高校ラグビーの聖地”花園”
スポーツライターになってから20年以上に渡り、毎冬恒例となっているのが”花園”取材だ。”花園”とは、大阪の”東大阪市花園ラグビー場”で年末年始に開催される、高校ラグビーの日本一を決める”全国高校ラグビー大会”の通称だ。

年末年始に行われる全国高校ラグビー大会の看板-斉藤健仁撮影
この年末年始も、12月27日から全国の都道府県予選を勝ち抜いた51校(東京、北海道が2校、大阪は2校+開催地枠で計3校)が出場して、第104回の大会が行われ、熱戦が繰り広げられた。決勝は桐蔭学園(神奈川)が東海大大阪仰星(大阪第2)を下し、2大会連続5度目の栄冠に輝いた。
花園ラグビー場の玄関口
今回はそんな”花園”が毎年開催される”花園ラグビー場”を紹介したい。場所は大阪東部のベッドタウン・東大阪市にあり、”東大阪市花園中央公園”に隣接している。最寄り駅は2つあり、近鉄けいはんな線の”吉田駅”(よした)からも徒歩15分くらいだが、近鉄奈良線”東花園駅”からは徒歩8分ほどと近い。

東花園駅壁面のラグビーボール-斉藤健仁撮影
東花園駅は大阪の有数の繁華街”ミナミ”の中心”難波駅”から、各駅電車や準急で20分前後であり、多くのファンは東花園駅を利用している。
その東花園駅に着くと、まず目にするのは花園ラグビー場をホストスタジアムとして使用しているリーグワン所属”花園近鉄ライナーズ”のエンブレムやロゴだ。現在はディビジョン2で戦っているが、古豪として知られており、日本代表や元オーストラリア代表選手が在籍しており、今季はディビジョン1再昇格を目指して戦っている。

東花園駅構内には花園近鉄ライナーズを応援する装飾がたくさん-斉藤健仁撮影
改札を出て駅の外観を見ると「東花園駅」と駅名が書かれた横には、大きなラグビーボールが見える。さらにロータリーの向こう側には、一際大きな”トライくん”が設置されている。みかげ石製で、重量は3トンにおよぶ力作だ。なお、東大阪市のマスコットキャラクターである「トライくん」は」東大阪市が「ラグビーのまち」を表明したことがきっかけで誕生した「高校ラガーに憧れる永遠の少年」とのこと。

東大阪市マスコットキャラクター”トライくん”がお出迎え-斉藤健仁撮影
心躍るスクラムロード
駅前にはたこ焼き屋さんがあり、大阪らしさを感じられる。そしてロータリーを左手に、うなぎの「豊川」の前の信号を1つ渡ったところにあり、花園ラグビー場までまっすぐ400mの道が”スクラムロード花園”だ。473名の応募作の中から決定したという。
スクラムロード花園の両脇にある電柱には花園の歴代優勝校がジャージーとともに書かれており、マンホールの蓋もラグビー仕様と、ラグビー観戦に行く気持ちを盛り上げてくれる。ちなみに駅前にある”グリーン大阪農業協同組合”の視点の名前は”花園ラグビー支店”となっている。

ワールドカップ開催を伝えるマンホール-斉藤健仁撮影
さらにスクラムロード花園にはたこ焼き屋さん、ラーメン屋さんなど飲食店が並ぶが、特にオススメなのはパン屋”チェリーストーン”さんと、老舗の和菓子店”菓心庵 絹屋“さん。1987年創業のチェリストーンさんは、ライナーズの選手も「チェリス」と呼んで足を運ぶ。ラグビーボールの形に似た 花園黒カレーパン(税込み240円)をはじめ、約80種類のパンを取り揃えている。

スクラムロードに店を構えるパン屋・チェリーストーン-斉藤健仁撮影
1966年創業の菓心庵 絹屋さんの人気は、何と言ってもラグビーボール型の”花ラグ饅頭”(5個入り税込み864円)。我が町が誇る花園ラグビー場に思いを馳せ、人と人との和をとりもつことができればと開発された”花ラグ饅頭”は、ラグビー場の芝生のグラウンドをイメージしたうぐいす餡を身体に優しくコクのある沖縄産黒糖と国産小麦を使った生地で包みラグビーボール型を押して焼き上げた他にはない和菓子。聖地巡礼のお土産として多くの観戦客に親しまれている。

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