ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドで伊予銀行ヴェールズはピンクリボン運動の一環としてピンクのユニフォームを着用-Journal-ONE撮影
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取材・文:
Journal ONE(編集部)
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祝・ソフトボール五輪復活!

“ソフトボール五輪復活” という明るいニュースが飛び込んできました! 10月16日に行われた国際オリンピック委員会(IOC)総会において、2028年オリンピック・ロサンゼルス大会(以下、ロス五輪)での実施競技として、野球・ソフトボール競技が正式に採用されました。2021年、コロナ禍で沈む私たちが歓喜したオリンピック・東京大会(以下、東京2020)で2大会連続金メダルに輝いた、ソフトボール日本代表の勇姿を再びオリンピックで観ることができるのです。日米対抗ソフトボール2023 横浜スタジアムで行われた第3戦 試合集合後に集合してLos Angelesオリンピックでの競技復活を願う日本代表、アメリカ代表の選手たち -Journal-ONE撮影

その日本代表選手はもちろん、アメリカ、メキシコ、オーストラリア、イタリアなどの代表選手たちが集まる世界トップクラスのソフトボールリーグ(以下、JDリーグ)もいよいよ終盤戦に突入しました。週末14節で29試合を戦い、11月に行われるプレーオフ、ダイヤモンドシリーズに進出できる上位7チームを目指すリーグ戦ですが、本拠地で行われる試合はわずか3節(7試合)。それ故、待ちに待った地元開催を地域の皆さんは楽しみにしているのです。

残り3節となった第12節、西地区の伊予銀行ヴェールズが地元・愛媛県松山市で今季最終節(松山ラウンド)を行うということで、試合前から地元の期待が高まります。ソフトボールJDリーグ| 松山ラウンド開催の坊ちゃんスタジアム-Journal-ONE撮影

地元ファンへ恩返しを

通常の土日デーゲームに加え、金曜日のナイトゲームも加えた3連戦。ヴェールズのグラウンド・伊予銀行体育センターで、「必ず3連勝をすると、チーム一丸このシリーズに備えてきました。」と話すのは石村 寛監督です。ソフトボールJDリーグ| 松山ラウンド試合前に伊予銀行体育センターで抱負を語るヴェールズの石村寛監督-Journal-ONE撮影

決戦の地・坊ちゃんスタジアムが見えるヴェールズのグラウンドは、外野を覆うロングパイル人工芝と内野に入れた水はけの良い黒土のコントラストがとても綺麗なソフトボール専用球場。「会社(伊予銀行)が本当に良くバックアップしてくれています。その期待に応えるためにも、たくさん観に来ていただく社員の前で、勝って少しでも恩返しをしたいです。」と、選手たちが試合前練習に取り組む姿を見ながら “絶対に負けられない戦い” を前に石村監督は静かに闘志を燃やします。ソフトボールJDリーグ| 松山市に伊予銀行体育センターは伊予銀行ヴェールズの練習場-Journal-ONE撮影

「リハーサルで台詞を噛んでしまって、オンエアでは少し緊張してしまいました。」と話すのは、地元・済美高校出身のエース・庄司 奈々投手。地元テレビの情報番組で、キャプテンの安川 裕美選手らと共に “チームの顔” として松山ラウンドを宣伝した時のことを振り返って苦笑いです。「テレビにも出させていただき、地元の皆さんの期待に応える試合をお見せしたいです。」と、砲・本間 紀帆選手のバッティング投手を務めます。愛媛県はもちろん、四国全体を本拠地と考えるヴェールズはサマーブレイク中に高知県の観光地を訪問して、四国の観光地などをPRするプロジェクト “四国を元気に!” にも力を入れています。四国旅客鉄道(JR四国)と共同で実施しているこのプロジェクトに参加した黒木 美紀投手も、「強い相手との戦いばかりですが、持ち味を十分に発揮して自分の役割をしっかりと果たしたいです。」と力強く応えてくれました。

