[ソフト] Diamond Series 準決勝2 -トヨタ vs 豊田自動織機

昨シーズンの好カード再び

2022年11月12日、千葉県のZOZOマリンスタジアムで行われた女子ソフトボールの国内トップリーグ・JDリーグの初代女王を決めるポストシーズン “ダイヤモンドシリーズ” の準決勝。

アメリカソフトボール界のレジェンド・モニカ・アボット（Monica ABBOTT）投手、日本代表のエース・後藤希友投手を擁する “トヨタレッドテリアーズ” と、東京2020メキシコ代表・ダラス・エスコベド（Dallas ESCOBEDO）投手を擁する “豊田自動織機シャイニングベガ” の試合は、7回まで両チーム無得点。オリンピックの決勝ラウンドを観ているかのような緊張感に包まれたこの試合は、延長8回に大平あい選手が放った値千金のツーランホームランでシャイニングベガが勝利しました。

それから1年、埼玉県朝霞市の朝霞中央公園野球場に舞台を移したダイヤモンドシリーズ準決勝の2試合目。奇しくも同じチーム同士が激突! レッドテリアーズのリベンジなるか? シャイニングベガが再び決勝へのキップを手にするのか? 注目の一戦を前に、両チームの応援席はほぼ満員となりました。

成長した役者たちが躍動 -序盤

レッドテリアーズの先発は大方の予想に反し、今シーズン後半戦からチームに加入した後藤投手と同級生のMegan FARAIMO（メーガン・ファライモ）投手でした。

昨年8月に開催された、”日米対抗ソフトボール2022” で来日してその豪腕を披露していたメーガン投手は、昨シーズン限りで引退したアボット投手の抜けたピースにしっかりとはまり、この日先発の大役を託されます。

午後から肌寒い空気がスタジアムを包み込みますが、初回から寒風を吹き飛ばすエンジン全開の投球を披露するメーガン投手。先頭の須藤志歩選手を外の直球で三振に切って取ると、グラブをバンバン叩き雄叫びを上げて自らを鼓舞します。

この闘志に負けじと、続く2番・大平あい選手がレフトに技ありのヒットを放ちますが、3番・佐藤友香選手も三振に切って取ったメーガン投手。その闘志に応えるべく、4番・田井亜加音選手の打席で盗塁を試みる大平選手に、切石結女捕手がドンピシャのストライク送球で盗塁を阻止! レッドテリアーズが守備でリズムを作ります。

一方のシャイニングベガも、「ここまで来たら隠すことはない。」と話していた永吉慎一監督の宣言どおり、ダラス投手がマウンドに上がります。先週のプレーオフでは不安定な立ち上がりを責められ、デンソーに先制点を許したダラス投手でしたが、先頭の西地区首位打者・石川恭子選手を投ゴロに打ち取り、2番のキャプテン・鎌田優希選手を迎えます。

ファールで粘る鎌田選手は、セカンド須藤選手の左を鋭く破る打球を放ち両チーム最初のヒット! 打球が右中間の最深部へ到達する間に迷わず二塁を回る鎌田選手に対し、ライト・福重さくら選手、セカンド・須藤選手へと渡る一本の糸のような送球がサード・大平選手のグラブに収まりタッチアウト‼ 夏の合宿で鍛えた守備がダラス投手を援護し、シャイニングベガも守備でリズムを作ります。

試合が動いたのは2回でした。シャイニングベガは、前の試合で値千金の決勝スリーベースを放った森山春菜選手が四球を選ぶと、続く福重さくら選手がセンターへヒットを放ち。2死一、二塁と先制のチャンスを作ります。

打席にはこれまた先週のタイムリースリーベースで調子上向きな竹中真海選手。早速仕掛ける永吉監督は、渡辺すい選手、野上あすか選手を代走に送り、レッドテリアーズバッテリーにプレッシャーをかけていきます。走るぞ! 走るぞ! と大きく離塁する渡辺選手を警戒する切石選手は、落ち着いてメーガン投手をリードして竹中選手を外の直球で三振に仕留めてピンチを脱しました。

するとその裏、今シーズンの成長著しい本塁打王・下山絵理選手が、打った瞬間それと分かる左中間への特大ソロホームラン! 更に2死からは切石選手がレフト・森山選手がフェンスに激突する闘志を見せるもその頭上を越えるソロホームラン!! LA2028で日本代表の要となる若い役者の一発攻勢で2点を先制しました。