朝稽古もついに終盤
9日目にはお互い自由に技を掛け合う”乱取り”をしたり、自分の脇のあたりから斜めに相手を落とす”体落とし”、相手の懐に入り内側から足を刈って後ろ側へ倒す”大内刈り”。そして、柔道の技の中で1番派手でかっこいいイメージで、相手を背負い自分の肩口から投げる”背負い投げ”の姿勢や技の手順を一通り教わりました。
「皆さん、技をたくさん覚えられましたね!」と向井先生が掛けてくださった言葉に満足そうな参加者たち。
そして最終日に向井先生が「今日で最後なので今まで習得した技を使って私と岩永先生を3本技を掛けて投げてみてください。」と言いました。
そんなことがあっていいのか!と思いましたが10日間の成果を見たいという一心で、ぎこちない足技と投げ技で3本技を掛けさせてもらいました。力もスピードもないのに先生方の受け身があまりにも上手なので良い音が鳴り、自分が上手く投げたと思い込んでしまうくらい気持ちよかったです。きっとこの快感が柔道にハマる瞬間なのかなと感じました。
「柔道は日常生活に活かせるようにすることが大切です。」と最後に「オマケ」として初心に戻る言葉で締めくくるように教わったのは日常でも使える護身術。手順を教わり、これなら道で不審者に遭遇しても技を決めてその隙に逃げられそう!と護身術と自信を身につけることが出来て満足した私は笑みがこぼれました。
稽古が始まるときと同じように、全体の坐礼を終えた後に初心者コースのメンバーと向井先生、そして上村館長と記念写真を撮って10日間の朝稽古は無事終了。
第2回目となる朝稽古を見て上村館長は「朝仕事や学校に行く前にここで汗をかいてスッキリして、1日を始めようということで始めて、短い時間だけど熱心に基礎や柔道の本質を勉強してもらえているので大変嬉しい。」
「外国からも来て参加してくれているので、ここで礼法をきちんと学んで一緒に稽古をして交流する場だと言うことを知ってもらいたいです。スポーツは人としての成長に繋がることを教えてくれるので、1人では出来ない柔道を通して、社会生活に応用する力をつけてもらいたいという思いが、この朝稽古で伝われば良いなと思います。」と優しい眼差しで語ってくださいました。
技術の習得と精神的修養を伴う日本の武道の1つである柔道は、今やオリンピック種目として世界に広まっていることを、世界中から稽古にあつまった人々との交流を通して実感することが出来ました。
そして、多くの人に柔道の魅力を伝える為に講道館が朝稽古という機会を作り、講道館柔道を探求し続けていることが世界中の多くの柔道家たちに愛され支持される理由なのだと改めて思いました。今後も広がり続ける柔道の輪と、進化し続ける講道館柔道の取り組みに注目していきたいです。