日本陸上界最大のビッグイベント
今年の日本陸上界最大のビッグイベントは、なんといっても9月に日本で開かれる”東京2025世界陸上競技選手権大会”(”世界陸上”)。実に、34年ぶりとなる東京での開催だ。
この大会での活躍を期す日本のトップ選手たちは、まずは春シーズンに組まれている主要大会に挑み、自らの力に磨きをかけていく。ここでは、4月12日からスタートしている”日本グランプリシリーズ”のうち、ゴールデンウイークに注目したい、4大会のみどころをご紹介しよう。
世界選手権出場を勝ち取る戦いが始まる
東京世界選手権の参加資格を得るためには
1 世界陸連(WA)が設定する参加標準記録(https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202411/14_111153.pdf)を突破する
2 WAワールドランキング”Road to TOKYO”(https://worldathletics.org/stats-zone/road-to/7190593)において、種目ごとに設定されたターゲットナンバー(出場枠)内に収まる
のどちらかを満たすことが必要だ。
日本における代表選考は、日本陸連が定めている選考要項に則って進められていくが、2025年シーズン開幕時点では、トラック&フィールド種目で出場が決まっているのは、前回のブダペスト大会で金メダルを獲得したことで、ワイルドカードによる出場権を得た女子やり投の”北口榛花”ただ1人。
この選考要項に基づくと、代表選考競技会として行われる日本選手権(7月4~6日)までに新たな内定者が出るとしたら、「パリオリンピック入賞者が、参加標準記録を突破した場合」である。
それに該当するのは、男子110mハードル(5位)の”村竹ラシッド“、男子3000m障害(8位)の”三浦龍司”、男子走高跳(5位)の”赤松諒一”の3選手となる。

110mハードル五輪5位の村竹。ダイヤモンドリーグ第1戦で世界選手権代表に内定した‐児玉育美撮影
ただし、このうち村竹と三浦は、4月26日に中国・厦門で開催されるWAダイヤモンドリーグ第1戦にエントリーしている。本稿を読者の皆さんがご覧になるころには、すでに代表内定者となっているかもしれない。
※村竹ラシッドが13秒14で2位、三浦龍司が8分10秒11で6位となり、世界選手権東京大会の参加標準記録を突破

3000m障害の三浦も参加標準記録を突破して世界選手権代表に内定した‐児玉育美撮影
日本選手権に向かっていくまでの大会では、「参加標準記録突破者がどれだけ出るか」「好記録・好順位を残すことで、『Road to TOKYO』の順位をどれだけ上げられるか」に注目すると面白さが増すはずだ。
日本国内の主要大会を紹介
日本国内での主要大会としては、4月12日から”日本グランプリシリーズ2025″が開幕した。今年は、東京世界選手権前の8月中旬までに全国で14大会が指定大会として参画している。
ゴールデンウイーク中に開催されるのは、以下の4大会。それぞれに注目選手が多数エントリーしており、みどころ満載だ。旅行も兼ねて、ぜひとも会場に足を運び、「生の迫力」を堪能していただきたい。
“織田記念”:役者が揃った男子100m、女子100mハードル
日本GPシリーズ第4戦:”織田記念国際陸上”
4月29日(火・祝)広島・広島広域公園陸上競技場
男子100mには、パリ五輪代表の”坂井隆一郎”と”東田旺洋”がエントリー。9秒95の日本記録保持者の”山縣亮太”、日本人最初の9秒台スプリンター”桐生祥秀”、9秒98の自己記録を持つ”小池祐貴”といった実力者や、日本代表経験を持つ”宇野勝翔”、”山本匠真”に加え、5月に中国で開催される世界リレーの日本代表に選出されている”井上直紀”、”大上直起”も名を連ねた。予選の段階から熾烈な戦いとなりそうだ。

昨年の秋シーズン、勝負強さを見せた小池(左)と躍進を印象づけた宇野。ともに織田記念男子100mにエントリー‐児玉育美撮影
女子100mハードルには、昨年12秒69の日本記録を樹立した”福部真子”と、室内シーズンに好調を示した”田中佑美”のパリ五輪セミファイナリストコンビが出場。さらに、トップ戦線での競技会出場は今季限りとすることを発表したばかりの”寺田明日香”、前日本記録保持者の”青木益未”に、”大松由季”、”清山ちさと”、”中島ひとみ”と、12秒台の記録を持つトップ7が全員出場する豪華なラインナップとなっている。

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