プロ野球顔負けのナイトゲーム

10月に入って肌寒さを感じるようになりましたが、プロ野球の公式戦やオールスターゲームも行われる “坊ちゃんスタジアム” のナイトゲームは地元の皆さんの熱の入った応援と、プロ野球にも負けない選手たちのプレーで “熱い夜“ となりました。ソフトボールJDリーグ| 坊ちゃんスタジアムでのナイトゲーム・伊予銀行vsシオノギの試合前にバックスクリーンで放映された "四国を元気に!" のプロモーションビデオ-Journal-ONE撮影

対戦相手は、兵庫県尼崎市を本拠地とする “シオノギ レインボーストークス兵庫”。ヴェールズが所属するJDリーグ西地区で4位に付ける強豪チームです。今年からレインボーストークスを率いる “男子ソフトボール界のレジェンド” 松田 光監督と、” U-23(23歳以下)男子日本代表ヘッドコーチ” の石村監督の先輩後輩対決にも注目が集まります。前回(9月9日の札幌ラウンド)の初対決では後輩の松田監督に軍配が上がりましたが、ヴェールズのリベンジマッチとなるか?ソフトボールJDリーグ| 松山ラウンドでシオノギレインボーストークスの松田洸監督-Journal-ONE撮影ヴェールズのルーキー・遠藤 杏樺投手。レインボーストークスの千葉 咲実投手で始まったこの試合、両投手の立ち上がりは対照的なものになりました。遠藤投手は初回からヒットでランナーを得点圏にまで進められる苦しい展開が続きます。3回にも、1死からヒットを許し打席には早くも2巡目となる4番・氏丸 陽南選手を迎えます。0-1からの外角速球を振り抜いた打球は高々とセンター後方へ舞い上がるホームランを予感させる打球!ソフトボールJDリーグ| シオノギ戦で先発完封勝利をあげた伊予銀行ヴェールズの遠藤杏樺投手-Journal-ONE撮影

スタンドに詰めかけたたくさんのヴェールズファンが悲鳴をあげる中、その打球を追うのはセンターの松瀬 清夏選手です。昨年度西地区盗塁王の俊足・松瀬選手は、余裕を持って打球の落下地点に入りましたが、そこは既にフェンス前・・・ 身体をフェンスに預けて打球を待つ松瀬選手が伸ばしたグラブに鮮やかな黄色いソフトボールが吸い込まれていきました!ソフトボールJDリーグ| シオノギ戦でホームラン性の大飛球を好捕する伊予銀行ヴェールズの松瀬清夏外野手-Journal-ONE撮影

「うぉぉ~」と歓声が飛ぶ中、松瀬選手はセカンドへ矢のような送球。そこには、一塁からタッチアップで走ってくる加藤 愛夢選手の影。ワンバウンドでストライク送球となった二塁でのクロスプレーに、審判が右手を大きく振りかぶり「アウト!」のコール。これにはヴェールズの選手、ベンチ、観客も笑顔で最大級の喜びを身体いっぱいに表現しています。ソフトボールJDリーグ| シオノギ戦で伊予銀行ヴェールズの松瀬清夏外野手の好返球で二塁刺殺しピンチを脱する-Journal-ONE撮影

一方のレインボーストークス・千葉投手は初回から打者8人をパーフェクトに抑え込む最高の滑り出し。味方打線が再三チャンスを作るものの先制点が取れない中で我慢の投球が続きます。すると、9人目の打者として打席に入った芦田 歩実選手が「ここまでパーフェクトに抑えられていたので、何とか塁に出るためにやると決めていました。」と話した、セーフティーバントを初球見事に決めて2死ながらようやくランナーを出すことに成功しました。ソフトボールJDリーグ| シオノギ戦で伊予銀行ヴェールズの芦田歩実選手は絶妙のセーフティーバントでチャンスを演出-Journal-ONE撮影

