トヨタVは34分、ハーフウェイライン付近からCTB(センター)のNicholas McCurran(ニコラス・マクカラン)選手が抜け出してトライ。Gも決まって35-7とようやく反撃の狼煙を上げるも、ラストフォーンが鳴る中、ペナルティからトヨタVトライライン5mからのラインアウトを得た神戸Sが猛攻撃。モールで押し込んでHO(フッカー)松岡賢太選手がトライを挙げると、難しい角度からのGをガットランド選手が見事に決め、スタンドから「うぉ~」と感嘆の声があがる。42-7と神戸Sが大きくリードして前半を終了した。
勢い止まらず神戸Sの攻撃光る後半
サイドが代わって風下からの攻撃となった神戸S。一方のトヨタは自陣10mラインからフーパー選手を起点にアタックを重ね、敵陣トライライン10m付近まで攻め込んでいく。

時間が経つにつれ強風で旗が激しくたなびく‐Journal-ONE撮影
この位置からスクラムを獲得したトヨタVは5分、フーパー選手、ラウタイミ選手、No8の奥井章仁選手が立て続けにアタックを重ねると、最後はSHの梁正秋選手が飛び込んでトライ。Gも決まって42-14と後半最初の得点を挙げた。
「取られたらすぐに取り返す」神戸Sのオフェンスは積極的だった。9分、ノットロールアウェイから敵陣トライライン5mからのラインアウトを得た神戸S。レタリック選手の突破からトライライン寸前まで攻め込んだ神戸Sは、最後もレタリック選手がゴール真下に飛び込んでトライ。Gも決まって49-14とすかさずトヨタVを突き放す。

神戸S・レタリック選手が密集からトライを奪う-Journal-ONE撮影
SHに入ったアーロン・スミス選手から細かいパスで繋ぐトヨタVだが、神戸Sの早いプレッシャーでボールを失うシーンが続く。攻撃で苦戦するトヨタVに対して神戸Sは15分、ハーフウェイラインからのラインアウトでアタックを続けると、ララトゥブア選手が右サイドライン一杯に飛び込んでトライ。逆風で角度ある難しいGだったが、ガットランド選手が8本連続で成功。スタンドからはどよめきに近い歓声が沸き、56-14と神戸Sが今シーズン最多得点を挙げた。
さらにこの直後、ハーフウェイライン付近での攻防でボールを奪った神戸Sが敵ゴールライン10m付近まで一気に攻める。この攻防でトヨタVのフーパー選手がイエローカードで一時退場となると、CTBのMichael Little(マイケル・リトル)選手が中央に走り込んでトライ。Gも決まって63-14と神戸Sが圧倒する展開が続く。

神戸Sはマイケル・リトル選手からもトライが生まれた-Journal-ONE撮影
残り20分となる中、ひとり少ないトヨタVもアーロン・スミス選手の早いボール出しで何とか展開を変えようとアタック。24分には、トヨタVはアーロン・スミス選手のパスワークから右へ左へと神戸Sディフェンスを揺さぶると、最後はマクカラン選手がタックルを受けながらも執念のトライ。Gも決まって63-21と諦めない。

トヨタVもマクラカン選手のトライで執念を見せた-Journal-ONE撮影
アーリーエントリーの神戸S・フナキ選手も含み、両チーム23人ずつが出場する総力戦となった残り20分間は見応えある展開となり、9,295名の観客が酔いしれる。

世界最高峰SHのスミス選手が早いバスで観客を魅了-Journal-ONE撮影
オーストラリア代表125キャップのフーパー選手、オールブラックス124キャップのアーロン・スミス選手、日本代表フィフィタ選手の素早い縦への動きを見せるトヨタVに対し、早いタックルからターンオーバーを奪い、正確なハンドリングでボールを繋ぐ神戸S。互いに持ち味ある攻撃を見せターンオーバーの連続となった展開は、点差に関係なく会場が湧き上がる中でラストフォーンが鳴った。

後半20分間の壮絶な攻防にと湧き上がるスタジアム⁻Journal-ONE撮影