アスリートが地元掛川を紹介! 「掛川城をバックに戦国武将の気分を味わう」遠州掛川鎧屋

アスリートが地元掛川を紹介!

試合前の殺気立ったレイラ・ホセイニ選手(アリエンヌ・マンディ)の姿© 2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved
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オリンピックで高まるスポーツ人気

2024年に開催されたパリオリンピックでは、世界206の国・地域から最大1万500人の選手が32競技の329種目に参加し、私たちに多くの夢と感動を与えてくれた。

なかでも日本選手団は、海外開催のオリンピックで過去最多となる45個(金20個、銀12個、銅13個)のメダルを獲得。国別獲得ランキングでも米国、中国に続き世界3位の金メダル数、3大会連続で10個以上の金メダルを獲得するという初の快挙を達成した。メダル獲得や入賞を果たした競技も多様化しており、スポーツへの興味関心は今後も更に高まっていくだろう。

世界中で親しまれる柔道

多様化する競技の中で、やはり注目されたのは日本の“お家芸”である柔道競技。男女個人7階級と男女混合団体戦で、金3個(世界1位)、銀2個、銅3個を獲得。メダル総数では地元開催国・フランス(10個)に次ぐ8個のメダルを獲得した柔道日本代表選手たちは、帰国直後からTV番組や企業広告などに多数出演する程の人気だ。

柔道競技は日本の強さ、メダルの獲得数に目が行きがちだが、参加した国・地域が122か国にものぼったことをご存じだろうか?パリオリンピックへの出場を果たせなかった国も含めると参加国・地域は204。この数字を見れば、如何に柔道が世界中で親しまれているスポーツであるかが分かる。

東京国際映画祭二冠に輝いた『TATAMI』

この世界中で親しまれる柔道を話題にした映画が、2025年2月28日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開することが決定した。その作品名は原題も邦題も同じ『TATAMI』(配給:ミモザフィルムズ)。2023年、第80回ヴェネツィア国際映画祭でブライアン賞を受賞し、第36回東京国際映画祭でも審査委員特別賞と最優秀女優賞の二冠を達成した話題作だ。

ジョージアの首都トビリシで開催中の女子世界柔道選手権を舞台に描かれた『TATAMI』は、第91回アカデミー賞短編実写映画賞を受賞したイスラエル出身のガイ・ナッティヴと、第75回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞したザーラ・アミールが監督を務める。日本のスポーツファンにとっては、日本発祥の“日本伝講道館柔道(柔道の正式名称)”が外国人監督の手がけた映画となり、世界中で話題となっているだけでも「どういった映画なのだろうか?」と興味がく。

試合前の殺気立ったレイラ・ホセイニ選手(アリエンヌ・マンディ)の姿© 2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved

試合前の殺気立ったレイラ・ホセイニ選手(アリエンヌ・マンディ)の姿© 2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved

実話ベースの社会派ドラマに冒頭から没入

迫力満点の柔道アクションと手に汗握るサスペンスで贈るポリティカルスポーツエンターテインメントである『TATAMI』は、全編モノクロ映像に異国感溢れる音楽、様々な視点で絶えずシーンが入れ替わる演出と、間近で試合を観戦しているようなリアリティ溢れる柔道シーンに冒頭から没入してしまう作品。

しかし、話題作たる最大の理由は、『TATAMI』が2019年に日本武道館で開催された”世界柔道選手権”で実際に起こった出来事をもとにしたストーリーであるからだ。

イラン代表のレイラ・ホセイニと監督のマルヤム・ガンバリは、順調に勝ち進んでいくが、金メダルを目前に、政府から敵対国であるイスラエルとの対戦を避けるため棄権を命じられる。自分自身と人質に取られた家族にも危険が及ぶ中、怪我を装ってイラン政府に従い戦いを諦めるか、それとも自由と尊厳のために戦い続けるか。次々に試合が行われる緊迫した状況下で人生最大の決断を迫られる。

スポーツ界への政治介入や中東の複雑な情勢、イラン社会における女性への抑圧を背景に、アスリートたちが家族までを巻き込んだ戦いを挑む様子を、余すところなく表現した臨場感溢れる映像で表現した『TATAMI』。この作品が、映画史上初となるイスラエルとイラン出身監督が作り上げたところにより強いメッセージを感じる。

日本発祥の柔道を通して個人と権力の関係を問い掛け、悲惨な争いが続く世界の中で平和への祈りを込めたポリティカルスポーツエンタテインメントは、日本でどこか遠くの出来事の様に感じていた”世界の今”を、身近で起こっている出来事として気付かせてくれる作品だ。

快進撃を続けるレイラが見事な名投げを放つ柔道シーン© 2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved

快進撃を続けるレイラが見事な名投げを放つ柔道シーン© 2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved

制作背景にも注目

話題作『TATAMI』の制作背景を知ると、さらに”世界の今”を身近なものとして気付かせてくれる。

アクセス
新宿ピカデリー
  • 東海道新幹線 東京駅 - JR中央線(14分)- 新宿駅(徒歩5分)
  • 東海道新幹線 品川駅 - JR山手線(20分)- 新宿駅(徒歩5分)
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取材・文:
Journal ONE( 編集部 )
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