前の守備からダブルプレーで流れが来ていたヴェールズ。ここで石村監督は「セーフティーをやって欲しいと思っていたところに以心伝心で芦田選手が上手く転がして塁に出てくれた。この流れならばやってくれるだろう。」と、芦田選手に盗塁を指示します。「石村監督が予想どおりに(盗塁のサインを)出してくれたので、思い切りいけました。」と話す芦田選手が2球目に果敢に盗塁!すると、佐竹 紫乃捕手が送球したボールが芦田選手に当たり外野を転々とする間に、一気にホームに還ります!ヴェールズが1度のチャンスで先制点を挙げて試合の流れを引き寄せました。ソフトボールJDリーグ| シオノギ戦で伊予銀行ヴェールズの芦田歩実選手は絶妙のセーフティーバントから盗塁でミスを誘い勝ち越しのホームを踏んでMVPに輝く-Journal-ONE撮影

実はこの盗塁、打者の松瀬選手がセーフティーバントの構えを見せたことで起こったプレーでした。バントシフトで猛突進するファーストとサードの守備位置をカバーしようと、セカンドは一塁カバーに、ショートは三遊間に守備位置を代えていたのです。そのため、二塁に送球したものの誰も捕球する選手がいない中で芦田選手の身体に当たったのです。得点に繋がる松瀬選手の好アシストが活きたシーンだったのです。ソフトボールJDリーグ| シオノギ戦で伊予銀行ヴェールズの松瀬清夏選手は好捕を連発して勝利に貢献-Journal-ONE撮影

その後、毎回のように走者を出したレインボーストークスでしたが、遠藤投手が7安打を浴びながらも要所を締めて完封! 「3回の松瀬選手のファインプレーで流れを掴んで完封できました。有り難うございました!」と満面の笑顔でヒロインインタビューに応える遠藤投手に、スタンドからは大きな拍手が起こります。この日のスタメン起用に応えた芦田選手も、「チーム一丸で地元3連勝を目指す中で、チームに貢献できて嬉しい。」と恥ずかしそうに喜びを語っていました。ソフトボールJDリーグ| シオノギ戦で先発完封勝利をあげた伊予銀行ヴェールズの遠藤杏樺投手-Journal-ONE撮影

世界の代表選手たちを相手に

翌日のデーゲームは、京都市を本拠地とするSGホールディングス ギャラクシースターズが相手。西地区3位、昨年はプレーオフ初戦で涙を呑んだギャラクシースターズには、世界中から東京2020代表選手があつまるMLB(アメリカ大リーグ、メジャーリーグベースボール)顔負けの “銀河系選手” を中心とした国際派チーム。ソフトボールJDリーグ| 松山ラウンドで伊予銀行ヴェールズと対戦したSGホールディングスギャラクシースターズは国際色豊かなチームメンバー-Journal-ONE撮影

オーストラリア代表の主砲 Stacey PORTER(ステーシー・ポーター)選手、今夏のソフトボールW杯予選ラウンドでも好投したKaia PARNABY(カーヤ・パーナビー)投手、イタリア代表の主砲で、MLB Home Run Derby Xにも呼ばれるほどの人気を誇るErika PIANCASTELL(エリカ・ピアンカステリ)選手と、3人のオリンピアンが在籍しています。更に後半戦からは、全米大学チームトップ3に君臨するFlorida State(フォロリダ州立大)のエースとして日米対抗ソフトボール2022で来日した、Kathryn Sandercock(キャスリン・サンダーコック)投手も加わりました。日本代表の核弾頭・中川 彩音選手も合わせ破壊力満点の打線と、強力投手陣にここまで2戦2敗のヴェールズは、勝ち頭の黒木投手を立てて連勝を狙います。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドで連勝を狙い伊予銀行ヴェールズの黒木美紀投手が熱投-Journal-ONE撮影

