交流戦2節目で実現した好カード
NTTジャパンラグビーリーグワン(以下、リーグワン)のディビジョン1は、第5節までに6チームごとに分かれたカンファレンス内での対戦一巡目が修了。第6節から他カンファレンスとの交流戦に入っている。
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ここまで6勝無敗の埼玉WK-JournalーONE撮影
交流戦2節目となる2月8日-9日に行われた第7節では、昨季のプレーオフトーナメントファイナルを制した東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)と、準優勝の埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)が直接対決。しかも、ここまで埼玉WKは6戦全勝で首位、BL東京は5勝1敗の2位という両チームがぶつかる天王山だ。
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前年王者・BL東京は5勝1敗の2位につける-JournalーONE撮影
「昨季ファイナルの再戦」という超好カードが実現した快晴の熊谷スポーツ文化公園ラグビー場(埼玉県)には、11,051人の両チームファンが詰めかけ、試合前から思い思いの時間を過ごしていた。
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1万人を超えるファンが集まった熊谷公園ラグビー場-JournalーONE撮影
注目の早大主将が早くもメンバー入り
1月13日(月)にラグビー全国大学選手権の決勝が終了し、リーグワンでは早くも大学ラクビーを席巻した選手たちの“アーリーエントリー”が始まっている。
“アーリーエントリー”とは、大学チームに所属している最終学年の選手たちの早期出場登録制度のこと。大学選手権決勝終了後、所属内定チームの公式戦にエントリーできる仕組みで、今シーズンで三回目となる。
大学選手権で4連覇を果たした王者・帝京大学からは、キャプテンの青木恵斗選手、副将の李錦寿選手、本橋拓馬選手をはじめ、最多となる9選手がエントリーした。
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早大主将の佐藤健次選手(埼玉WK)がリーグワン初キャップ-JournalーONE撮影
将来を嘱望されている新入団選手たちだが、この天王山で誰よりも早くメンバーに名を連ねた選手がいる。埼玉WKのリザーブ、今春早稲田大学を卒業するHO(フッカー)の佐藤健次選手だ。
昨季リーグワン決勝の再来となる激闘必至の対戦において、アーリーエントリーの佐藤選手の出番はあるのか?どういったプレーを見せてくれるのか?こちらにも注目が集まる試合となった。
両チームの攻守が光った前半
埼玉WKのキックオフで始まった決戦。強い風を受ける風下ながらも太陽を背にする陣地からボールを高く蹴り上げると、鮮やかなブルーのジャージーが一直線に落下点に向かっていった。
最初のBL東京ラインアウトをインターセプトした埼玉WKは、敵陣22mラインからチャンスを掴んでアタックを重ねる。そして2分、この攻撃からペナルティを得た埼玉WKは、PG(ペナルティゴール)をSO(スタンドオフ)山沢京平選手が決めて3-0と先制点を奪う。
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山沢京平選手のPGで埼玉WKが先制点を挙げる-JournalーONE撮影
追うBL東京も直後の5分、敵陣22mラインからファーストスクラムを得ると、ゴール手前5mまで攻め込みスクラムとなる。このスクラムから出たボールをスイッチしながらパスを受けたのは、SOのRichie Mo’unga(リッチー・モウンガ)選手。オールブラックス(ニュージーランド代表)・モウンガ選手は、華麗なステップでディフェンスをすり抜けてトライ。G(ゴール)も決めて3-7と逆転に成功した。
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リッチー・モウンガ選手のトライでBL東京が逆転-JournalーONE撮影
反撃したい埼玉WKは10分、南アフリカ代表のLO(ロック)Lood de Jager(ルード・デヤハー)選手、日本代表のFL(フランカー)Ben Gunter(ベン・ガンター)選手とPR(プロップ)の稲垣啓太選手のアタックで突破を狙うが、BL東京のディフェンスが堅い。強烈なタックルに思わずノックオン。BL東京がディフェンスでモメンタムを渡さない。