キッズ用のキックターゲットは、選手のサイン色紙やボールがもらえるチャレンジ。松本山雅FCサポーターに嬉しいイベントに、山雅カラーのレプリカユニフォームを着た子どもたちが楽しそうにボールを蹴っていた。毎年GWには、山雅カラーのグリーン鯉のぼりも登場し、お祭り気分を盛り上げる。

山雅カラーの鯉のぼりが初夏の青空に映えていた-Journal-ONE撮影
県外からの観戦が多いのだろうか。サンプロアルウィンのスタジアムグルメは、信州ポーク、信州そば、ソースかつ丼など信州産の食材メニューが盛りだくさん。山雅ビールで喉を潤し、多くの観客の一人として地方遠征を存分に満喫することができた。

県外サポーターに嬉しいご当地スタジアムグルメがたくさん-Journal-ONE撮影
こういった取り組みが功を奏してか、サポーターの裾野が広がっているなと実感する。多様な観客層が集まり、J3に留まり続けてしまっている中でも11,659人もの観客数を記録して肝心の試合も盛り上がった。
美しいピッチが見やすいサンプロアルウィン
球技専用スタジアムのサンプロアルウィンは、スタンドがピッチに近いことはもちろん、ピッチより少し高い位置にあるため、サッカー観戦には最高の環境だ。
ゴール裏サポーターの盛り上がり、クラブへの情熱がチャントからも伝わってくる。ゴール裏の後段は立ち見席になっており、信州の爽やかな空気を浴びながら北アルプスを遠くに見ながらピッチをゆったりと俯瞰するのも楽しい時間だった。

美しいサンプロアルウィンのピッチビュー-Journal-ONE撮影
バックスタンド側に目を向けると、家族連れやご夫婦もみんなレプリカユニフォームとタオルマフラーを身に着け緑一色。しかも中央付近以外はゴール裏と同じホーム自由席扱いなので、ペナルティエリアライン付近のスタンド前段でもかなりリーズナブルにピッチ間近で観戦できるおススメスポットだ。
この日の対戦相手は隣県石川のツエーゲン金沢。”北信越ダービー”よろしく真っ赤な装いの多くのサポーターがアウェーエリアに集結していた。試合前、スタジアムDJから「金沢サポーターのみなさん、ようこそサンプロアルウィンへ!」とアナウンスされると、山雅ゴール裏からも歓迎の拍手が。ブーイングもほぼ無く、海外とは180度違う雰囲気に少し緊張感や熱気に物足りなさは感じるものの、逆にアットホームで誰でも安心して観戦できるJリーグの良さを改めて感じる一戦となった。

歓迎の拍手を受けたツエーゲン金沢の大応援団-Journal-ONE撮影
北信越ダービーは松本山雅の勝利
試合は序盤、アウェーの金沢がサンフレッチェ広島やガンバ大阪でも活躍した元J1・パトリックを中心にボールを支配し主導権を握る。大半を松本山雅陣内で攻勢をかけるものの前半29分、松本山雅が中盤でボールを奪取しすぐさまバックラインの裏へスルーパス。このボールを田中想来(そら)の一発で仕留めて松本山雅が先制に成功する。
一方、金沢も38分にロングボールのカウンターで得たフリーキックからコーナーキックを獲得すると、ファーサイドへ流したボールにフリーとなっていたDF長倉颯が豪快に右足を振りぬき前半終了前に試合を振り出しに戻した。
1-1で折り返した後半早いタイミングの50分、松本山雅サポーターが陣取るゴール裏正面で再び田中想来が右サイドからのクロスをファーサイドで押し込み再びリードを奪う。
その後、金沢の攻勢を受けながらもGK大内一生の好セーブもあり、そのまま2-1で松本山雅の勝利。今季初の2連勝となった。

ホーム・松本山雅が1点差を逃げ切り連勝-Journal-ONE撮影
サポーター層の広さや情熱、素晴らしい球技専用スタジアム、周辺を含めた試合開催日の雰囲気・盛り上がりに大満足となったサンプロアルウィンでの観戦取材。2011年、当時JFL止まりだったクラブに加入し、Jリーグ昇格道半ばで急逝した松田直樹のことを思い出さずにいられない。温かいサポーターと共に再びJ1に復帰し、松田へ昇格の報告をできることを祈りサンプロアルウィンを後にした。