「得点を取るチャンスはそうそうありません。とにかく泥臭く1点を取って守り切るソフトボールを見せよう!」と、試合前にチームを鼓舞する庄司投手の言葉どおり、我慢の展開が続く一戦となりました。その檄に応えて黒木投手は、持ち味の多彩な変化球とコーナーワークで中川選手、エリカ選手にはヒットを許すものの安定した投球で3回まで無失点の好投を見せます。対するギャラクシースターズのキャスリン投手も、得意のドロップが冴え渡り3回を3奪三振パーフェクトに抑え込みます。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドで連勝う伊予銀行ヴェールズは試合前にご当地・済美高校出身の庄司奈々投手が試合前の円陣で檄を飛ばす-Journal-ONE撮影

0-0の投手戦となった4回、「初回に三振を取った配球を研究された。」と話す黒木選手が先頭のステイシー選手にレフトオーバーの特大ホームランを打たれて先制を許すも、5回には外国人選手にも負けないパワーが魅力の6番・居内 佑加選手が初出塁となる2塁打を放つと、送球エラーの間に一気にホームを陥れて同点に追いつきます。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドで連勝う伊予銀行ヴェールズは打撃上向きの居内 佑加選手が同点の口火を切るツーベースを放つ-Journal-ONE撮影

昨夜同様のラッキーな展開に、試合の流れを掴めるかとスタンドも盛り上がりましたが、やはり試合を決めたのは一発でした。6回2死から四球で走者を許した黒木投手が迎えるのは、エリカ選手。この試合、ファールボールやヒットなどでことごとくジャストミートしていたエリカ選手のバットが火を噴き、センターオーバーの勝ち越しツーランホームランが飛び出して万事休すとなりました。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドで連勝う伊予銀行ヴェールズはSGホールディングスギャラクシースターズに惜敗して大応援団に挨拶-Journal-ONE撮影

幸せを呼ぶピンクの・・・

毎年10⽉になると “ピンクリボン” の名前を冠したイベントが年々増えてきているような気がします。ピンクリボンは、乳がん検診の早期受診の推進などを目的とした世界規模の運動のシンボルマークです。ピンクリボン月間である10月は、乳がんについての正しい知識を広め、検診やセルフチェックなど、乳がんの早期発見・早期治療の大切さを広く伝えるために、世界規模のシンボルマークであるピンクのリボンを身に付けた様々なイベントが開催されているのです。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドで伊予銀行ヴェールズはピンクリボン運動の一環としてピンクのユニフォームを着用-Journal-ONE撮影

JDリーグにおいても、ピンクリボン月間にはピンク色のベースを使用して試合を行ったり、選手が自分たちのソフトボール道具にピンク色のものを取り入れたりしています。ソフトボールJDリーグ| ピンクリボン運動の一環としてベースをピンクで装飾して試合に臨む-Journal-ONE撮影中でも注目なのは選手のファッション!ヘアスタイルやネイル、ネックレスなどを注意深く探すと、ピンクをカッコ良く取り入れたファッションリーダーが見つかります。勝ち越しを3戦目に勝ち越しを狙うヴェールズは、この試合限定のピンク色のユニフォームを着用!チーム一丸の勝利に向けピンクがラッキーカラーになるか!? 昨日勝利し勢いが出てきた東海理化チェリーブロッサムズとの対戦に臨みました。ソフトボールJDリーグ| ピンクリボン運動の一環としてピンクのユニフォームを着用する伊予銀行ヴェールズの遠藤杏樺ッ投手と安川裕美捕手のバッテリー-Journal-ONE撮影

この試合の先発を務めたヴェールズ・遠藤 杏樺投手、チェリーブロッサムズ・田畑 七海投手は共に大学卒のルーキー。大学4年生の昨年、第57回全日本大学女子選手権(インカレ)において優勝した金沢学院大に田畑投手、3位のIPU・環太平洋大学に遠藤投手と、大学ソフトボール界でトップを走ったふたりが、今度は世界屈指のトップリーグで凌ぎを削っているのです。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンド3試合中2試合に先発して2勝を挙げた伊予銀行ヴェールズの遠藤杏樺投手は環太平洋大卒の新人選手-Journal-ONE撮影

