ルード・デヤハー選手の突進を止めるBL東京ディフェンス-JournalｰONE撮影

すると埼玉WKは19分、風下から低いキックで陣地を稼ぐ作戦に。自陣22mラインから一気に敵トライライン前10mまで攻め込んでペナルティを獲得した。これをSO山沢選手がPGを決めて6-7と一点差に迫った。

ここからは天王山に相応しい見応えある攻防が続く。埼玉WKのWTB（ウィング）長田智希選手が素早いボールへのコンタクトを見せてトライチャンスを狙えば、BL東京もLOの伊藤鐘平選手、日本代表のNo8リーチマイケル選手も素早いタックルでそれを許さない。

快足・長田選手の突破を許さないBL東京-JournalｰONE撮影

BL東京も28分、クリアキックをブロックして敵陣トライライン5m前のスクラムを獲得。絶好の追加点チャンスを得るも、今度は埼玉WKが落ち着いたディフェンスを見せて陣地を戻す。

強い風や太陽光、乾燥した空気という難しい条件の中、一瞬のボールハンドリングやパスのミスが、一気に形勢を逆転させそうな緊張感ある展開が続く。しかし、双方の選手たちの攻守にわたる高い能力がこの見応えある試合展開を創っていく。

しかし30分、埼玉WKは敵ゴールライン10m前のラインアウトから連続アタック。デヤハー選手、CTBの日本代表・Dylan Riley（ディラン・ライリー）選手、稲垣選手がアタックを見せるも、リーチ選手をはじめBL東京のディフェンス陣が強烈なタックルで行く手を阻む。

稲垣選手の突破もBL東京のディフェンスに阻まれた-JournalｰONE撮影

しかし、この連続攻撃でペナルティを得た埼玉WKは、怪我で一時退場した山沢選手に代わりWTB竹山晃暉選手がしっかりとPGを決めて9-7と逆転に成功する。

さらに、キックオフのボールを捕った埼玉WKは、オーストラリア代表のCTB・Damian de Allende（ダミアン・デアレンテ）選手の突破から交代したばかりのVince Aso（ヴィンス・アソ）選手にボールを繋いで電光石火のトライ。竹山選手のGも決まって16-7と一気にBL東京を突き放した。

膠着状態を打破したヴィンス・アソ選手（埼玉WK）のトライ-JournalｰONE撮影

最初から最後まで息をつかせぬ後半

後半は立ち上がり早々から埼玉WKが猛烈なアタックを見せる。稲垣選手、デヤハー選手を起点に3分余りの連続攻撃で敵ゴールライン5m前まで攻め込む。しかし、粘るBL東京はこの攻撃を凌ぐと、二度のパスカットからターンオーバーするも、惜しくもノックオンで反撃のチャンスを逃す。

後半開始早々から激しい攻防を見せる埼玉WKとBL東京-JournalｰONE撮影

この間わずかに5分間。猛烈なアタックとディフェンスが繰り返される展開に会場は盛り上がり、両チームの選手たちの息づかいも一気に激しくなった。

規律を守ってアタックを防ぎ続けたBL東京は9分、モウンガ選手が自陣深くから一気に敵ゴールライン5m前まで攻め込むと、ボールを受けたCTBのSeta Tamanivalu（セタ・タマニバル）選手がゴール中央にトライ。FB（フルバック）松永拓朗選手のGも決まって16-14と一気に迫る。

BL東京はセタ・タマニバル選手のトライで追いすがる-JournalｰONE撮影

モメンタムを失うものかと埼玉WKは、フロントローを稲垣選手からCraig Millar（クレイグ・ミラー）選手、藤井選手からヴァルアサエリ愛選手とフレッシュな日本代表コンビを投入。

しかし19分、FBの野口竜司選手がイエローで15分の退場となるとBL東京が反撃に転じる。自陣22mラインからタマニバル選手からWTBの日本代表Jone Naikabula（ジョネ・ナイカブラ）選手にパスを繋ぐと、一気に抜け出したナイカブラ選手がトライ！