開幕勝利の埼玉WKとS東京ベイ、王者同士の意地がぶつかる2024ラストマッチ

両軍のボムスコッドが試合の流れを変えた後半

後半5分、埼玉WKゴール前5mからモールに一気にトライを狙ったS東京ベイだが、埼玉WKの堅いディフェンスに崩されると、ボムスコッドを一気に投入。紙森選手、マークス選手、ヘル選手のフロントローにSH・藤原忍選手も加えて、相手スクラムでも主導権を取りボールを奪う。

ここで埼玉WKも、Craig Millar（クレイグ・ミラー）選手とヴァルアサエリ愛選手のラグビーW杯2023日本代表フロントローを投入して対抗するも、S東京ベイの激しいモール攻撃が日本代表FW陣にプレッシャーを掛ける。

藤原選手がモールで押す選手たちの尻を叩き、「もっと押せ！もっと押せ！」と鼓舞すると、遂に9分にそのモール攻撃が炸裂した。ゴールポスト右側になだれ込んでトライを奪ったS東京ベイは、フォーリー選手のPGも決まり20-10と反撃を開始した。

ボムスコッドの投入で勢いを増したS東京ベイがトライ-Journal-ONE撮影

12分に、プレー参加できない位置にいる選手がプレーに参加した場合の反則（オフサイド）から山沢京平選手の4本目となるPGで23-10と引き離した埼玉WKだが、このキックオフ直後にパスカットでターンオーバーしたS東京ベイが埼玉WKゴール7m付近でスクラムのトライチャンス。一度はオフサイドでボールを失うも、再びパスカットした17分のスクラムで埼玉WKゴールに襲い掛かる。

これを凌いだ埼玉WKがターンオーバーで敵陣に入も、キックブロックでまたもS東京ベイがターンオーバー。この目まぐるしいボールの支配権争いに、雨で冷えていたスタンドの熱気が一気に上がっていった。

雨で冷え切った熊谷のファンからようやく大きな声援が-Journal-ONE撮影

オレンジアーミーの声援に鋭い槍が放たれる

ブルー一色のスタンドに陣取る少数のオレンジアーミーから、「ゴーゴー、スピアーズ！」の声援が飛んだ19分、埼玉WKゴール15m付近からのラインアウトでS東京が再びモメンタムを得る。中央のゴール5m付近でノットロールアウェイの反則を得たS東京ベイは、ラインアウトからトライを狙いモール攻撃を仕掛けると、23分に何度もフェーズを重ねてマキシ選手が混戦からトライ。PGも決まって23-17とS東京ベイが一気に差を詰める。

S東京ベイがアタックを重ねて2本目のトライ-Journal-ONE撮影

俄然モメンタムを取り戻したS東京ベイは28分、埼玉WK陣5mラインからモール攻撃を展開。槍のように縦に突進してくるS東京インパクトプレーヤーたちの突進を凌ぐ埼玉WK。2本、3本と槍を突き続けるS東京ベイは、遂にゴールライン右隅にWTBのヴァイレア選手が飛び込んでトライ！角度のあるGをフォーリー選手が見事に決めて遂に23∸24と逆転に成功した。