「リーグ戦半ばから1番の松瀬、2番の齋藤が抑え込まれるケースが多くなったため、打線の入れ替えを決断しました。」と石村監督が試合後に語ったように、この日は1番にチーム最年少の瀧川 愛海選手を起用し、松瀬選手を2番に下げるオーダー。この采配が初回から功を奏します。力強いスイングが魅力の瀧川選手は、田畑選手の力強い球にも負けないスイングを見せます。ショートゴロで凡退しますが、快音を残した力強い打球にスタンドを埋めたヴェールズのファンからも期待の拍手が送られます。すると2番に下がった松瀬選手も力強いスイングでレフト線を破るスリーベースヒットでチャンスメイク!1死満塁と攻め立てて、遊失の間に先制点を挙げることに成功しました。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドの東海理化チェリーブロッサムズ戦で1番に抜擢され打線の流れを変えた瀧川愛海選手-Journal-ONE撮影

ラッキーガールたちの活躍で

金曜日のナイトゲームでは毎回走者を背負う苦しい投球でも完封勝利を挙げた遠藤投手。この日は与えたヒットは僅かに2本。走者を背負う場面では、三振を奪う力強い投球を見せて5回まで無失点にチェリーブロッサムズ打線を抑えます。結局、この松山ラウンドでは12イニングスをゼロに抑える素晴らしい投球を見せた遠藤投手。残り試合でどこまで無失点イニングを伸ばせるかも楽しみになってきました。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンド3試合中2試合に先発して2勝を挙げた伊予銀行ヴェールズの遠藤杏樺投手は環太平洋大卒の新人選手-Journal-ONE撮影

また、「予定していた凱旋登板でしっかり役目を果たしてくれた。」と石村監督が賞賛したのは、6回からマウンドに上がった “地元のスター” 庄司投手です。「やはり地元のマウンドに上がるのは特別。一緒にソフトボールをしていた友だちや職場の皆さんも応援に来てくれて、その声援を受けて幸せを噛みしめながら投げました。」と振り返る庄司投手。いきなりの連打で1点を失ったものの、笑顔を絶やすことなく続くバッターを3者三振に切って取ると、小さくガッポーズを見せます。庄司投手は、「え?そんなことしていましたか?全然記憶にありません(笑)。」と少し驚いた表情を見せつつも、「地元でこのメンバーと一緒に戦うのもこれが最後かもしれません。チーム一丸となって勝ち越せた地元ラウンドは本当に意義深いです。」と松山の3日間で得た成果を話してくれました。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドでの東海理化チェリーブロッサムズ戦で凱旋登板した伊予銀行ヴェールズのご当地・済美高校出身の庄司奈々投手-Journal-ONE撮影

一方、打線では3回、川口 茉菜選手のヒットを足掛かりに1死一、二塁とチャンスを作ると、キャプテン・安川選手のタイムリーで欲しかった追加点を挙げます。「この1点で終わってしまうことが多かったシーズンですが、田畑投手が得意とするライズ系に強い吉金選手を起用しました。その期待に見事に応えてくれました。」と石村監督が絶賛した吉金 亜希子選手。2死一、三塁で打席に入った吉金選手も地元・済美高校出身の選手。この試合、ボールガールを務めた済美高校ソフトボール部の後輩たちが熱い視線を送ります。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドでの東海理化チェリーブロッサムズ戦で同点タイムリーヒットを放った伊予銀行ヴェールズのキャプテン・安川裕美捕手ご当地・済美高校出-Journal-ONE撮影

