卒業旅行真っ盛りの三連休
年末年始の忙しさから少し解放された2月下旬、「そろそろ旅行でも」と衝動に駆られる三連休がやってきた。中でも入学試験などで殆どの大学が春休みに突入していることもあり、大学生にとっては“絶好の卒業旅行連休”となる。
花園ラグビー場へ向かうため、東海道新幹線に乗り換えようと向かった東京駅の改札口を見て一瞬足がすくむ。EX予約(会員制ネット予約サービス)でサッと乗り換える“いつものイメージ”で向かった東京駅は、きっぷ売場はもちろん、自動改札機の前にも溢れんばかりの旅行者たちが殺到していた。

三連休の混雑をかき分け、たどり着いた花園ラグビー場-Journal-ONE撮影
「全ての指定席座席は満席となっております」と繰り返されるアナウンスの通り、1時間最大12本運行する“のぞみ”の指定席が完売。5分おきに出発する1,300席余りの列車が全て埋まっているのだから、その混雑具合を想像していただけるだろう。
地元で“プレーオフ圏内死守”を
ここまで3勝5敗、リーグ6位に着けているホストチームのコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)。第2節で横浜キヤノンイーグルスに競り勝つも、昨シーズン王者・東芝ブレイブルーパス東京、東京サンゴリアス、クボタスピアーズ船橋・東京ベイといったプレーオフ進出の常連チームに一歩及ばず。

地元関西の声援を背に神戸Sフィフティーンが登場-Journal-ONE撮影
プレシーズンマッチで負傷した具智元選手、ベテランFB(フルバック)の山中亮平選手と、“ラグビーワールドカップ2023(ラグビーW杯2023)”で活躍したスター選手の欠場が続いている神戸S。プレーオフ進出のためにもこの試合は全員総力で勝ちきりたいところだ。
同じW杯日本代表メンバーの中で、唯一出場を続ける李承信選手、W杯2019日本代表の中島イシレリ選手といったワールドクラスのタレントに加え、今冬の全国大学ラグビーフットボール選手権でベスト4入りした京都産業大学のソロモネ・フナキ選手が”アーリーエントリー”でメンバー入り。新戦力を含めた神戸Sの勝利を願う大勢のファンが、寒風吹く聖地・花園ラグビー場に詰めかけた。

神戸Sのソロモネ・フナキ選手(左)は初キャップなるか?-Journal-ONE撮影
豪代表レジェントの加入で浮上を
“パナソニック埼玉ワイルドナイツ(以下、埼玉WK)”から日本代表のSO(スタンドオフ)松田力也選手を獲得した戦力強化がシーズン前に話題となっていたトヨタヴェルブリッツ。プレーオフ進出に向けて万全の体制で臨んだ今シーズンだったが、ここまで1勝6敗1分の10位と苦戦を強いられている。

復活が待たれるここまで1勝のトヨタV-Journal-ONE撮影
ラグビーW杯2023で日本代表のキャプテンを務めた姫野和樹選手が、第6節の埼玉WK戦から欠場して以降、直近の連敗は4に伸びている。プレーオフトーナメント出場圏内に位置する6位の神戸Sとの対戦に勝利し、上位争いに踏みとどまりたいところだ。
そんなチーム状況を打破すべく、この試合からトヨタVは“オーストラリア代表のレジェンド”を招請した。その選手の名はFL(フランカー)のMichael Hooper(マイケル・フーパー)選手。オーストラリア代表として125キャップの実績を誇り、トップリーグ時代の2021シーズン以来、4年ぶりとなるトヨタVでの復帰に上位進出の期待をかける。

トヨタの一員として4シーズンぶりに日本のピッチに立つフーパ―選手(右から2人目)-Journal-ONE撮影
ニュージーランド代表・オールブラックス124キャップのSH(スクラムハーフ)Aaron Smith(アーロン・スミス)選手との“レジェンド・プレー”が神戸Sのディフェンスを切り裂くことができるかにも注目だ。
相次ぐ負傷者でトヨタV苦戦の前半
試合前の練習で、FLのIsaiah Mapusua(アイザイア・マプスア)選手が負傷するというアクシデントに見舞われたトヨタV。パシフィックネーションズカップ2024(カナダ戦)で、日本代表初キャップを獲得した主力選手をいきなり欠いたトヨタVだったが、試合開始早々から勝利への執念を見せた。