東京駅前、丸の内で行われた陸上イベント
ニッポンの玄関口である”東京駅”と、ニッポンの象徴ともいえる”皇居”とを繋ぐ東京・丸の内の”行幸通り”は、日本人だけでなく、海外からやってくる観光客にも知られる屈指の映えスポット。
ゴールデンウイーク明けの最初の日曜日となった5月11日、夜が明けると、その行幸通りにいきなり陸上トラックが出現し、あるスポーツイベントが開催された。
イベントのメインは、30m走タイムトライアル。わずか5~6秒前後の、あっという間に終わってしまう1回限りの挑戦のためだけに、小学生から60代まで220人がエントリー。
スポーツ界からは陸上だけでなく、野球、サッカー、バスケットボール、ハンドボール、ラグビーなど11競技で活躍する、あるいは活躍したトップアスリート68人が集結し、足の速さを競った。
今回は、日本陸上競技連盟が新たに立ち上げたスポーツイベント”SPEED STAR 30m Dash Challenge”の模様をご紹介しよう。

イベントは、東京駅前の行幸通りで開催。「ただ30mを競走するだけ」に多くの人が魅了された‐児玉育美撮影
「陸上を通じて、日本の未来を明るく、元気にしていこう」
日本陸連は、「陸上でスポーツ界、ニッポンを変えていく」をスローガンとする「RIKUJO JAPAN」( https://www.jaaf.or.jp/rikujo-japan/ )を2024年度に立ち上げた。
これは、「走る・跳ぶ・投げる・歩く」を軸とする陸上競技の特性が、あらゆるスポーツの基盤となること、さらには人々の健康促進や地域活性化など社会全体にも良い影響を与えられることから、「陸上を通じて、日本の未来を明るく、元気にしていこう」とするプロジェクト。
2040年に世界トップ3となることを期す「国際競技力の向上」とともに、「ウェルネス陸上の実現」をミッションに掲げ、2040年には、年代を問わず誰もが気軽に、街中で陸上を楽しめるような社会にしていくことを目指している。

原点は「かけっこ」。「人生に、全力疾走を」が「SPEED STAR 30m Dash Challenge」のテーマだ‐児玉育美撮影
『SPEED STAR 30m Dash Challenge』は、そのフラッグシップイベント。誰もが子どものころに経験したことがあるであろう「かけっこ」遊びを原点に、30mという短い距離のタイムを競う機会をつくることによって、かけっこで風を切って走ったときの心地よさを多くの人に楽しんでもらおうと、新たに誕生した。
第1回大会は、初夏を感じさせる快晴に恵まれた5月11日(日)、東京・丸の内の行幸通りで、午前11時からスタート。オープニングでは、スペシャルゲストとして招かれた2008年北京オリンピック男子4×100mリレー銀メダリストの朝原宣治さんと塚原直貴さんが登壇し、「今日1日、みんなで一緒に楽しんでいきましょう!」と会場を盛り上げた。

スペシャルゲストを務めた朝原宣治さん(左)と塚原直貴さんの北京五輪銀メダリストコンビ‐児玉育美撮影
ビジネスマンや子どもたちが丸の内を全力疾走
会場には、全天候型ウレタン走路が敷かれたAフィールドと、青色の人工芝走路が敷かれたBフィールドが設営。「30m最速=SPEED STAR」に挑む「タイムトライアル」はAフィールドで行われ、今回は、「企業別タイムトライアル」「一般タイムトライアル」「スポーツ別タイムトライアル」の3部門が実施された。
最初に行われたのは企業別タイムトライアル。会場となった丸の内に勤める企業を中心として募集を行い、15社から17チームが参加した。3~4人で1つのチームを組み、各自がタイムトライアルに挑戦。チーム内上位3選手の合計タイムで企業別のトップを競うとともに、最も速かった人物を決定する仕組みだ。
各チームともに、日常では行幸通りを歩くときの「戦闘服」であろうビジネススースを脱ぎ捨て、カラフルなスポーツウエアを身にまとって登場。職場で培ったチームワークの良さを見せて、互いを応援しあい、30mダッシュに取り組んだ。

企業別タイムトライアルには、丸の内に務めるビジネスマンたちが健脚を競った‐児玉育美撮影

≫「X」アカウント https://twitter.com/ikumik6
≫「Instagram」アカウント https://www.instagram.com/exp.kodama/?hl=ja