外角、内角と立て続けに速球で追い込まれた吉金選手でしたが、「ここ最近、バッティングフォームを改良した成果が出ていたので自信を持って打席に臨みました。2球目の見逃し方(内角速球)が良くなかったので、必ずそこで勝負をしてくると読んで振り抜きました。」と吉金選手は読み通りの内角速球を強振!鋭い打球で三塁線を抜けた当たりは、貴重な3点目をあげるタイムリーヒットとなりました!ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドでの東海理化チェリーブロッサムズ戦でタイムリーヒットを放つ伊予銀行ヴェールズのご当地・済美高校出身の吉金亜希子選手-Journal-ONE撮影「済美の後輩や、観に来ていただいた職場の仲間の前で結果を出すことができて本当に嬉しいです!下位打線は、1試合で1度しか打つ機会のない打順ですから、これからも集中して打席に入って結果を出します!」と、力強く話してくれました。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドでの東海理化チェリーブロッサムズ戦でタイムリーヒットを放った伊予銀行ヴェールズのご当地・済美高校出身の吉金亜希子選手-Journal-ONE撮影

「私、明日が誕生日なんです!」と、笑顔いっぱいに前日の試合後に教えてくれたのは8番に座る井上 瑞希選手です。誕生日の試合に特別なピンクのユニフォームを着て、本拠地の大声援を受けてプレーした井上選手は、「打席に入る感覚は毎日少しずつ違うのですが、今日は何もかもがしっくりきていました。」と話したとおり、2回・先頭打者の場面で「誕生日おめでとう!」というアナウンスで打席に入ります。この打席、持ち前のパワーで振り抜いた打球はあっという間に一二塁間を破る “バースデーヒット”!これでゾーンに入った井上選手は6回の第3打席にまたしても先頭打者で打席に入ります。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドでの東海理化チェリーブロッサムズ戦で自らの誕生日を祝う一発を放った伊予銀行ヴェールズの井上瑞希選手-Journal-ONE撮影

「打ったのはライズ系だと思います。打った瞬間の感触は完璧でした!」と話した打球は、大きな弧を描きライトのはるか頭上を越えるダメ押しのホームランとなりました!6月に行われた地元開催・西予ラウンドに続く第2号ホームランを放った井上選手は、「やっぱり愛媛県に縁がありますね。」とニッコリ。「次のラウンドは私の地元・福岡(北九州ラウンド)です。今度は、応援に来てくれる両親や友だちの前でも良いバッティングを見せて勝利に貢献したいです。」と、残り試合全勝を誓ってくれました。ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドでの東海理化チェリーブロッサムズ戦で自らの誕生日を祝う一発を放った伊予銀行ヴェールズの井上瑞希選手-Journal-ONE撮影

勝ち越しに地元の皆さんも

「2試合目(対ギャラクシースターズ)は勿体ないことをしましたが、勝ち越すことが出来て良かった。」と話すのは、愛媛県ソフトボール協会会長の森田 浩治さんです。実は森田さん、ヴェールズの創設者で現在もシニアアドバイザーとしてチームを支えているのです。「松山ラウンドには、伊予銀行の社員も地元の方もたくさん応援に来てくれました。支えてくれる人たちの前で勝てたことは本当に大きいです。」と、地域の活性化にはヴェールズの勝利が何よりだと話します。女子ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドを勝ち越しで終えた伊予銀行ヴェールズを戦評する愛媛県ソフトボール協会会長の森田 浩治さんは、ヴェールズの創設者で現在もシニアアドバイザー-Journal-ONE撮影

「スポーツはみんなを笑顔にし、地域を明るくしてくれます。ですから伊予銀行社員はサッカーやバスケットボールなど、自社のチーム以外でも積極的に観戦に出掛けることを奨励しているのですよ。」と、地域と共に歩む会社ならではの素敵な取り組みも教えてくれました。女子ソフトボールJDリーグ| 地元・松山ラウンドを勝ち越しで終えた伊予銀行ヴェールズを戦評する愛媛県ソフトボール協会会長の森田 浩治さんは、ヴェールズの創設者で現在もシニアアドバイザー-Journal-ONE撮影

