アスリートが地元掛川を紹介! 「掛川城をバックに戦国武将の気分を味わう」遠州掛川鎧屋

アスリートが地元掛川を紹介!

スポーツ別タイムトライアルには、現役・OB/OG含めてスポーツ各界の名アスリートが大集結‐児玉育美撮影
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ここでは最低人数の3人に満たないチームが出たことを知り、オリンピック女子マラソンで2大会連続(1992年・1996年)のメダル獲得を果たし、現在は日本陸連の副会長を務めている有森裕子さんが助っ人を買って出る場面も。有森さんは、専門からすれば「超」短距離にもかかわらず、颯爽と30mを駆け抜け、会場から大きな拍手を集めた。

続いて行われた「一般タイムトライアル」は、小学生を低学年と高学年に分けて実施。どちらもBフィールドで朝原さんが講師を務めて実施した「キッズかけっこクリニック」のあとにトライアルできるようなタイムテーブルが組まれ、各40人、計80人の子どもたちが、家族の見守るなかで30mダッシュに挑戦した。

低学年の部では、5秒80をマークした小学3年生の「こうたろう」くんがランキングトップに。また、高学年の部では、5年生の「りょうすけ」くんと6年生の「ゆい」ちゃんがともに5秒43のトップタイムをマークして、2人のチャンピオンが誕生。

朝原さんらが指導にあたったキッズかけっこクリニックには、全80名の小学生が参加し、大いに盛り上がった‐児玉育美撮影

朝原さんらが指導にあたったキッズかけっこクリニックには、全80名の小学生が参加し、大いに盛り上がった‐児玉育美撮影

終了後、ステージで行われた表彰式では、塚原さんからゴールデンバトンとチャンピオンフラッグが贈られ、会場からは温かな称賛が寄せられた。子どもたちは、全員での記念撮影のあと、それぞれに観覧エリアで見守っていた家族の元へ。笑顔で迎え入れ、ハイタッチやハグ、頭をなでるなどのスキンシップを受けながら、その頑張りを褒める両親からの称賛に、うれしそうな表情で応える姿が各所で見られた。

小学生が参加した一般タイムトライアル。観覧エリアからは家族が熱く応援する‐児玉育美撮影

小学生が参加した一般タイムトライアル。観覧エリアからは家族が熱く応援する‐児玉育美撮影

11競技のトップアスリートが30mダッシュに挑む

最後に行われたのは、この日のメインイベントとも呼べる「スポーツ別タイムトライアル」。陸上を含めて、さまざまなスポーツ界の現役・元トップアスリートたちが参加して、30mダッシュのスピードを競おうというもの。

なんと、アイスホッケー、アメリカンフットボール、ゴルフ、サッカー、スポーツクライミング、チアリーダーズ、3×3バスケットボール、ハンドボール、7人制ラグビー、野球、陸上競技の11競技で、単独・混合含めて全17チームがエントリー。

各界から参上した人気選手のダッシュに、注目が集まった。写真は、サッカー元日本代表の坪井慶介さん‐児玉育美撮影

各界から参上した人気選手のダッシュに、注目が集まった。写真は、サッカー元日本代表の坪井慶介さん‐児玉育美撮影

元プロ野球盗塁王の金子侑司さんや、元サッカー日本代表の岡野雅行さんや坪井慶介さん、東京オリンピック7人制ラグビー日本代表の加納遼大選手といった著名プレイヤーをはじめ、各界でエースとして活躍する現役トップアスリートが多数参加したほか、年長組には、プロ野球で黄金期の西武ライオンズを率いた石毛宏典さん、サッカー元日本代表で人気解説者の松木安太郎さんの姿も。

陸上界からも、スペシャルゲストの塚原さんを筆頭に、2016年リオ五輪男子50km競歩銀メダリストの荒井広宙さん、マルチスプリンターとして知られたオリンピアンの高瀬慧さん、2012年ロンドン五輪代表の高橋萌木子さんと土井杏南選手、2022年ブラジルデフリンピック男子100m金メダリストで、今年の秋に東京で初めて開催されるデフオリンピックでの連覇も期待される佐々木琢磨選手など豪華な顔ぶれが揃い、実に、中学生から60代までの幅広い年代の名アスリートがずらりと並ぶラインナップが実現した。

さらに、観覧エリアには、それぞれの競技を日ごろから応援するファンや支える関係者も大集合。各競技のユニフォームを身にまとって入場してきたアスリートたちに、大きな声援が寄せられた。

「異種格闘技戦」で陸上競技が敗れる波乱

メダリストも含む68名で競われた、異種格闘技のような戦いを制したのは、陸上スプリンターではなく、スポーツクライミング界の新鋭だった。スピードクライミングを専門とし、今年2月に同ジャパンカップで初優勝を果たしたばかりの藤野柊斗選手が、会場をどよめかせる4秒15の好タイムを叩きだし、そのあとトライアルに挑んだ塚原・高瀬という元トップスプリンターの逆転を許さず、初代「SPEED STAR」の称号を手にしたのだ。

表彰式でプレゼンターを務めた朝原さんから、ゴールデンバトンとチャンピオンフラッグが授与された藤野選手は、「普段は『壁』を走っているけれど、今回は『地上』を走るということでけっこう緊張していた。いいスタートが切れたと感じたが、こんなに速いタイムが出せるとは思っていなかったので、自分が一番驚いている。機会があれば、ぜひまた参加できれば…。ディフェンディングチャンピオンとして臨むとともに、3秒台に挑戦したい」と笑顔。

■記者プロフィール
児玉 育美
フリーランスライター、エディター、ときどきフォトグラファー。陸上競技マガジン元編集長。東京女子体育大学卒業後、ベースボール・マガジン社で『陸上競技マガジン』の編集業務に携わったほか、スポーツ書籍の編集、トレーニング専門誌『陸上競技クリニック』の創刊・編集などに従事。フリーランスとなってからは、日本陸連オフィシャルライターをはじめとして、陸上競技の取材・撮影、執筆、編集業務をメインとした活動に取り組んでいる。
≫「X」アカウント https://twitter.com/ikumik6
≫「Instagram」アカウント https://www.instagram.com/exp.kodama/?hl=ja
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東京駅丸の内駅前広場
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Journal-ONE投稿記者-児玉 育美
取材・文:
児玉 育美( 日本 )
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