圧倒的な強さで決勝進出!
いよいよ “第25回 車いすラグビー日本選手権” も優勝決定戦を残すのみとなりました。
ここまで予選から全勝で勝ち進んできた “BLITZ”。その圧倒的な強さは “予選・沖縄大会” から他のチームを圧倒しています。
2024年パリパラリンピック(以下、パリパラ)での金メダル獲得が期待される日本代表のエース・池崎 大輔選手(Class3.0)と島川 慎一選手(Class3.0)という攻守の要を擁するBLITZは、同じ日本代表のローポインターである長谷川 勇基選手(Class0.5)と小川 仁士選手(Class1.0)を加えた “日本代表ライン” で試合を終始有利に進めてきました。
昨シーズン唯一のウイークポイントであった選手層も、池崎選手を始め、山村 泰史選手(2.0+)、萩野 晃一選手(Class1.0+)を補強して盤石で迎えた今シーズン。
付け入る隙がないBLITZが、第17回大会以来の優勝に向けてコート場でアップを開始しています。
2年連続決勝で狙うは“冠”!
2023年8月の “予選・東京大会” で早々に日本選手権への出場権を獲得した “TOHOKU STORMERS” は、昨年度の “第24回 車いすラグビー日本選手権大会” を上回る “王座獲得” へあと一歩まで迫ってきました。
東京2020銅メダリスト、パリパラの出場権をかけた国際大会 “2023ワールド車いすラグビー アジア・オセアニア チャンピオンシップ” では世界の強豪相手に大活躍を見せてくれた橋本 勝也選手(Class3.5)と、中町 俊耶選手(Class2.0)を筆頭に、リオデジャネイロパラリンピック(以下、リオパラ)アシスタントコーチの三阪 洋行選手(Class2.0)、同・銅メダリストの庄子 健選手(Class2.0)を擁し、東北初の日本一を目指します。
予選リーグでは47-57とBLITZに敗れたものの、決勝トーナメント準決勝では、昨年の決勝戦で涙を呑んだ “Freedom” を54-51の3点差で退け、勢いに乗っています。
両者譲らない体力勝負 -第1Q
BLITZのラインナップは、池崎選手、島川選手、長谷川選手、小川選手の “東京2020日本代表ライン” で序盤から主導権を握りに来ます。対するストーマーズも、橋本選手、中町選手の東京2020日本代表コンビに、リオパラ銅メダリストの庄子選手、横森 史也選手(Class0.5)のラインで対抗します。
ディフェンス、オフェンス共にアジリティのあるチーム同士は、試合開始早々から激しいプレッシャーを掛け合います。中でも、BLITZが誇る池崎選手と島川選手の日本代表ハイポインターコンビは世界トップクラスの攻撃力! ハイポインターが橋本選手ひとりのストーマーズがこの攻撃を止めることは至難の業です。
さらにBLITZは、島川選手がパスブロックでターンオーバーを奪ったり、橋本選手へ厳しいマークに付いたりとディフェンス面でも絶好調。徐々に点差を広げて有利に試合を進めていきました。特に、インバウンド(得点を取られたチームが、ゴールラインからボールを供給するプレー)から12秒でフロントコート(相手陣内)にボールを運ばなければターンオーバーとなるルールを活かし、インバウンドの供給場面から猛烈なプレッシャーを掛けるBLITZの “攻めのディフェンス” に得点機会を逸するストーマーズ。
それでも、中町選手から橋本選手へのノールックパスや、庄子選手をおとりにスペースを作り中町選手が素早いチェアワークですり抜けるなど、随所に連係プレーを成功させてストーマーズも食い下がりまずが、14-9と5点差をBLITZがリードして第1Qが終了しました。
試合の流れを読む戦略の妙 -第2Q
続く第2Qも第1Qと同じラインナップ。しかもここまで両チーム選手交代がない珍しい戦いに、アリーナのファンは両チームの選手たちを称える大きな拍手を送ります。
ストーマーズは、橋本選手と中町選手のコンビネーションに庄子選手が絡むことで、格段にオフェンス力が上がり得点を重ねますが、BLITZも池崎選手と島川選手の力強いコンビネーションで得点差を詰めさせません。
この展開で先に仕掛けてきたのはまたもやBLITZ! ハーフライン付近まで長谷川選手と小川選手がスルスルと出てくると、島川選手が合流してボールを運ぶ庄子選手に襲いかかり、ターンオーバーを奪いました! 「がんばれ東北!」と会場から声援が起こる中、ストーマーズも中町選手が得意のハンドリングで超ロングパスを橋本選手に通して得点! 島川選手との1対1をパワーと個人技で制した橋本選手が単独でトライに持ち込むなど、モメンタムを渡さないプレーに会場からはどよめきが起こりました。
しかし、流れがストーマーズに傾きかけるや否やBLITZもキーエリアでのゾーンディフェンスで橋本選手をブロック! 長谷川選手と島川選手が橋本選手へのパスをターンオーバーして流れを渡しません。