「天気にも恵まれ、たくさんの人たちが笑顔で観戦してくれて本当に良かったです。」と、カメラを首にかけて忙しく走り回るのは、同副会長の松下 久美子さんです。6月の西予ラウンドで知り合った私たちJournal-ONE編集部にも気さくに話しかけてくれるその笑顔の周りには、いつでも多くの仲間が集まり笑顔を見せています。「私は昔から人の世話をすることが好きなんです。今大会は撮影係を仰せつかり、色々な場所から撮影しないといけなんです。」と、3日間精力的に皆さんの笑顔にカメラを向けていました。女子ソフトボールJDリーグ| 松山ラウンドの運営を明るく仕切る愛媛県ソフトボール協会副会長の松下 久美子さん-Journal-ONE撮影

「JDリーグで盛り上がって、県内のソフトボール人口が増えることを期待しています。」と話すのは、同副理事長の高岡 絵里さんです。ご自身も実業団ソフトボールをしていた高岡さんは、“する人” “支える人” のふたつの視点から愛媛県のソフトボール活性化に尽力しています。「JDリーグの試合を観ることで、やってみようと思う子どもがひとりでも増えてくれれば。運営の方もソフトボール経験が無くてもやってみたいというひとが増えると良いですね。」と、トップリーグの開催が地域のすそ野を広げてくれることを願っていました。女子ソフトボールJDリーグ| 松山ラウンドの運営を明るく仕切る愛媛県ソフトボール協会副理事長の高岡 絵里さんも元実業団ソフトボール選手-Journal-ONE撮影

“支える人” といえば、JDリーガーたちの移動を支えるチームバスの運転士さんも忘れてはなりません。「北海道などの遠方は現地でバスを借りて運転することもありますが、基本的にはこのヴェールズ・ラッピングバスで移動しています。」と話すのは、ヴェールズチームバスの運転士の西野さんです。「数名でシフトを組んで運転しているのですが、今日(日曜日)の私の担当の時に勝ってくれて本当に良かったです。」と、普段から選手たちの頑張りを間近で観ている西野さんも、松山ラウンドの勝ち越しを喜んでいました。女子ソフトボールJDリーグ| 松山ラウンドで伊予銀行ヴェールズの勝ち越しを喜ぶ運転手の西野さん-Journal-ONE撮影

混戦必至の2023シーズン

2節を残し、東地区のビックカメラ高崎 ビークイーンと西地区のトヨタ レッドテリアーズの優勝が決定しましたが。2位以下が昨シーズン以上に混戦となっている2023シーズン。プレーオフ進出となる両地区2位と3位、ワイルドカードとなる勝率の高い4位のチームになれる権利を有するチームは昨年よりも多く残っています。

第13節(10月21日、22日 ※一部20日も開催)は、静岡県掛川市、愛知県豊橋市岐阜県大垣市、福岡県北九州市で。最終節となる第14節(10月28日、29日)は、群馬県高崎市、埼玉県本庄市、愛知県名古屋市、京都府京都市で開催されます。

ロス五輪に向けて益々熱くなる女子ソフトボール。お近くの町で開催されるJDリーグを観戦して、ハイレベルな戦いを演じる選手たちの笑顔を間近に観てみませんか?きっと皆さんも、ソフトボール観戦の面白さに気付いてもらえると思います。

[東海理化編] 女子ソフト・松山ラウンドレポート << コチラ
[SGH編] 女子ソフト・松山ラウンドレポート << コチラ
[シオノギ編] 女子ソフト・松山ラウンドレポート << コチラ

アクセス
坊ちゃんスタジアム
  • JR松山駅-予讃線(3分)-JR市坪駅-徒歩0分

 

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