ときどきフォトグラファー。陸上競技マガジン元編集長。東京女子体育大学卒業後、ベースボール・マガジン社で『陸上競技マガジン』の編集業務に携わったほか、スポーツ書籍の編集、トレーニング専門誌『陸上競技クリニック』の創刊・編集などに従事。フリーランスとなってからは、日本陸連オフィシャルライターをはじめとして、陸上競技の取材・撮影、執筆、編集業務をメインとした活動に取り組んでいる。
≫「X」アカウント https://twitter.com/ikumik6
≫「Instagram」アカウント https://www.instagram.com/exp.kodama/?hl=ja
アクセス
スタッド・ドゥ・フランス
  • グランダルシュ駅-RER B線 30分-スタッド・ドゥ・フランス駅-徒歩10分
Journal-ONE投稿記者-児玉 育美
取材・文:
児玉 育美( 日本 )
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